2006/9/29
塩倉橋が‘虹の橋’になっていた。
橋の欄干がすっぽりと
虹の色に塗られたベニヤ板で覆われている。
どこかの美術学校の子供達の作品らしい。
楽しいけれど、景観からちょっと浮いてる。
信号待ちで、
橋の上から松川を覗くと、
大きな鯉が現れて、極彩色の水面を揺らした。
よう。
昼前、耳障りな大音響に、空を見上げた。
目に映ったのは、低空を飛ぶジェット旅客機。
中心市街地の上空を北から南西へ横切っていく。
あの先には空港がある。
今日は晴天で風も弱い。
この条件なら、日本海上で方向転換した飛行機は、
市の中心部を避け、
神通川に沿って上流にある空港へ向かうはず。
市街地は、万が一の事故の時、大惨事になってしまう。
ここを飛ぶのはおかしいな。
キーン。
真下から見上げたので、尾翼のマークは見えない。
どこの航空会社だろう。
嫌な予感がする。
まさか堕ちたりしないだろうな。
遠ざかる機体をしばらく見送った。
機体が消えると、周囲にふだんの喧騒が戻ってきた。
今頃は無事に空港に着いただろう。
ああ、よかった。
年末にかけて何度か飛行機にお世話になる予定。
しっかり頼むね。

0
2006/9/28

チャイムがしつこく鳴った。
インターホンの画面に、見知らぬ中年男性の姿がある。
訪問販売らしい。
多忙を理由に断ると、
男性は笑顔から能面のような顔に変る。
そして、ブチッという音と共に画面が暗転した。
むこうからインターホンを切ったらしい。
話が済んだのはいいけれど、なんか不愉快だな。
それでも、今の家はまだ、いい。
以前住んでた古いアパートはインターホンなんてなかったから、
玄関を開けてしまったら最後、話に付き合わされる。
顔を合わせてしまうと、断るのは一苦労だった。
新聞購読の誘いが1番多くて、
その次が、宗教の勧誘。
足立区に住んでた頃、変った訪問販売があった。
うっかり開けてしまった玄関先には、若い女性が2人。
商品は、業務用の大袋のアーモンド小魚。
酒のつまみになるお菓子だ。
業務用だから米袋ほどの大きさがある。
要らない、そんなでかいの。
飲み屋とか店をあたった方がいいんじゃないかな。
おそらく断られ続けているのだろう。
断っても、彼女たちは落ち込む素振りも見せず、
そして言った。
「踊らせてください」
彼女たちの会社は、新人研修に、
羞恥心を克服するという課題があるそうな。
そして、
暗く狭いアパートの廊下で、
2人は幼稚園のお遊戯ふうに踊り始めた。
悪夢だ。
僕は、ただただ下を向いて、
コンクリートの灰色の床を眺めていた。
しばらくして、
礼を述べ、笑顔で立ち去る2人組。
君たちの行く手に幸多かれ。
色んな仕事があるものですね。

0
1 2 3 4 5 | 《前のページ |
次のページ》