グラスウールの耳を重ねて施工すれば防湿層として機能する?
【質問】
1 断熱材の防湿層が連続するように耳を重ねて留めてくださいって言っても、柱の部分は耳が届かないですよね。これって気密テープで目張りする必要がありますか?
2 耳を重ねて留めるだけで防湿層として機能しますか?
*この記事は、次世代省エネ基準のW地域以南の中気密住宅を前提に書いてあります。V地域以北では高気密・高断熱が望ましいでしょうから。
それと毎日のように火山灰が降る地域も。(って鹿児島しかないだろう!)
うさこマンさんのブログ
山の上に小さな家を建てましょうの記事の中に次のような疑問がありました。
袋入りグラスウールの防湿層の耳を留める際、間柱の見付け面には耳を重ねて留められるが、柱の部分では耳が届かない。そこはテープで目張りするなどの必要はないのだろうか?
私も施工マニュアルやネットで調べてみましたが、柱には気密テープで貼り付けてくださいとはどこにも書いてないし、柱の部分で断熱層が途切れている現場の写真でも完璧な施工ですと書いてあるので、心配しないで大丈夫ですよとコメントしてみました。
でも、やっぱり気になる。それに、もともとタッカーで留めただけで、防湿層として機能するのか?そういう疑問があったので直接、メーカーに聞いてみることにしました。
マグコールセンター 0120−941−390
ネットで電話番号を調べて、自分の携帯で発信してみると、ちゃんと「マグ」と表示されました。なぁーんだ、以前やっぱり施工について問い合わせをした時、携帯のアドレス帳に登録していたんだ。
最近、こういうこと多いんだよな。自分のしたことを覚えていない。歳は取りたくないものです。トホホ
さて、本題ですが、柱の部分は防湿層の耳が届かないが大丈夫か?
メーカーの回答は、「十分に乾燥させた柱であれば湿気は通しませんので、プラスターボードで押さえていただければ、防湿層は連続すると考えています。」
明快な回答ありがとうございます。(うさこマンさん、プラスターボードを日本語で言えば石膏ボードなんですが、「板」ってこのことかな?)
続いて意地悪な質問をしてみました。
外壁側に構造用合板を貼る場合でも、防湿層として機能しますか?
「確かに構造用合板は、湿気を通しにくいですが、防湿層に使われているフィルムは、構造用合板より透湿抵抗が高いですから大丈夫です。それでも心配な場合は気密テープで目張りしてください。」
わかりました。マグの皆さん、いつも丁寧に教えていただいてありがとうございます。
透湿抵抗が高い=湿気が通りにくいというわけですから、透湿抵抗が高い構造用合板を外壁側に使用する場合は、室内側により透湿抵抗の高い防湿層を設けなければなりません。
南 雄三さん言うところの「
外にいくほど開放」の原理です。
高気密高断熱理論のバイブル的な本です。↓ ↓
ところで、「心配な時は、」ってどの程度で心配すればいいんだろう?
こんな時は、
住まいの水先案内人です。
ここで構造用合板の透湿抵抗は、10.3m2・h・mmHg/g、防湿層付き断熱材は17m2・h・mmHg/gと紹介されています。
内部結露しないとされている各地域の内外の透湿抵抗の差は、T地域−5:1、U地域−4:1、V地域−3:1、W地域−2:1、X地域−1:1(内側材料の透湿抵抗の合計:外側材料の透湿抵抗の合計)ですから、W地域ではちょっと心配というところでしょうか。
ただ、マグの製品カタログを見ると、スーパーポリカットやポリカットに使われているポリエチレンフィルムの透湿抵抗は40m2・h・mmHg/gとなっていますので、これならきちんと施工さえされれば安心と言って良さそうですね。
仮に、気密テープで柱の部分だけ目張りしても、コンセントの穴から湿気が入り込んでいきますからあんまり意味がない気がします。
そこまでやるんだったら、コンセント周りも気密テープを使って完璧に施工する必要があるでしょうね。できれば気密コンセントを使いたいところですが、それならいっそのこと最初から高気密にした方がいいということになってしまいます。
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ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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