2007/12/6

ポケットに万華鏡。
ポケットに詩集だと文学青年だが、万華鏡だと変な人。
付箋を求めて入った文具店に、万華鏡があった。
思わず、足を止める。
幼稚なようだが、ずっと万華鏡が欲しかった。
とはいっても、
プラスチックやガラスのビーズが入ったようなものではなく、
人や景色が映りこむタイプの万華鏡。
しかも、小さくて目立たずに持ち歩けるものが欲しかった。
見つけたそれは、
木製の地味な外見で、手のひらにすっぽり収まった。
接眼部から中を覗くと、
レンズの先には文具店の棚があるばかりなのに、
驚くほど美しい世界が現れた。
筒を回すと、模様がみるみる変化していく。
買ってしまった。
何を見ても楽しいけれど、
鮮やかなものを映すといっそう綺麗だと知った。
青いものを映し込んで、くるりと回すと
まるでブルーモスクのモザイクみたいだ。
万華鏡は
欧州ではかなり人気があって、コレクションアイテムらしい。
サイズは手のひらに収まるものから、
事務机を占領するくらいの大きなものまで。
テレビで見た大型の万華鏡は、ハンドルがついていた。
ハンドルを回すと、刻々と映像が変っていく。
映像には銀河とか、夢などのテーマがあって、
それはそれは美しかったが、値段もはんぱじゃなかった。
僕の万華鏡は、パソコンのディスプレイの脇に置いて、
目が疲れた時に覗いて遊んでいる。
たまにびっくりするほど美しい模様が現れて、
取っておきたいと思うけれど、
こういうのは一瞬のことだからいいんだろう。
とうぶんの間、いい暇つぶしになりそうです。

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