皆さん、こんにちは、kokkoです。
前回までの記事で紹介した友人のハウスメーカー選定では、依然、積水ハウス、住友林業、ヤマサハウスの三つ巴が続いています。
ところで、私が積水ハウスや住友林業をお勧めしきれない大きな理由
それは、積水ハウスや住友林業を選択した場合、多くは高気密高断熱の家を断念しなければならないという事実です。
家の断熱や気密について解説してある本やサイトを見ていただければ、その重要性は簡単に理解してもらえるはずです。
しかし、これだけ専門家がその重要性を力説しても、日本では高気密高断熱の家が普及しているとは言い難い状況にあります。
それはなぜか?
住宅業界を牽引する積水ハウス、住友林業といった大手ハウスメーカーが高気密高断熱仕様を採用していないというのが一つの大きな理由です。
全国の住宅建設の大きなシェアを誇るこれらの大手ハウスメーカーが採用しないというだけで、数字的に伸びないのは当然です。
では、なぜこれらの大手ハウスメーカーは、高気密高断熱仕様を採用しないのでしょう。
大手ハウスメーカーの中でも高気密高断熱を得意とするメーカーはあります。
一条工務店とスウェーデンハウスがその双璧です。
また、地場の工務店では高気密高断熱を売りにしている業者が数多くあります。
こういった業者はC値1.0を軽く超えてきます。
中にはC値0.1だとか0.2だとかいうすごい数字をだすところもあります。
そんな相手と競合するのにわざわざ、自分が苦手とする仕様を表に出して、数字的に劣っていることを明らかにするのは営業上、上手いやり方ではありません。
積水ハウス、住友林業の標準仕様ではC値4.0〜5.0といったところです。
積水ハウスなどの軽量鉄骨造プレハブメーカーは、その構造上、C値1.0以下の数字を出すのは大変、困難です。
住友林業は構造上は、高気密も可能なはずです。
実際、住友林業が全国の工務店にそのノウハウを提供して展開しているイノスグループでは、高気密高断熱を標準仕様としています。
住友林業は自社ブランドならC値5.0でも十分競っていけるが、ブランド力のない地場の工務店では高性能を売りにしなければ太刀打ちできないという判断なのでしょうか?
ただし、住友林業はC値5.0でも高気密であってこれでも十分なんだという認識はあるようです。
各ハウスメーカーがHPでC値5.0という数字を削除していく中、一番最後まで削除しなかったのは住友林業でしたし、HPで自社の製品について「高気密高断熱を極める」とも表現していました。
これは、初めからC値を公表しなかった積水ハウスとは全く異なる姿勢です。
私は、健康で快適な生活を送るためには、C値2.0は是非、クリアしてほしい数字だと思いますが、だからと言って、C値5.0が全然、だめだとは思いません。
南雄三さんが
「中気密でいいじゃないか」の中で言っているように、中気密でもやり方次第では問題なく住まうことはできます。
ただ、冬場、屋内外の温度差が14℃で、風速が6mをこすような条件では差が出てきます。
そのような状況では、Q値があてにならないという困った問題が生じます。
計算上のQ値は2.3でV地域の次世代省エネ基準をクリアしていても、寒くて風が強い日には実質のQ値は2.7を上回って、W地域の基準もクリアできないというケースも出てきます。
(と言っても、Q値の計算に、温度差や漏気による熱損失は考慮しませんから計算上のQ値が基準をクリアしていることに間違いはありませんが、)
これでは、気密性能だけでなく断熱性能もあまり高くない「中気密中断熱」の家と言わざるを得ません。
また、換気や防湿という面にも悪い影響があります。
「そんなに高気密高断熱にこだわるなら一条工務店で建てればいいんだ。」
と言われそうですが、日本のトップ企業が顧客のニーズに応えようとしない姿勢が問題だと思うんです。
私は、決して、積水ハウス、住友林業の家の性能が悪いとは言っていません。
住宅の性能は温熱環境だけではなく、耐震性、耐久性などあらゆる面を考慮すべきですし、ハウスメーカーの選択に当たっては、その企業としての能力を含めて総合的に判断すべきだと思っています。
しかし、住宅の性能を知る上で、C値・Q値は大変重要な指標です。
改正前の次世代省エネ基準で定められていたC値はT地域・U地域では2.0cm/uでしたから、これをクリアしさえすれば高気密高断熱と言える訳です。
→ 参考サイト 積水ハウスのC値と空気質調査@積水ハウスBeFreeで建てた小さなマイホーム建築日記
http://sekisuihouse.blog91.fc2.com/blog-entry-14.html
また、V地域以南でも高気密高断熱にこだわり、積水ハウスでC値1.4cm/uという高気密高断熱の家を建てた方がいらっしゃいます。
ただ、こちらの方は、目標が0.5cm/uだっただけに満足されていませんのでリンクは遠慮しますが、積水ハウスで1.4cm/uは立派だと思います。
積水ハウス、住友林業で検討中の方は、是非、目標C値2.0cm/uの気密施工についても相談してみてください。
しかし、気密化のためにぐるりん断熱をやめてしまって熱橋対策がとれなくなってしまっては意味がありませんから、軽量鉄骨造では、熱橋対策を入念にされることをお勧めします。
ということで、現在、業者選定中の友人にも勧めてみました。
「C値2.0cm/uの気密施工をお願いすれば?」
それに対して友人は、
「いや、それはいい。」という回答でした。
残念!!!
追伸
高気密高断熱に対する次のようなイメージはいずれも誤解です。
・高気密高断熱住宅は、化学物質が充満しやすい、窓が小さい、窓が開けられない、息苦しい、1年中機械で管理しなければならない、湿気がこもりやすい、日本の風土に合わない、熱がこもりやすい。
機会があればひとつひとつ説明をいたします。
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ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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