屋島・庵治(あじ)石
東側からの遠望 台形の形をした屋島
台形の形をした屋島を何度か遠くから眺めたことがあり、源平合戦の史跡を含めて一度行ってみたいと思っていたので、この機会にドライブウエイを走らせて登りました。
屋島は、花崗岩の基盤の上に乗った輝石安山岩からなる溶岩台地なのです。地中から噴出したマグマがテーブル状に固まって台地になったそうです。元は名前のとおり四国本土から少し離れた島であったのですが、江戸時代の新田開発により陸続きになったといわれています。
時間があれば遊歩道から何ヶ所かある展望台にいけたのですが、寺や神社があるところで引き返しました。さすがに花崗岩を使った寺の飾り物など立派なものがありましたので、観光案内の方にどこの産の花崗岩か聞いたのですが分からず、ただ「向かいに有名な庵治石の産地がある」と教えてくれました。
屋島の頂上に飾られていた花崗岩の狸の像、右側に雌の狸があります。
帰り、ドライブウエイを下る時に見晴らしの良いところに車を止めて確かめてみると、東側に壇ノ浦をはさんで、山肌を白く切り開かれた採石場が拡がっているのが見えました。
そこが、庵治石採石場だったのです。地図をみると、香川県の庵治町・牟礼町にまたがる八栗五剣山山麓にあります。
庵治町・牟礼町にまたがる八栗五剣山山麓の採石場・手前の入り江は壇ノ浦・写真の左側には瀬戸内海が広がり小豆島も見えます。
庵治石は、細粒黒雲母花崗岩で、花崗岩のダイヤモンドといわれるくらいに硬いそうです。
その上細かな細工が可能、水を含みにくいので風化や変質に強い、彫られた文字など崩れにくい、優美な光沢、独特の色合いと重量感・・・などとても優れた花崗岩なのです。
ドライブウエイの見晴台に説明版があり、そこに庵治石について次の案内がありました。
『 庵治石採石場
瀬戸内海隋一の銘石庵治石の産地で極めて優秀な黒雲母花崗岩で
磨けば肌ごとに美しく風化にも強いため、彫刻素材となり高く評価されています。
三年ごとに開催される石の里フェスティバルは、世界の石彫アーティストが集まり美と技を競い国境を越えて石の芸術の感動を満喫しています。』

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