紀ノ川の石ころ(1)
学校のすぐ前に神社がありますが、子どもたちと一緒に石の観察をするとてもよい場所になっています。灯篭や石の橋、石段など花こう岩(御影石)でできたものがよく目につきます。それに、本殿に入る石段のまえに縦1メートル、横10メートルほどのコンクリートに石ころをたくさん埋め込まれた踏み石が造られています。いろいろな色のチャートという硬い石がおもに並べられてあり、長い年月お参りした人に踏まれて磨かれているために美しく光っています。
これらの石を観察していると、神主さんがこられて「この石は紀ノ川の石ですよ。本殿の中にたくさん敷き詰められていますから、入って観察してもいいですよ。」と、案内してくれました。石段をあがり門をくぐると、中央に本殿への参道として幅広い緑色片岩が敷かれていて、その両サイドに石ころの広場が広がっていました。
「これらの石は、昭和13年ころ子どもたちが紀ノ川に遠足に行って拾ってきて敷き詰められたということです」という説明をうけました。まるで子どもたちの遠い先輩たちが石ころの学習のために準備をしておいてくれたように思えて、とてもうれしくてたまりませんでした。
色や形に惹かれて石ころを拾ったり、あるいは特色ある石ころを見つけては名前を確かめたりして親しむことができます。ルーペで石の成り立っている粒や結晶などを詳しく調べたりもします。今年で三年目を迎えましたが、こんなに近くで紀ノ川の石ころに触れられるとは思いもよりませんでした。
中央の緑色片岩の敷石にふれる子どもたち
両サイドの紀ノ川の石ころを観察する子どもたち

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