白崎海岸の石ころ(1)
国道の由良駅前あたりを過ぎるとすぐに「白崎海岸」の標示が見えてきます。その信号を右折して小さな峠を二つほど越えて海辺につきます。そこには「大引」の家並みと漁港が広がっています。この小さな漁港に沿って車を進めるとすぐに家並みから離れ、海岸に沿った山すその曲がり角のところに、大碆(おおばい)という赤茶色がかったチャートの大きい岩があります。その曲がり角をまがると目がさめるような白崎海岸の風景が目に飛び込んできます。真っ白い石灰岩の岬がつきでていて眩しいばかりに輝いて見えます。
海の青さと石灰岩の白さのコントラストをつくりだす光景は、私たちをまず感動の世界に引き込んでくれます。
曲がり角のところに車をとめてカメラを向けました。大碆(おおばい)のすぐ側のチャートの岩を前において白崎海岸を写しました。槍の穂先のように突っ立っているのが立巌(たてご)と呼ばれる見事な石灰岩の岩です。その名の通り、気の遠くなるような長い年月を経て、荒波に耐えてきた厳しさを象徴しているような岩です。
見事な石灰岩の岩 白崎海岸の石ころ
立巌のそばを通り越すと、海に迫る険しい山のつい立のような崖がそそり立っています。その上部にも真っ白い石灰岩の大きな塊になった岩が光っています。今にも崩れ落ちてきそうな危機感と迫力を感じさせます。その下の海岸には、おそらく転がり落ちてきた岩が波に削られ磨かれてまるくなったのであろう何トンもありそうな大きな石ころがたくさん並んでいます。そして、緑、青、褐色・・・さまざまな色のチャートと白い石灰岩のつくりだす色のシンフォニーの美しさを味わうことができます。
白崎海岸公園の中は、レストランや展望台があり、そこからはカルスト地形が発達しているのが見えます。また石灰岩のなかにウミユリやフズリナ(示準化石)の化石を観察することができます。さらに最近ではダイビングの基地もできて海底散歩を楽しむ人でにぎわっています。そのダイビングの出入り口にあたるところにかわいい石灰岩の石ころの浜があります。

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