僕が選んだ成田良悟なライトノベル32選、始まるよ。
ただし選ぶ気なんかない。
1.バッカーノ!

まずはデビュー作のこの1冊。
1930年、禁酒法時代のアメリカ、一人の錬金術師が飲むと不老不死になる、
不死の酒の製法を蘇らせたところから、物語は始まる――。
こんなライトノベルにはたぶん珍しいワクワク設定で始まり、
多数の登場人物がバッカーノ(馬鹿騒ぎ)を繰り広げる。
受賞作ゆえ1冊で綺麗にまとまっている事もあり、
数ある成田作品の中でも
完成度は随一だと個人的には思っています。
2.バッカーノ!1931鈍行編・特急編


1931年12月31日、シカゴ発ニューヨーク行き特別急行フライング・プッシーフット号にテロリストと殺人愛好者集団と列車強盗が同時に乗り合わせた!
他に列車に乗っていたのは、不老不死の錬金術師や仮装強盗、そして伝説の怪物「線路の影をなぞる者」!?
個人的にバッカーノで一番好きなのは、この1931。
つまり成田作品で1番好きという事になるわけですが、
鈍行編「泣かない男」で主に不良少年の視点から事件の一夜を描いた
その裏で何が起きていたのかを描いた
特急編「死なない男」、これがヤバい!
新しく増えたキャラも大変魅力的なやつらが多く、なんつーか完璧ですよ。
あまり上等な薦め文句でない事は承知しているが、
あえて言おう、
バッカーノはとりあえず3冊目まで読んでみて!!
3.バッカーノ!1932

とりあえず3冊まで、なんてさっき書きましたけど、
個人的には1931と合わせたこの3冊は、3つで1つだと思っていたり。
時系列も重なっていますしね。
豆知識。バッカーノの舞台はほとんど秋〜冬です。
理由はもしかしたら年をまたいで話を続けやすいから??
この巻は麻薬を巡るイザコザとマフィアの抗争が同時進行し、
バッカーノのマフィアモノとしての良心(?)、ガンドールファミリーが活躍します。
ガンドール三兄弟の長男、キースの奥さんとの出会いのエピソードとか
死ぬほどかっこよくて、
超人バトルじゃない部分でのバッカーノの良さが凝縮されている気がします。
これをバッカーノで一番好きな話に数える人がいるのも頷けます。
4.バッカーノ!2001

自分の中ではここまででバッカーノ!第一部ってイメージですね。
もちろん不老不死な奴らは21世紀になっても活動しているんです。
ヨーロッパの深い森の中にある閉鎖された村に、仲間の笑顔中毒者エルマー・C・アルバトロスを探しに訪れた不死者一行。その村で目にしたのは――。
異色作とよく言われる2001です。表紙からして
女の子ピン表紙ですよ!
閉鎖された村が舞台という事で、登場人物もバッカーノにしてはかなり少ないです。
300年以上生きている不死者には、人生ちょっと疲れてる奴も全くそんなことない奴もいて。ちょっと落ち着いた雰囲気の2001も面白いです。
5.ヴぁんぷ!

他の成田作品も見ていきましょう。
ヴぁんぷ!は「最も吸血鬼らしくない吸血鬼の物語」というコピーで売り出された話です。どう吸血鬼らしくないかは読んでもらうとして。
そんな主人公の特徴を活かした工夫が装丁に盛り込まれていて、非常に面白い。
ラノベとしての特性を充分に活かしてる、こういうの本当に大好きです。
基本的には既存の吸血鬼の伝承をベースに書かれているんで、
1巻時点ではまだ本性を出していないとも言えますが……
初読時のやられた感では成田作品でもトップクラスでした(当社比)。
いや本当、成田作品の醍醐味って意外な展開だと思うのです。
なるべくなら何の情報もない状態で読んで欲しいと思う本だけど、
今からだと難しかったりするだろうか
6.ヴぁんぷ!U
7.ヴぁんぷ!V


