2008/11/20

今晩の予報は雪だけど、髪の毛を切りに行った。
伸ばして置けば防寒になりそうなものだが、
雪が降るとなったら、むしろ切りたくなったのだ。
冬とは冷気に頬と耳を凍らせて外を歩くもの。
僕は家を出るや、無口になるヒトだ。
最低限の挨拶、世間話には付き合うが、
美容室でも、基本は黙って雑誌を読む。
が、横目で眺めていると、
美容師との会話を楽しむ人はけっこう多いようだ。
今日の、隣席の男性はとくに印象的だった。
彼はまさに声から店に入ってきた。
様子からてっきり彼をセールスマンだと思ったが、
まもなく彼がシャンプー台に通されて、客だと分かった。
彼は、シャンプーされながらしゃべり、
髪を切られながらしゃべり、
髪型に注文をつけながらさらにしゃべり、
肩を揉まれながらまだなお、しゃべっている。
ブローでもみくちゃにされても、口を閉じる気はないらしい。
口から生まれる、ってまさにこういう人じゃないのか。
こうも熱心にしゃべる人だと会話の内容も気になってくる。
盗み聞きは失礼と知りつつも、好奇心に負けて耳を澄ます。
が、あまりにも早口かつ流暢な富山弁で、
悲しいかな、何を話しているのかさっぱり分からない。
あはは、と美容師が高い声をあげ、
僕の担当美容師も会話に加わって、3人は盛り上がっていた。
だまされたわー、って何に?
ここまで分からないともはやそれは外国語。
リスニングはあきらめ、僕は手元の雑誌に集中することにした。
その最後の頁をめくり終えた頃、お疲れ様でした、の声。
鏡の中の僕はいつもどおりの仕上がりだった。
よしよし。
外に出ると、寒気が過ぎたのか、外の雨は上がっていた。
通りかかった動物病院の窓は暗がりに白く光っている。
診察台の上には柴犬がいて、飼い主がその体をさすっていた。
冬を前に病気とは心配だ。
手に提げた袋には、ボジョレー・ヌーボーが1本。
円高還元と聞くけど、僕の求めた銘柄は去年と殆ど同じ値段だった。
寒いわ、重いわ、でもアルコールだわ、ふふ。
なにはともあれ、乾杯です。

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2008/11/19

上空に寒気が来ているらしい。
傘に当たる雨音がいつのまにか
コツコツと乾いた音に変わって、空を見上げる。
僕の顔をめがけて白く固い粒が灰色の空から落ちてきた。
初雪ならぬ初あられ。
僕に当たり損ねたやつらは
アスファルトの上で1回ちょんと跳ねて、しゅと消える。
やつらは必ず1回だけ跳ねて溶けるようだ。
2回跳ねる根性のあるのはいないのか。
確かめたくて足元を見つつ歩いていたら、もう家に着いた。
車で出かけた誰かさんは無事に帰ってきただろうか。
過去の例を信じて、我が家の車はまだノーマルタイヤのままだ。
今週末にはタイヤ交換にカー用品店に走る予定。
それまで積もってくれるなよ、と念じる。
今日雪が降るなんてほんと、想定外だ。
もっと早くからスタッドレスにしといたらいいのに、
と言われると返す言葉もない。
用意のいい人はきっと先週末にタイヤ交換をしただろう。
実際、天気予報から今週は大荒れらしいと知ってはいた。
しかし、この天気予報というもの、
富山市の場合は対象地域が広すぎて、
雪の予報に関しては特に、うのみに出来ないものがある。
だいたい富山市は広すぎる。
県央の、北は海から南は立山の山頂まで富山市。
初雪だって山頂はとっくのはずだ。
と、ぼやきはするものの、正しく冬が来るのはいいものだ。
地球温暖化はこわすぎる。
雪がどばっと降って雨が続いて、毎日鉛色の空でも、
地球が健康なんだと思えば、冬も乗り切れるというもの。
春になったら花が咲く。
今年もいい冬になりますように。

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