2008/8/25

「お盆が開けたら一気にに涼しくなるよ」
ばあちゃんの言葉を思い出す。
先の盆休み、老人ホームへ祖母を訪ねた。
老人ホームへは片道4時間の道のりで、どうしても足が遠のく。
夢のかしらね、と祖母は喜んだ。
思ったより顔色も良く、声にも力があって、
春先にあった時より元気そうだ。
ベットに座る彼女は、
厚手のスカートに長袖、毛糸のチョッキを着ている。
部屋は暑くないのか、むしろ寒いのか?
尋ねると、エアコンが効いていてちょうどいい、と。
ちょうどいい、とは言っても少し寒いんだろうな、と思う。
僕の半袖を指差し、外はすごく暑いんだ、と言うと、
祖母は前出の言葉を言った。
その日はとても暑い日だったので、
僕は信じられない気分で、Tシャツの裾をあおいでいた。
年寄りの言うことは聞いとくもんだな、と思う。
盆開けの先週は30度を越えた日が1日だけだったし、
昨日今日は朝夕の空気が冷たい。
日が照らないとなると、みるみるセミの元気がなくなった。
並木道の大合唱も、
輪唱から独唱に変りつつあり、寂しい限りだ。
どうやら今週末は暑さがぶり返すみたいだけど、、、。
通りの花壇を見ていたら、おや、コスモスだ。
夏の花に混じって、秋の使者が
控えめに涼やかに、濃いピンクの花びらを開いていた。
外に出て散歩をするのが好きだった祖母は、
最近では居室と食堂の間しか歩かない。
楽しいことでも疲れるので避けるようになったようだ。
が、昨今の話題には詳しく、新聞には目を通しているらしい。
先だっても僕が日にちを間違えたら指摘された。
情報通な祖母のことだからもう知ってるかな。
ばあちゃん、コスモスが咲いたよ。

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