この2冊は実質前後編になっていて、シリーズの舞台となっている
ドイツ、グローワース島のお祭り、カルナル祭の前後に起きた事件、
その昼と夜をそれぞれ描いています。
吸血鬼を食べて力をつける人間、食鬼人<イーター>コンビの襲来に、
島のみんなはどう対応するのか?
実は2巻の引きで次回まで待たされて非常に辛かった印象が第一に……。
成田作品って、ノリに誤魔化されそうになるけど結構
暗黒要素ありますよねー。さすが暗黒ライトノベル連合特殊会長、というマイナーなネタはともかく、“組織”のメンバーが本格的に登場して成田節の本領がどんどん発揮されています。
この時点で未登場キャラが100をゆうに超えているとか成田先生言ってましたけど、ヴぁんぷの刊行ぺーs(強制終了)
8.バウワウ! Two Dog Night

舞台は近未来の日本。技術の粋を集めて新潟と佐渡ヶ島の間に作られた巨大人工島とそれらを結ぶ橋は、新たな一大名所として賑わう予定だったが、完成直前に事故などが重なり計画が凍結されてしまう。
時は経ち、閉鎖されたその橋には、あまりまともで無い連中が集まり、コミュニティを形成していた……。
日本だけど日本じゃない、勝手な増築が繰り返されて全貌はもう誰にも分からない、おかしな街に鏡合わせの2人の犬が訪れた時、物語は静かに動き出す!
……頑張ってあらすじってみました。成田作品には珍しく、異能無しな「対決もの」です。(ちょっとだけ近未来科学。)
主要登場人物数も少なく、成田作品ではかなり異色の部類だと思います。
と、言ってもそれで面白くないわけではありません。
実を言うと最初に読んだ時は目まぐるしい展開に理解が追いつかなかったのか、面白くないと思ってしまったんですが、続刊を読んだくらいのタイミングで再読したら、面白かったです。大好きです。
ライトノベルで地図を作る女の子と言ったら、霧野夕海ちゃんですよね。
9.Mew Mew! Crazy Cat's Night!

これ読み方は「ミュウミュウ!」で合ってるの?
そんな
疑問はさておき、今回のタイトルは猫の鳴き声です。
刊行ペースが微妙に遅い事もあって第一巻だと思って手を出す人が後を立たなそう!そして
女の子2人表紙! ベットで、寝てる? 手に持っているモノは??
バウワウではスポットが当たらなかった地区がメインなので、
登場人物がやたらと増えてえらい事になってきました。
10.がるぐる! Dancing Beast Night<上><下>


人工島にも存在する都市伝説。その中でも代表的な2つである白衣の殺人鬼、雨霧八雲と、そして神出鬼没の怪人、バネ足ジョップリンが本格登場です。
ダメっ子探偵姉と補佐する冷静眼鏡弟も出てきます。
そして本能の赴くままに姉弟に注目して読んでいたら……Oh……。
ここで本編は一区切りらしいです。
でも後日談のショートストーリー集的存在が出ました↓
11.5656(ゴロゴロ)!―Knights’ Strange Night

さ、最高傑作級!
これが出た時、ここ最近こんなに面白い成田作品があっただろうかとさえ思った。特定キャラをピックアップした1つ1つの話が短くまとまりつつ、
全体で大きな流れになると言う、
まさにザ・成田良悟!本編と違って重苦しい話があまり無く、晴々とした気分です。
ここへ来てこのシリーズこんなに面白かったのかと思わせましたよ成田先生は!
12.世界の中心、針山さん
13.世界の中心、針山さん2
14.世界の中心、針山さん3



「もしも成田良悟が○○を書いたら」な短編集みたいなもの。
雑誌連載した1話完結短編を集めて、最後に全部混ざっていつもの成田良悟。
1巻だけでも魔法少女、ベッドの下に潜む斧男、勇者と魔王、色々な題材で書いています。
イラストレーターはエナミカツミ先生とヤスダスズヒト先生の2人体制!
元が独立した短編だけに、なかなか思い切った話作りがなされてるのがこの作品の魅力。好きな話は結構あるけど、その中で
マイベストを選ぶなら3巻の工場長の話になるね!
3巻から読んでも別にいいよ!って言いたくなる。
幼い頃からの憧れ、巨大ロボットに乗る為に努力し続ける、夢を諦めない男の話です。マジ熱い。
15.デュラララ!!

