現代日本を舞台としたダンジョン探索もの小説。
かつてネットで公開され好評を博していたらしい、
このちょっと風変わりな設定の小説が去年からGA文庫で刊行されております。
迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの
京都に地下迷宮が発見され、
中には独自の生態系を持って地上にはいない様々な生物が生活していた。
モンスターを討伐しつつ、その死骸から取れる貴重な化学物質を得るため、
ビジネスとして迷宮に潜る探索者たちと周囲の人々。
そして彼らが生活する地下に作られた街、迷宮街を描く傑作です。
(傑作と言い切るのは完結してからの方が良いだろうか?)
自分はGA文庫から刊行される以前はまったく知らなかった上に
先の展開を知るのが怖くてあえて情報を集めていないので
未だにかなり無知なのですが、漫画化とかもされてたんです、かね?
まあそういった予備情報より、とにかく面白かった、それが正義!
剣と魔法(的な技術)の飛び交う、ファンタジックかつゲーム的な世界を
想起させるダンジョン探索という行為をメインに描きつつ、
しかしシビアなリアルを読者に叩き込んできます。
探索者たちにとって探索はあくまでも現実の延長なんですよね。
当たり前だけど。
とまあ、ちょっと堅めの紹介から入りましたが
現代日本の、自分達とそう変わらない年齢の男女がメインなので
感情移入もわりとしやすいですし3巻完結予定なので手にも取りやすい、
わりと自信を持ってオススメ出来るシリーズです。
以下ちょっと内容に触れる感想になるので格納します。
迷宮街クロニクル2巻までの
ネタバレを含みますのでご注意ください
このシリーズは相変わらず人が普通に死にますねえ。
死者の数や回数だけを考えると他のライトノベルと比較してそう多いわけではないですが、想定を裏切ってくるタイミングと現実チックな各々の対応が読者を揺さぶってきます。
やはり印象的なのは1巻冒頭のレベルを上げても(経験を積んでも)
ゲームと違ってHPが増えたりしない、というくだりですかね。
あの最初のエピソードに色々と集約されている気がする。
どんなに強くても不意討ちされたら死ぬ(危険性が高い)世界。
全てが死亡フラグに見えてきちゃいますよ。
とりあえず、今は孝樹さんと津差さんが心配だ。
口絵のアレは死亡フラグどころか
ひどいネタバレになり兼ねない描写だと今にして思うけど
最初に読んだときはいったい口絵に描かれているのが誰なのか
本気で分かっていなかったから結果オーライ。
単純に自分が鈍いのかな?
閑話休題。
多視点で描かれるのは本作の特徴でありますが、
それによって情報差、考え方の違いなど色々と見えてきますね。
2巻は“真壁視点”と“真壁の日記”という似て非なる2つが
非常にいい味を出してました。
というか忍び寄る破局の危機?が怖くて仕方ないです
日記内で翠と仲良く行動しているのを見ると、うわあああってなる。
笠パパと食事とか、おいおい両親公認ですか
家族ぐるみのお付き合いですかって、思うよ!
実際に他の人の視点で見ても、日記で邪推したイメージよりその距離は近くなかったりもするんだけど、文字情報だけだといくらでも深読み出来る。
破局はして欲しくないんだけど、翠とくっつく展開も見たくはある
何というジレンマ。
330ページ〜の相撲シーンも一人だけ真壁の勝ちに賭けてるとか、
他の小説だったら普通にそのネタだけで1つの山場にだってなりそうな
面白いネタもサラッと済ませてきた……!
だがそれがいい。想像の余地ありまくり。
笠パパがムキになってる姿とか何となく思い浮かぶし
ここは好きなシーンです。
今回最後に付いた短編みたいに各エピソードを膨らませたものも読んでみたいですけどね。真壁の試験突破法は書かれないのがまた面白くもあるんだけど
気になるから書いて頂けると言うなら飛びつかざるを…!
あと、これは絶対に書かなければいけない事なんですが
CoCo壱番屋が
出てきました!!
ライス1300g挑戦ネタですか。
自分は挑戦した事はないですが、たぶんとてもじゃないけど無理です。
ココイチに関する自己最高記録は隙あらば更新を狙っているものの
辛さ:10辛
ライスの量:800g
連続:10日
止まりなんですよね。
800gより上は頼んだ事すらないのですがありゃ絶対無理ですよ。
何度も食べきった事があると言っている友人に嫉妬。
津差さんや落合さんらにも嫉妬。
でもどうせなら、夢のトッピング全部乗せをやって欲しかったです。
自分もお金と、一緒に食べきれる仲間がいればなあ。
8000円を超えるらしいですけど、一度頼んでみたいです。
でもあれカツとか何枚も出てくるし絶対カレーソース足りなくなりますよね。
いくら頼めば無料で追加してもらえる(※詳しくは
過去記事参照)と言ってもさすがにこの量は無理そうだし、やっぱりカレーなしの単独で食べるかライスも増やすかなのかな?何人いれば食べ切れるんだ??
あ、えっと、そんな風に実在のお店や地名なんかが出てきてですね、
自分達と同じ現代日本にいるんだって思わせてくれてですね、
とっても面白い作品なんですよ?

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