「五法の構えというのは、上・中・下段、右・左の脇、
この5種である。5種の構えに分けてはいるが、
どれも人を斬るための構えである。
どの構えを取るとしても、
構えるのだと思ってはいけない。斬るのだと思え。」
「太刀を構えるということだが、
そういうことのあるはずはない。
太刀を持てば、右にあげた5種のどれかになる。
だから”
構えありて構えなし”
太刀を持つのは敵の出方、場所、状態に応じ、
どの構えをとるにしても
要は敵を斬りやすいように持つことである。」
「他流では太刀の構えを第一においているが、
それは間違いである。
そもそもこの世の中で、構えるということがあるとすれば、
それは敵がいないときのことしかない。
何故なら、兵法の道では、”昔からの例でこうだ”とか
”今はこうだ”など、
戦いの法則を作ることはありえない
からである。」『五輪書』(水の巻)
宮本武蔵は、「構えれば敗れる」の結論として、
理論偏重の道場剣法の常識を打ち砕いている。
剣法に限らず、何事であれ、成そうと思えば、
構える形式にこだわってはいけない。
ただひたすら目的に向かって行動する事が大切なんだと思う
例えば、野口英世。
彼は形式にはこだわらない。
生涯で2百余編の論文を書いているが、
医学者としては恐るべき数である。
医学者は何年も地道な研究を重ね、完璧な論文を
1編だけ書き上げるのが普通だが、
野口英世は不備を恐れず、矢継ぎ早に発表している。
しかも研究発表のやり方も非常に派手にやった。
専門家にしか知られない場所で、
密かに行うというのではなく、
例えば黄熱病の発表に典型的に現れているように、
記者会見のような形で華々しく論文を公表した。
野口英世は学者としての形にとらわれるのではなく、
ひたすら「医学会のナポレオン」を目指して、
その目的に打ち込んだ。
だからこそ、現実的には見るべき学問的な業績がなくても、
医聖と騒がれ「世界のノグチ」の栄光を勝ち取ることが出来た。
形にとらわれることなく、
自分のやりたいようにやるべきではないでしょうか?
そこに行動の有効性も発揮されてくるのではないかと思う。
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