自分にとってデュラララ!!は一言で言うと、
池袋に行くのが楽しくなる小説、です。
この作品は池袋という1つの街の中だけでほとんどの事件が起こる(たまに例外有り)のですが、実在の地域を、一部は店名まではっきりと分かる形で書いているんですよね。
池袋に行く事なんて滅多にない自分は、行く度に心を躍らせていたものです。
作中のキャラの台詞を脳内で再生しながら西口に行くと見せかけて西武口に向かってみたりとかしてましたね。(深く突っ込まないで下さい)
作品の内容は、高校入学を機に池袋に引っ越してきた非日常に憧れる少年、竜ヶ峰帝人がクラスメイト他、個性的な連中と親睦を深めたりしている<昼>と、人攫いやカラーギャング、首なしライダー(!?)の跋扈する<夜>のパートが混じり合っていつもの成田良悟をやる話です。
↑一見すると酷い紹介に見える中に
愛を感じ取って下さい。
これは歪んだ物語。歪んだ愛の物語という事でどうか……!
16.デュラララ!!×2

「
池袋最強」はいったい誰なのか?
そんな取材をする三流雑誌記者と一緒にあの人の強さに酔いましょう。
デュラララの中でも好きな話。
この辺までは作中時間と刊行時期がリンクするというライトノベルでも他に類を見ないんじゃないかって試みが行われていたので、ヤスダ先生が管理していた(?)ダラーズサイトの掲示板が発売直前にじわじわ更新されてたりと楽しかったのも思い出に残ってます。
17.デュラララ!!×3

前巻のまさかの引きから、デュラララ!!
第一部クライマックス?まあ第一部とか勝手に言ってるだけですが、熱い展開です。
アニメだと展開が変わってるのは、成田先生が原作で出し切れなかった
アイデアをアニメスタッフに伝えて反映された部分があるようなので、
アニメと比べてみると面白いかもしれません。
18.バッカーノ!1933 <上><下>


ガンドールファミリーの拷問係・
チックが表紙を飾るとまさか誰が予想しただろうか!そんな感じで成田作品は脇役っぽい人がいつメインになるか分からなくてデザインに気が抜けないとイラストレーターさんによく言われてましたが、本領ですね。
この巻最大の魅力は、やはり吸血鬼みたいな恰好をした怪人クリストファーの登場ではないでしょうか。この作品は
気持ちのいい性格破綻者が多くて良いですね!
19.バッカーノ!1934 獄中編・娑婆編・完結編



禁酒法は撤廃されましたので、もう禁酒法時代とは言えないのですが、
この舞台にはまだまだ面白いネタあるよ、というわけでやって来ました
脱獄不可能!アルカトラズ刑務所!
シリーズお馴染みのキャラ達の監獄ライフ。何だか楽しそうにすら思えるんですが! やはり事件は起こります。
そして時をほぼ同じくして、娑婆でも連続爆破事件が。
新キャラもたくさん登場して、超人バトル祭りの馬鹿騒ぎ!
このノリはこのノリで楽しいですねバッカーノ。
さあ次は1935……と思いきや、ここから時代が次々飛んでいきます。
ちなみに番外編だから時代が飛んでるのは読まなくていいというわけではなく、
伏線を交えつつ一つの大きな話を描いているので、発表順に全部読むのが無難だよ!
20.バッカーノ!1705

1930年代の重要人物となった、ヒューイ・ラフォレットや仲間の過去を描いた過去編。まだ彼らも見た目通りの年齢をしています。
1700年代は久しぶりに超人祭りから
普通の人が頑張る話に戻っている、と言う事も出来るかもしれませんね。
21.バッカーノ!2002 A-side・B-side


漂流体質の東郷さんが船に乗って移動してたら、案の定大変な事が起きてしまったでござるの巻。
え? 紹介が適当になってきてる? 嫌だなあ、そんな事ありませんよー
アメリカと日本から、それぞれ互いの出発地点を目指す双子の豪華客船エントランスとイグジットを舞台に、
世紀が変わっても相変わらずの馬鹿騒ぎ。
1930年代のキャラの子孫とか色々出てきてまして、これが本当に面白い!
A-sideを読んだ時のワクワク感ときたら無かったですよ!
んでもってB-side、アレは反則でしょう……
22.バッカーノ!1931 臨時急行編

