紅葉の若草山
若草山頂上の古墳の上にある岩石 三笠安山岩だろうか。
昨日、大阪に用があって帰りの午後、奈良に立ち寄って若草山に登りました。
料金所のゲートが閉まっていたので北側の山道を登りました。以前より道がはっきりとついていて登りやすかったです。若草山は三段になっていて、この横道を上り詰めると二段目の頂に出ます。まだ上に一段高い頂があるのです。頂上近くに料金所があり、ここも金網のゲートがしまっていたので乗り越えざるを得ませんでした。そして登り詰めるとまさに若草山(三笠山)の頂上です。
頂上でも鹿たちが愛嬌を振りまいていました。
驚くことに、この若草山や右隣にそびえる春日山などは火山であったそうです。その岩石は三笠安山岩(以前、このブログで「奈良公園の黒い石」として記しています)として有名です。奈良公園の寺の石垣や敷石に使われている黒い石は、三笠安山岩なのです。
頂上からの眺め、下に二段目の頂、白い建物は頂上近くの料金所 あいにくガスがかかり奈良市街や生駒山などの見通しが悪かったです 左下のビルは奈良県庁
また、若草山の頂上には「鶯塚古墳」と呼ばれている前方後円墳が存在するのです。
その掲示板に次のように説明されています。
『史跡 鶯塚古墳
若草山の頂上に築造されたほぼ南面の前方後円墳で、全長103メートル、前方部幅50メートル、後円部径61メートルの規模である。二段築造の墳丘には葺石や埴輪がある。
埋葬施設は明らかでないが、以前に前方部西南隅で石製斧や内行花文鏡などが出土している。古墳の周辺には陪塚と考えられる円墳や方墳が三基確認できる。四世紀末に丘陵頂部に築造された典型的な前期古墳である。なお清少納言の「枕草子」に記されているうぐいすの陵がこれといわれ、古墳の名もこれからきている 』 と記されていました。
この古墳の最上部に大きな岩石の碑がポツンと据えられています。初め古墳の一部だろうかと思いましたが、そうではなく古墳を示す碑であると思われます。側面に彫りこまれた文字に「延喜式」という歴史的な文字が見えます。
この岩石は、三笠安山岩だろうかとよく見ましたが、それほど黒っぽくはありません。でも表面が風化して白っぽくなっている可能性があります。火成岩には違いないのですが、もどかしい気持ちのまま下山しました。
ゆったりとした広い坂道で、落ち葉を踏みしめながら歩けます
帰りのコースは、頂上近くの駐車場の側から車が二台行き違えるほどの広い道で、山すそをクネクネと何度も何度もカーブしながら降りて行く道です。この道は若草山と春日山の間の谷を下っていく緩やかな坂道で、落ち葉を踏みしめながらゆったりと歩けます。しかも、下に行くほど紅葉がきれいに見られるとても良いコースです。
興福寺近くまで来て空が少し暗くなり時雨れてきました。そのとき東の空に虹がかかりました。
五重塔の側に虹がかかりました。少しうすくなって見えづらいですが。

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