2007/8/8

今さらだけど、朝顔っていい。
通りかかったアパートの廊下に、朝顔の鉢が置いてあった。
そこには風の通り道があるらしく、
猛暑ながら、緑の葉が涼しげにさやさやと揺れている。
いかにも、
小学校から持ち帰った、という風情のプラスチック鉢。
きちんと世話してもらっているようだ。
支柱に登った茎から、つるが四方に飛び出している。
僕の通った小学校も、
夏休みに、朝顔の観察という宿題があった。
小学校で配られた朝顔は、ピンクや赤の花がさいた。
つまらない花、と小学生の僕。
5年ほど前に、飛騨高山を訪ねた。
とても暑い夏の日で、狭い街路は観光客で混みあっていた。
どのレストランも喫茶店も満員だったので、
缶ジュースを買って、建物の影で休憩した。
格子戸には、住人が丹精したのか、美しい水色の朝顔。
目にも涼しくて、暑さが和らいだ気がした。
見渡すと、家々の軒先に、同じ水色の花が咲いている。
美観への配慮なのか、どの家の朝顔も水色だ。
こだわりように感心する。
その時は、水色の朝顔なんて珍しいと思ったのだが、
僕が無知なだけで、
もともと朝顔は水色の花であるらしい。
8世紀に薬草として、はるばる中国からやってきた青い花。
昔の姿を復元した町に、
原種の朝顔の色はぴったりというわけだ。
あのアパートの朝顔には、何色の花が咲くのだろう。
来年は育ててみようかな、朝顔。

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