2007/2/8

初めて雪つりを見たのは、富山に越したその日だった。
あれ何ですか、とタクシーの運転手に尋ねる。
雪から植木を守るために、ああやって枝を支えるんだよ。
キレイすね、と感想を言ったら、運転手は
色んなことを覚えるといいよ、富山はいいとこだよ、
というような内容を富山弁で話した。
小学生だって知ってるから、と
県内を流れる3つの大河の名前も教えてもらった。
神通川、庄川、黒部川、と復唱する。
みぞれの降る寒い灰色の日だったが、
なんかこの土地でうまくやっていけそうな気がした。
富山市が第1号認定されたのだ。
第1号というと、なんだか誇らしいよね、輝いてるよね。
中心市街地活性化基本計画のことだ。
富山市の人口密度は、全国の県庁所在地の中で、1番低い。
でも、市の面積が全国で2番目に広いことも数字に影響してると思う。
だって、県の面積の3分の1が富山市だもの。
そりゃあ密度も下がるさ、中心地が遠いさ。
夜8時以降に、中心地総曲輪周辺のアーケード街を歩くと、
怖いくらいシャッターが閉まってる。
ドーナツ減少をひしひしと感じる瞬間だ。
客がこない→店を閉める→さらに客こない。
悪循環を止めねばならない。
公共交通を整備し、中心地の集客力を強化し、
中心地への居住を勧める、のが計画の大枠で、
26の事業が計画されているらしい。
中心市街地活性化基本計画に認定されたので、
それらの事業には国からの援助が期待できると言う。
山間部の過疎も心配されているから、
中心地に人口を集めるばかりでは市政として不十分だろう。
周辺地の住民への配慮も忘れないでほしいと思う。
基本計画の期間は5年2ヶ月。
5年後、僕がまだ富山に住んでるか分からないけど、
ぜひ、計画の完成した新しい町を見てみたい。
どんな町に変るだろう。
東京に帰省するたびに、富山に馴染んでく自分を感じる。
この、のんびりした町は
このままでもいいんじゃないか、とも思うけど、
これはよそものの無責任な感想なんだろう。
がんばれ、富山。

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