こんな本を読んだ。↓
「決定版 私の田中角栄日記」
著者:佐藤昭子
出版:新潮文庫
発行:平成十三年三月一日
児玉隆也著の「淋しき越山会の女王」で有名となってしまった佐藤昭(昭和54年に改名)氏による評伝ですが、当時を知らない年代の1970年以降世代に読むことをお勧めします。まさに田中角栄という稀代の政治家の傍らでの日々が綴られています。故に単なる評伝ではありません。その序文には、下記のようにあります。
長いけど引用。
「淋しき越山会の女王」といわれて
「立花隆氏によって、公人田中角栄の金脈(この言葉が妥当かどうかは別として)が追求されるのは、仕方のない面もあるが、それと一緒になんで私人佐藤昭の過去が暴かれなくてはいけないのか。それによって何の罪もない、ものに感じやすい思春期の娘の敦子まで通学途上に週刊誌の記者やカメラマンに追いかけ回された。(中略)田中は金権腐敗政治の権化のごとく指弾され、私は永田町にすむ妖女のごとく言われた。その種の記事が出るたびに「違う、違う」といくら私が言っても、それは空しかった。(中略)田中の人間的魅力については、これまたほとんど語られていない。コンピューター付きブルドーザーだとか、浪花節人生だとか、庶民宰相だとか、マスコミにはられたレッテルしかないのだ。(中略)田中の死後、私のなかで、どうにかしてこの類まれな政治家の実像を伝えたい、という思いが日に日に強くなった。しかし、「金権政治家なんかではなかった」「下品で野蛮なんてとんでもない」「傲岸不遜とは正反対の人」と私が抽象的にいくら書きつらねても、無視されるのがオチだろう。そこで、私は古い日記をもとに。政治家田中角栄との日々のありのままに綴ることにした。あえて私生活をも隠さないつもりでいる。真実を語ることによってしか、娘と孫娘にも、私がいかに偉大な人物と仕事をし、誇り高い人生を歩んだかを理解してはもらえない、と思ったからだ。」

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