ドラマCD特典だった中編に書き下ろしを足してボリュームアップの文庫化。
これが超面白いんですよ!!
グラハムの本当の初登場とか、列車で対峙した2人の再会とか。
面白く無いわけがないネタが詰め込まれて、やっぱり面白い。反則ですね。
23.バッカーノ!1710

1705の続きであり、1930年代の彼らに確かに続いていく話。
24.バッカーノ!1932 SUMMER

アニメDVD特典小説の前半に書き下ろしを足して文庫化。
基本的に1年に1つの事件という形式で進むバッカーノですが、描かれていない空白期間がちょっと勿体無いですよね。
と成田先生が思ったかどうかは知らないが、1930年代ではほとんど初めての、夏の出来事です!ひゃっほう!
アニメの特典として書かれたこの小説が、
アニメ化された1932年位までの出来事の、後日談として完璧なんですよ。
マニアックな登場人物を再登場させてみたり、違った側面を切り取ってみたり。
バッカーノは全員が主人公と言われる意味を改めて確認出来るのではないでしょうか。大好き!
25.ヴぁんぷ!W

舞台はグローワース島を離れ、ドイツ南部。
そこでは村人の失踪事件が……?
“組織”の幹部たちもいよいよ本格登場し始めて……え?こんなに増えて大丈夫?な巻。
重要な設定とかチラホラ出てきているんですが、
吸血鬼が皆で普通にゲームで遊んでるシーンが強く心に残っています。
そういえば奈須きのこ先生がオビ推薦コメント書いてましたね
26.ヴぁんぷ!X

心を読む能力を持った性格最悪吸血鬼、関係者全員の血を吸って支配する事で事件の真相を導き出す吸血鬼名探偵、名探偵が事件を解決する横でお腹が減ったと新たな殺人事件を生みだしそうになる助手の人狼、ワトソンなどが出てくる話。
まるで出オチのような設定ですが、だがそれがいい。合言葉は『斬新=面白い』です。
子爵不在のバルシュタイン城で絶体絶命、さあどうする?
もし「男の背中なライトノベル」32選をやるならヴぁんぷを選考候補に入れますね
27.デュラララ!!×4

新年度! 帝人たちが進級して二年生に! 後輩が入学!
そして街の裏側でも密かに異常事態が進行ちゅ…………あれ?
ラストの臨也さんに全部持ってかれる系ライトノベルの決定版!
28.デュラララ!!×5

ろっちー登場。
29.デュラララ!!×6

パルクールのような何か。
30.デュラララ!!×7
誠二さんの出番きたああああああ!!!
波江さんも大活躍だああああああああああああああああああああ!!!
美香さんマジパネェっす!!!!!
やったあああああああああああああああ!!!
……コホン。実は何を隠そうデュラララ!!でこの3人がかなり好きでして。
いやあ、
ディープラブっていいですよね。
成田良悟作品は成立済みカップル率がかなり高い方だと思いますが、
全体的に登場人物が揺らがない愛を持ってますよね。
デュラララは特にその辺ピックアップされてる感もありますが。
自分が成田作品を好きなのはその辺も関係してたりするのかなーとたまに思います。先の3人を動かすとシリーズが完結しかねないのは分かるんですが、もっと出張ってプリーズ
31.デュラララ!!×8〜



キャラが増えて、第二部クライマックスまでもう少しかな?
成田先生はクライマックスにいっそう輝くと信じているので、今後にも期待。
32.電撃コラボレーション 『MW号の悲劇』・『最後の鐘が鳴る時』・『まい・いまじね〜しょん』



電撃コラボレーションでの成田良悟先生のお仕事:みんなの書いた作品のネタを拾い集めてまとめる。
普通に各作家さんの書く話が面白いのでオススメですが、成田良悟ファン的にも無茶振りに応えて頑張ってるのが面白いと思いますよ。
どれからでもいいのですが、読んだ事無い人はとりあえずMW号を読んでみたらいいのではないでしょうか。「まい・いまじね〜しょん」で異能要素とか無い普通の学園物を書く成田先生はレアですねー
ここまで読んでくれてる人がどれだけいるか分からないですが、
ええと、何て言うかごめんなさい。

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