エジプト石ころの旅(16)エジプト考古学博物館
カイロ・エジプト考古学博物館
エジプト考古学博物館の入口、その前の池にはパピルスが植えられていました
最終日に、カイロにあるエジプト考古学博物館を見学しました。
パピルス
入口の前庭にある池にパピルスが植えられていました。パピルスは、もうエジプトでは自生していないようです。前日にパピルスの店に立ち寄って紙のつくり方等説明を受けました。パピルスの三角形の茎の皮をはいでから、ナイフでその軸を薄くはいで行きます。一週間ほど水(のりが入っていたのかな?)にさらしておいて、それを縦横に織るように組あわせてプレス機にかけて一週間ほどねかすのだそうです。この店では、その紙や紙を使った絵などを販売しているのです。
余談ですが、パピルスは、神戸の「花鳥園」の温室で栽培されているのを見ました。そこには、
『カヤツリグサ科カヤツリグサ属
水辺に生える多年草で、高さ5mに達することがあります。
紀元前32世紀頃から古代エジプトで紙の材料として用いられ、紙(paper)の語源となっています。その他、茎を工芸品に、根を食用にするなど大変に重宝され、古代エジプトの下エジプト地方(ナイル川下流域)のシンボルとされていました』
と説明文が掲示されていました。
ミダン・タハリール広場(自由の広場) 右奥に博物館が見えます
さて、博物館に入るにあたってカメラは持ち込み禁止なので添乗員さんに預けて、それから入館しました。たいへんな人でしたが、アムロさんの説明を聞きながら、まず、まだあまりこんでいない二階の目玉であるツタンカーメン王の墓より発掘された秘宝のコーナーから巡ることになりました。
ツタンカーメン王の「黄金のマスク」 ちょうどテレビで放映されていたのをカメラで写したものです。
「黄金のマスク」の後ろ姿 ヒエログリフが描かれています
かつて日本でも展示され、すごい人気が高かった「黄金のマスク」、しかし、ここでは人盛りはなく見所が他にもたくさんあるので、参観者はこのマスクにはあまり執着していませんでした。それから、22金製の「黄金の内棺」、「金箔の玉座」など、ため息をつきながらじっくり拝見しました。装飾品の中で足の指にはめる金の金具まであり、すべて金で溢れているようでした。トルコ石の大きなブローチなども印象に残りました。このトルコ石は白い部分の混ざる美しい青い石でした。これこそトルコ石のホンマもんだと思いました。!!
一階に下り、時代、王朝別に陳列されているが、あまりの展示品の多さに目が回りそうでした。小走りに見るという感じで、見て周りました。閃緑岩に彫られ、王の後頭部にいるハヤブサの姿をしたホルス神に護られ玉座に座った「カフラー王坐像」、美術史で習ったような気がする「書記の坐像」、極端に長い顔と膨れた腹を持つ「イクナテン王像」の巨像,「神官ラヘテプと妻ネフェルトの像」・・・など。
「書記の坐像」
「神官ラヘテプと妻ネフェルトの像」
いやー、エジプトに限らないけれど、事前に、じゅうぶん予習しておかないと消化不良を起こしてしまいます。帰ってから本当に下痢をしました。すぐにかかりつけのお医者さんに行って薬をもらい、飲んで休むとまもなく直りました。やはり消化不良でした。
この後、カイロ最大の市場、「ハーンハリーリバザール」に行きましたが、私にとっては期待はずれででした。石ころなどなかったということです。
本当に駆け足のツアーでしたが、ずっしりと歴史の重みを感じる旅でした。

0