2010/5/20

・ポストが出来た
いつも通る道に、突然、ポストが出来た。
昨日の朝まではなかったのに、
今日の朝、にょっきりと赤いポストが立っていたので、
とても驚いた。
雨の次の日だけに、キノコか、と思った。
ポストは新品でもないようだった。
本物か疑わしいので、
今度、自分の家あてに葉書を投函してみようと思う。
・犬がいなくなった
とあるお宅。
通りに面した土間に老犬が寝ている。
1カ月前に通った時には、たしかにいたのに、
昨日、通ったら、いなかった。
犬が寝床にしていた毛布と箱も無かった。
気になって今日も通ってみた。
土間のカーテンはきっちり閉まっていた。
いつも犬のために開けてあったのに。
死んでしまったのかな。
かなしい。
・タンポポが綿毛になった
黄色いのがいっぱい咲いてるなぁと思っていたら、
いつのまにか白い綿毛ばかりになっていた。
こいつも明日あたり飛び立つだろう。
新天地でがんばれ。
・雑誌がなかった
発売日だったので、本屋に行った。
しばらく探したが見つからなかったので、店員に訊く。
富山での発売日は明日だと聞かされる。
そんなローカル・ルールあるのか、いまどき。
本屋、がんばれ。
・店が取り壊された
最近いろんなところで、店がつぶれる。
よく前を通っていて、いつか行こうと思っていた
小料理屋が取り壊された。
石ころだけの跡地がひどく狭くて、
こんなとこによく店が建っていたな、と感心した。
きっと何処かに新店舗を構えたんだと思いたい。
こっちもがんばれ。
・けんかした
風呂の水を抜いたかどうかで大げんか。
そんなキレる話でもないだろ、と言い返す。
お互い譲らなかったので、お休みのチュウはなし。
お早うのハグもなし。
朝食中に仲直りしたので、お出かけのチュウはした。
バカップル復活。
以上、近況でした。

1
2010/5/17

そのうちに行こうと思ってたら
いつの間にか会期が過ぎていた、ことはよくある。
「琳派・若冲と雅の世界」が16日に終わると知って、
慌てて富山県水墨美術館に向かった。
美術館は富山市中心部からみて、神通川の対岸にある。
快晴の下、神通大橋を渡った。
空を映して川面は青く光り、
緑の岸辺に花大根の白い花が風に揺れている。
気持ちいい、と言いたいところだが、
この時季の河原では、虫が大量発生中。
ごちそうにツバメたちが舞い飛ぶ中、
僕の方は、突っ込んでくる虫どもをひゅんひゅん
ボクサー気分で避けながら自転車を飛ばす。
美術館へひとりで行くのは久しぶり。
iPodに仕込んだ穏やかな音楽を聴きつつ、
優雅に非日常を楽しむつもりだったが、
エントランスホールにて、
酸味を帯びた食べ物の匂いに迎え撃たれ、撃沈。
なんなの、これ。
小学校の給食の時間がフラッシュバックする。
この美術館はエントランスホール脇の喫茶店で
食事を提供しているのだが、
残念なことに、換気がうまくいっていないようだ。
繊細な自分が帰っちゃおうか、と言い出したが、
そいつを励まし、展示室を見て回った。
日本画にはまったくの門外漢だが、
思いのほか、展覧会は面白かった。
上手い=よく観察している=その対象が好き、と想像して、
小動物が上手な絵師に勝手に親近感をつのらせる。
若冲の里芋図にも、ふふと笑った。
どんな経緯で画が描かれ、
受け継がれてきたのかを想像するだけで楽しい。
もし僕が若冲のご近所さんで
何かにつけお宅を訪ねて届け物をしていたとする。
すると、ある日若冲が言うのだ。
「かえるくん、いつもありがとう。
これはお礼のつもりだ。軸にでもするといい」
渡されたのは巻紙。
するすると開いてみると、そこにはどーんと里芋が。
「こないだ頂いた里芋はすばらしかった。
ただ食べてしまうのは惜しい気がして絵にしたんだよ」
そう言われて、喜ぶ僕。
さすが若冲先生、里芋でも芸術になるんだなぁ。
家宝にせにゃ。
なんてことがあったとか、なかったとか。
鈴木其一の藤花図は期待通り素晴しかった。
構図が完璧で、色もすてきだ。
当時は斬新だったんだろうなぁ。
隣の、月に葛図も地味ながら好きな絵だった。
終りよければすべてよし。
機嫌良く美術館を後にし、
ふたたびボクサー気取りで神通大橋を走り抜ける。
豊かな気分を味わえた休日でありました。

1