「石ころ」に関心をもち、いそいそと出かけ、出会うたびに感動しています。まさに「石ころ」に恋しているのです。……トッサン
2006/6/23
斑れい岩

ずっしりと重い密度の大きさを感じさす斑れい岩
潮岬青年の家の前を通り過ぎると、浪ノ浦が広がってきます。そこに小さな漁港があり、冬の北西の風で紀伊水道側が荒れている時でも、ここは穏やかです。ここを通り過ぎて潮岬観光タワーに向けて車を走らせ坂を上っていく途中の海岸で、この斑れい岩(はんれいがん)を採取しました。
道路の脇に数台の車を駐車できるスペースが設けられていて、そこに駐車して磯に下りていくことが出来ます。大きな岩が今にも崩れそうな危険な場所だったのですが、石を観察しているときらりと光る珍しい石が目に飛び込んできました。それが写真の輝石(きせき)の結晶の粒が光る斑れい岩だったのです。
光を当てると輝石の粒が金属光沢を見せます。
右の白いのがひとつの輝石の粒が光っているのです。
直径13cmほどの球に近い石で、全体的に黒っぽい色をしています。ずっしりと重くて硬いこの岩石が荒波によって丸くなるまでに気の遠くなる時間が掛かっているはずです。この石の転がり出た元の岩石はどこにあるのか調べて見ると近くの崖で見つかりました。この輝石が光る岩が磯や崖全体に広がっているのでなくて、狭い一部のところにしか確認できませんでした。
やく一年後同じ場所に行ってみたのですが、大きな岩が崩れ落ちて様子がすっかり変わっていました。それで同じ様な斑れい岩を見つけることが出来ませんでした。近いうちに再度調べてみたいと思います。その時現場の写真を撮ってここに追加したいと考えています。
斑れい岩は黒っぽい粗粒の深成岩で、無色鉱物は斜長石(カルシウムを多く含む)で、石英(SiO2)はほとんど存在しないそうです。したがって塩基性(アルカリ性)岩です。有色鉱物の多くは輝石(きせき)で、他にかんらん石や磁鉄鉱などが含まれます。それに輝石でなく角閃石を含む時は、角閃石斑れい岩と呼ばれるようです。

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2006/6/21
花崗閃緑岩

大和葛城山の花崗閃緑岩
見かけは花崗岩に似た粗粒の深成岩で、花崗岩と閃緑岩の中間に位置する岩石ということから名づけられた花崗閃緑岩です。
大和葛城山の花崗閃緑岩をみると、やや透明な感じの部分が石英で、白く見えるところが斜長石で、黒い大きい塊が黒雲母で、短冊状の(鉛筆の芯が折れたような)形のものが角閃石です。それぞれの粒が大きいので、地下深くゆっくりと冷えて結晶になったのだろうと想像できます。
花崗岩との違いは、カリ長石よりも斜長石のほうが多いことで、有色鉱物にときには輝石が含まれることがあるということです。

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2006/6/21
閃緑岩
欅平の駅に展示されていた閃緑岩
宇奈月温泉からトロッコ電車に乗って欅平の駅に着くと,そこに黒部峡谷の基本になる岩石の大きなサンプルがいくつか展示されていました。そのひとつに写真の閃緑岩がありました。
説明の表示パネルに『おそらく、三畳紀に貫入した旧期花崗岩の中の下之本型花崗閃緑岩に伴う閃緑岩類です。角閃石、黒雲母などの有色鉱物を多く含んでいます。緑色の細い脈の部分は緑簾石(りょくれんせき)という鉱物でしょう。(産地・欅平〜猿飛) 』と記されていました。
一般的に閃緑岩には、無色鉱物の石英やカリ長石はほとんど入っておらず(石英は5%以下)、斜長石と有色鉱物からなるやや暗い色の粗粒の深成岩です。花崗岩と比べて有色鉱物を多く含み、有色鉱物はほとんどが角閃石で、黒雲母や輝石がわずかに含まれることもあるそうです。

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2006/6/6
湯浅の化石(20)
「コスメトドン」

このようにくっ付いていたのが下の写真のように外れました

下側は、蝶番が見事に現れた化石、上は蝶番の部分にくっ付いていた岩石がぽろっと落ちた外型印象の化石。よく見ると細い線(肋)が見えます。
石を割ったとたんに顔を出したのが大きな二枚貝の蝶番(ちょうつがい)の部分でした。現れたその部分の長さは3cmを超えるもので、そこから全体の大きさを推し量るとどれくらいになるのでしょうか。今までに見つけた二枚貝の化石の中では私にとっては最大級の大きさになります。
さらに後から蝶番の一部を包み込むようにくっ付いていた石がぽろっと取れて、その内側にかすかに細い肋が写っているのを見つけました。はじめは、本体の貝化石の表面はつるつるした滑らかな状態になっているのでそういうものかなと思っていたのです。しかし、実際は蝶番の頂点からたくさんの放射状の細い肋が刻まれていたことが考えられます。
自然科学館で教えていただいた名前は「コスメトドン」でした。まるで恐竜のような名前なのでびっくりしました。たしか現生の赤貝に近いなかまであるとお聞きしました。

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