前回の記事で考察したとおり、高気密高断熱の住宅は従来の気密性の低い住宅より過乾燥になりやすいということが分かりました。
では、過乾燥を防ぐ対策としてどのような方法があるのでしょうか?
高気密高断熱住宅の住まい方について参考とすべきは、やはりその先進地、北海道の皆さんの生活の知恵だろうということで調べてみました。
それでは、ここで問題です。
次の乾燥対策のうち、北海道で最も一般的に行われているのはどれでしょう?
1 洗濯物の室内干し
2 ナベ・ヤカンの水蒸気利用
3 加湿器
北海道立総合研究機構のアンケート調査 (2ページに掲載されているセンターゼミナールの記事) によると、
それぞれを実行している方のパーセンテージは、
1 洗濯物の室内干し 64.3%
2 ナベ・ヤカンの水蒸気利用 40.5%
3 加湿器 24.0%
これは、気密性に関係なくすべての住宅での調査結果ですから、高気密住宅に限れば、ナベ・ヤカンの割合が減って加湿器が増えるんでしょうが、
それにしても、洗濯物の室内干しの比率が高いことに驚きませんか?
実に3世帯に2世帯は、乾燥対策として意識して室内に洗濯物を干しているということがうかがえます。
実際、高高住宅に住んでみて初めて実感するんですが、冬場は、洗濯物の室内干しを積極的に利用すべきだ!
と思います。
我が家では、リビングの吹き抜けに面した2階ローカにホスクリーン+室内干し用のハンガーを使って干していますが、あっという間に乾いてしまいます。
加湿器のスイッチを入れる前に、まずは室内干し
これが最も経済的です。
次に加湿器ですが、我が家で使用しているのは、SHARPのプラズマクラスター機能付きの加湿器HV-Z50CXです。
全館にこれ1台では、相対湿度40%をキープするのがやっとです。
省エネモードに設定しておけば湿度50%を超えると自動で弱運転に切り替わります。
でも、外気が5℃を下回るとなかなか、50%は超えません。
省エネモードで運転すれば、強運転でも電気代は月90円くらいのはずなんですが、
50%維持をめざすとしてフル稼働した最初の月の電気代がかなり高かったので、月90円は本当かな?と疑ってしまいました。
リビングから吹き抜けを通って2階までという空間に対して50CXでは能力不足だったのは確かですが、今では、40%をキープできれば十分という気持ちで稼働させています。
ところで、湿度50%をめざすべきかどうかについては、過去の記事
「湿度40%でのインフルエンザウイルス生存率」 をご覧ください。
さて、それ以外の過乾燥対策ですが、
4 観葉植物をたくさん置く。
5 浴室の湯を流さないで、扉を開けておく。
6 加湿機能付きエアコンを設置する
7 調湿作用の大きい仕上げ材を使用する。
8 室温を低くする。
まず、4の観葉植物です。
植物には葉から水分を蒸発させる蒸散作用がありますので、鉢の数が増えればこれはかなり有効です。
ただ、水のやり過ぎは根腐れの原因になりますから気をつけましょう。
特に、冬場ほとんど水を吸わないサンセベリア(トラオノ)などは利用できません。
我が家は、5本よりのパキラに大量に水をやって、春先、5本中2本を枯らしてしまいました。(涙)
5の浴室の扉
これは、湯気が脱衣室に出て、その範囲では有効ですが、それ以上の効果はあまりなさそうです。
かえって脱衣室の結露が心配です。
6の加湿機能付きエアコン
これは言わずと知れたダイキンのうるるとさららですが。
これについては、研究中ですので別に記事にしたいと考えています。
加湿器を別に置いた方がいいという意見の方もいらっしゃいますが、私は、毎日の給水の手間が省けるとなると、大変魅力的だと思います。
加湿能力も十分だと思います。
室外機のサイズやスリーブ管の大きさというのに注意さえすれば検討してみたい商品です。
外気を温めて給気するという換気機能にも魅力を感じます。
7の調湿作用の大きい仕上げ材を使用する。
調湿作用と言っても、冬・夏の長いスパンで考えると有効ですが、一旦、乾燥してしまうとそれ以上排湿することはありませんので、期待するような調湿効果は得られません。
8 室温を低くする。
高気密高断熱住宅が過乾燥になる理由の記事でも説明したとおり、絶対湿度が同じでも、空気の温度が下がると相対湿度は上がります。
例えば、23℃で相対湿度30%の空気を20℃まで下げると相対湿度は35%まで上昇します。
同じく18℃まで下げると、相対湿度は40%まで上昇します。
絶対湿度が同じなのに、相対湿度が上がるだけで乾燥感は緩和するんだろうか?という疑問はあるんですが、色々調べてみても、相対湿度を上げて、乾燥を防ぐという記述しか見つけられません。
感覚的にも乾燥を感じるのは、暖房している部屋であって、室温の低い部屋で乾燥しているなぁと感じることはあまりないので、室温を下げることで乾燥感を緩和させる効果があるもの思います。
ということで、これが8つめの過乾燥対策です。
流石に室温18℃では寒いと思いますが、20℃なら1枚重ね着をすれば、大丈夫ではないでしょうか?
これぞ究極のエコ
お財布にも地球にも優しい乾燥対策です。
以上、私なりの考えを説明してみました。
皆さんも、加湿に十分な対策をとって、快適な生活を送ってくださいね。
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ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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