天鳥の褶曲(しゅうきょく)
船の上から撮った褶曲を見せる岩
11月9日(木)に、すさみ町口和深の谷口渡船さんにお願いして、念願の有名な「天鳥(あまどり)の褶曲」を見ることができ、写真も撮ることができました。
9月の末だったか、国道から歩いて行けるということを聞いていたので挑戦してみたのですが、道は草に覆われて分かりにくかったのと、なによりマムシが出る恐れがあるという話だったので途中であきらめていたのです。
そこで今回、魚釣りと兼ねて褶曲を見せる岩を見ておこうと考えて、「教科書に出てくるような、地層が折れ曲がった岩の近くで、魚釣りをしたいので天鳥あたりの島に上げてくれますか」と無理を頼むと、船頭さんに快く引き受けていただけました。ただ「その岩は、天鳥ではなく、もっと手前にあるよ。それに、その岩の近くには魚あまりいないよ」と言われたので、「帰りに近くまで行って写真を取れればよいので、比較的近いところの島に頼みます」ということで、カゴ釣りのできる島(島の名前を聞くのを忘れましたが、大バエの手前のフクロ島かもしれない。)に下ろしてもらいました。
魚釣りに上がった島からの写真。褶曲はもっと左にあり、この島から見えなかった
後ろの山のむこうに国道42号が走っている。
船を走らせている頃はまだ薄暗かったので、「あれがそうや」と言ってくれたのですが、まだ私には確認できませんでした。次々と他の釣り客はそれぞれの島に下りて最後に私ひとりになり、目的の島にゆっくり下りました。
口和深の磯は初めてだったので、一級磯といわれる「三つ石」など見られました(いつかこの島に上がって見よう!!)し、岩や磯の様子がよくわかるのでそういう感動もありました。
地層は水平に堆積しますが、圧縮の力で波のように曲がっている構造を「褶曲」と言われています。この「天鳥の褶曲」は、規模は小さいのですが、まるで布団を折りたたんだように,「つ」の字に折れ曲がっている見事なものです。これを見ると地層が比較的軟らかいときに強い圧力が加えられたことや、地層の上下の順序が逆転するということも分かります。まさに地球のダイナミックな地殻変動の一端を見せ付けられる思いです。
地質は、砂岩中心に泥岩と交互層になっているのが見られます。このあたりは、四万十帯の牟婁層群(第三紀始新世〜漸新世・5000万年〜2500万年ほど前の時代)の地層に属しています。
冬には、国道から谷づたいに歩いて磯まで行って褶曲に触れてみたいと思っています。足場の悪い険しいところもあるらしいですが、波のない干潮時がねらいどころでしょう。
トッサンの釣り情報
カゴ釣りで5ひろぐらい。「三の字ハゲ」が多かったです。「グレ」は4,5匹きたが小さいのは放流。他に「イズスミ」「アオブダイ」、バラシも4回、逃がした魚は大きいように思います。「今のは、30センチを超えるグレだったなー」とくやしがります。手前の根に必ず来るので、魚がかかると荷物の見える右端に走り、腕と竿を突き出すようにして巻き取ります。食事が取れないくらいあたりがありました。10匹ほど持ち帰ったが,釣りの楽しさは満喫しました。
ただ、「グレ」以外は、皆さんが「あんなくさい魚食えないよ」と捨てますが、私はそうは思いません。帰り際に島で魚の腹腸を取っておきます。「イズスミ」など、「ばばたれ」などとひどい言われ方をするぐらい、確かに、はらわたは臭いですが、塩焼きにすると旨いです。
「三の字ハゲ」も「アオブダイ」も、同様にうろこを取らず、二枚に下ろして塩焼きにします。「グレ」と「イズスミ」は、帰ってすぐに夕食のおかずにしました。
釣った魚はできる限り感謝しておいしくいただくことにしています。

上が「グレ」、下が「イズスミ」

上が「二ザダイ(三の字ハゲ)」、下が「アオブダイ」

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