2007/11/30

先々週だったか、ジャカランダという植物を買った。
ジャカランダは南米原産のノウゼンカズラ科の常緑高木。
まるで、ねむの木のように、
羽状の複葉が昼間は開き、夜は閉じる。
耐寒性はあるらしいが、
ブラジル産と知って、リビングに置いている。
成長すると15メートルに達すると言うが、
我が家のジャカランダは40pの幼木で、むしろひ弱な印象。
そんな巨木になるとは信じられない。
園芸店で一目ぼれし、その性質も知らずに買ったので、
夜、葉が閉じた状態を見て、びっくりした。
どうやら、太陽の光に反応しているらしい。
家にやってきた当初は、
夕方も5時半を過ぎると葉が閉じていた。
つまり休日はともかく、
平日に帰宅すると、ヤツはもう寝ている状態。
寝る、という言葉は普通、植物には使わないけれど、
僕の目にはそんな感じに見えた。
朝、葉が開くのは8時過ぎで、
寝起きのいい植物ではないようだった。
いつ見ても寝てる、なんて倦怠期の夫婦みたいだ。
11月も半ばを過ぎれば、日照時間が少なくなってくる。
となると、ジャカランダは
冬場は葉を閉じっぱなしなんだろうか。
先週、寒波が来て、太陽のない日が続いた。
そんな日の夜、
夜の9時過ぎにジャカランダを見ると、葉が開いている。
あっと思った。
日照時間=葉を開く時間、ではないのかもしれない。
ジャカランダが自ら、
葉を開く時間の調整をしていると知って、
みょうに親近感が湧いた。
口をきくわけじゃないが、なんか動物みたいだ。
現在の時刻は午前零時12分。
今日は晴天だったし、
さすがにジャカランダは寝てしまった。
おやすみ、また明日。

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2007/11/29

街の上に浮かぶ立山連峰が白くなった。
ちょっと格好いい。
いつもと違う道を歩こうと、一本裏の細道を歩いた。
住宅の塀の上には、
にょきにょきとタケノコのように雪吊りが顔を出す。
暖冬だった去年は、雪吊りも飾りだったが、
今年の冬は出だしから、ちょっと違う。
例年、冬本番前に
道路の融雪装置がテストされる。
雨でもないのに、道路が水浸し。
今年はそのテストの前にもう雪が降った。
この冬には、大雪が降りそうな予感がする。
雪吊りも本来の働きをするだろう。
引越してきた当時、タクシーの運転手が言っていた。
庭の雪吊りの本数でその家の格が分かる、と。
でも、実際のところ、
兼六園の笠懸松ような完璧な雪吊りは珍しい。
一般の家庭では、そこまで樹形を保てないからだ。
標準的な雪吊りは、支柱を木の中心線に平行に立て、
先端から、円錐状になるように、
それぞれの枝に縄を振り下ろす。
枝ぶりがよくないと、綺麗な円錐にならない。
雪吊りは道路の中央分離帯から、
市役所、県庁の庭、公園などでよく見かけるが、
本当に面白いものは、個人の住宅の庭にある。
植木屋の腕によるのか、雪吊りにも個性があるのだ。
狭かったり樹形が悪かったりで、工夫を凝らす。
住民自身の手による、
いかにも、な雪吊りもあって、微笑ましい。
今日見た、あるお宅の雪吊りも独特だった。
木は、道路に斜めに突き出した松。
敷地内から支柱を立てられないから、
枝の中ほどに短めの支柱をくくりつけていた。
雪吊りとしては形になっていたが、
支柱や縄の重さが、もろに幹に来てしまいそうだ。
あれって松にとってベストなのかなぁ。
できることなら、
様々な雪吊りを写真に撮って鑑賞会を開きたいが、
なにせ人様の所有物なので、
勝手に写真を撮ってよいものかが悩ましい。
独りニヤニヤと雪吊りを眺める帰り道でありました。

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