前回の記事でエコキュートの給湯量をタンク容量別にお示ししましたが、その計算式を紹介しておきます。
これは、「タマホームの住まい」のはるはるさんがブログで説明されていたものです。
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http://tama-sumai.com/denkidai/denkidai-ecokyuto/
実際に使用できる湯量 = 給湯エネルギー / (給湯温度−給水温)
貯湯温度90℃、給水温が5℃の条件で370Lタンクで利用できる43℃換算湯量は
(90−5[℃])×370[L] / (43−5) = 827[L]
となります。
オール電化JPさんの表に示されていた湯量は給水温7℃の条件設定でしたから、5℃の代わりに7℃を入れ込むとほぼ一致します。
ただし、この計算式では、タンク内の自然放熱によるロスが計算されていません。
このロスをどれくらい見ればいいのでしょうか?
エコキュートのタンク内の貯湯温度は1時間に1℃下がると言われています。
12時間なら約12℃です。
午後7時に貯湯温度が90℃から12℃下がって78℃になったとすると、この時点での給湯可能量を計算すると370Lタンクで710Lとなります。
300Lタンクでは576Lです。
4人家族が1日に使うお湯の量は594Lと積算されていましたから、これでは少し不足するということになります。
沸き増しを避けたいと考えれば、お湯の使用量を節約しなければなりません。
お風呂の4時間保温に要する65L
これが一番、節約しやすいものだと思います。
お湯はりしたら、できるだけ早く家族全員が入浴を済ませるといった工夫が必要でしょう。
それでは、本日の本題です。
エコキュートの運転モードのうち、「おまかせ」モードと「深夜のみ」モード、どちらが省エネかという問題です。
(写真は、我が家のコロナエコキュート300L2缶式フルオートのタンクと室外機です。
現在は新しい機種に世代交代しています。)
まずは、おまかせモードの特性を知らなければなりません。
各メーカーによって仕様や機能は違うものと思いますが、コロナの例で説明します。
おまかせモードにも湯量の多め・中・少なめ・控えめがあります。
勘違いされている方が多いのは、湯量多めなら貯湯量が多いんだろうという思込み
湯量の「多め」でも「少なめ」でも、朝、沸き上げられる湯量は同じです。
沸き増しを始める貯湯残量が違うだけです。
我が家のタイプで「湯量多め」が貯湯量150Lを切ると沸き増しを始めます。
「湯量少なめ」なら貯湯量50Lを切ると沸き増しを始めます。
「湯量多め」は、最低貯湯量150Lをキープする設定ですから、沸き増しの回数が増えることとなります。
昼間、沸き増しをするのが嫌だから夜の内に多めにお湯を沸かすように設定しようとして、「湯量多め」に設定してしまっては、まるで逆効果だということになります。
「湯量少なめ」で沸き増しを始める貯湯量50Lというのは、ちょっと少なすぎて心配ですが、「湯量中」や「湯量控えめ」を使用の実態に合わせて上手に使うということになります。
「湯量控えめ」は最近の機種では省エネモードとなっており、自動保温をしない仕様となっているようです。
我が家のタイプはちょっと古いので、単に貯湯量がほとんどなくなったら沸き増しをするという仕様になっています。
「湯量少なめ」でも毎日のお湯の使用量にほとんど変動がなければ問題なく使えるでしょうが、50Lというのは、そこから1人入浴するとほぼ使い果たしてしまう量ですから湯切れが心配です。
次に「深夜のみ」ですが、深夜のみにも「湯多め」、「標準」、「控えめ」とあります。
「湯多め」は、タンク内全体を80〜90℃で沸き上げます。
「控えめ」は、約65℃です。
「標準」は、おまかせモードと同じように季節や過去1週間のお湯の使用量をもとに65℃〜90℃で最適な沸き上げ温度を計算し沸き上げます。
ちなみに、ここでいう65℃というような温度は、タンク内の熱いお湯と冷たい水の温度を平均すると65℃という意味ではなく、一番熱い部分の温度が65℃ということです。
もちろん、その場合でもタンクはいつでも満タンです。
タンク内に空気が入ると雑菌も入ってしまうので、タンク内はいつでもお湯と水で満タンに満たされています。
さて、「おまかせ」と「深夜のみ」どちらが省エネですか?とメーカーに聞けば、多くの場合、「おまかせ」と答えるでしょう。
メーカーとしては、湯切れが怖いので「おまかせ」を勧めるということもありますが、メーカーによっては「深夜のみ」を設定すると湯切れの危険性を避けるために余裕を見て多めに沸き上げるという仕様になっている可能性があります。
その場合は、「深夜のみ」にすると無駄なお湯を沸かしてしまうということなりかねません。
ただ、コロナの場合は、他の家電メーカーとはスタンスが異なって、「深夜のみが省エネです。」と明言します。
電気代を考えると昼間は深夜の約3倍の単価です。
夕方でも約2倍でしょう。
昼間や夕方に沸き増しをしてしまったのでは省エネになりません。
いくら、自然放熱のロスがあるといっても、電気代単価の2〜3倍に比べると影響は小さいですからコロナの説明が納得です。
(もともと、エコキュートの電気代は月1,000円と言われています。冬でも2,000〜2,500円程度と考えられますので、そこまで神経質にならなくてもいいと言われればそうですが、)
基本的に家電メーカーは、
消費者は取扱説明書を読まないもの、読んでも説明の通りには使わないものという前提で仕様を考えます。
それでもクレームが来ないように。
しかし、コロナは他の家電メーカーとは一線を画している気がします。
他の家電メーカーは事故が怖くて製造をしない石油ファンヒーターが、コロナの主力商品になっているところにもその姿勢がうかがえます。
私のように面倒でもできるだけ省エネでいきたいと思っている消費者にとっては、コロナの姿勢の方が向いています。
というわけで、「おまかせ」と「深夜のみ」は、エコキュートのメーカーや各家庭のお湯の使用の実態でどちらが省エネになるのか変わってくる可能性があります。
「深夜に沸き上げて、それを沸き増しすることなく夜にほぼ使い切る。」
そういう使い方が最も省エネな訳ですから、ご自分で色々試してみて最適なパターンを見つけられることをおすすめします。
ただし、使用を初めて1週間以内はデータが少ないですから「おまかせ」モードに設定して、沸き増しも気にしないというスタンスで臨んでください。
もちろん、日々、お湯の使用量が少なめであれば、それが一番省エネであることに間違いはありません。
最近のコロナの機種には、人が入浴しない間は湯舟の保温をしないという機能も付いているようで、日々進化しています。
最後に、容量が小さめのタンクを選ぶことに初期投資を抑える以外のメリットがあるかという問題ですが、これは残念ながらありません。
我が家の300L2缶式タンクの写真を見ていただければ、高さが抑えられていますから、タンクの位置と窓の位置が重なっても大丈夫という利点がありますが、それくらいでしょうか。
(我が家は、基礎立ち上がりの高さが52cmとちょっと高めではありますが、)
タンクは余裕があるに越したことはありません。
大きなタンクでも適切な湯量にしておけば特に電気代が高くなるということはないわけですから、、、
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ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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