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皆さん、こんにちは、
ゴールデンウィークどのようにお過ごしですか?
さて、5月になると、そろそろ固定資産税の納税通知書が送られてくる時期ですね。
早い市町村では、4月中に届いているところもあるようです。
4月中に届いた方は、5月2日が納期限になっているかもしれませんのでご注意ください。
ところで、既に納税通知書が届いた方のブログで面白い記事を見つけました。
→
固定資産税とまるぞうの休日@きょん太とその仲間たちのおうち −住友林業−
記事の中で、木造の住友林業は固定資産税の評価額が安くて、軽量鉄骨造のパナホームは評価額が高いらしいということが書いてありました。
そんなことがあるんでしょうか?
当ブログでそのことについて説明した記事がありますので、改めて紹介します。(一部、今回、修正してあります。)
オリジナル記事は、2010年6月8日に紹介した、
「積水ハウスは三井ホームより固定資産税が高い。」 です。
住友林業の固定資産税はパナホームより安い?
固定資産税の計算の基礎となる家屋の評価額について研究してみると色々な事が見えてきます。
例えば、木造か非木造で評価額の算定係数にかなり違いがあるということ。
その結果、「軽量鉄骨造の住宅(積水ハウス・大和ハウス・パナホームetc)は木造住宅(三井ホーム・ミサワホーム・住友林業etc)より固定資産税が高い。」なんてことがでてきます。
大手ハウスメーカーの軽量鉄骨系で建てられた方は、「えぇ〜!そんなの聞いたことないよ。」
と言われるでしょう。確かにそんな話、私も聞いたことないし、きょん太さんの記事を見るまでネットで見た覚えありませんでした。
でも、これは家屋評価のシステム上、当然、起こりうることなんです。
では、簡単に家屋の評価額の計算式を見てみましょう。
(と言っても内容は大変、複雑ですので、「結果だけでいいよ」と言われる方は、
→まで飛ばしてください。)
評価額 =
評点数×
評価一点当たりの価額
評点数 = 再建築費評点数× 損耗の状況による減点補正率
評価一点当たりの価額=1円× 物価水準による補正率× 設計管理費等による補正率
「再建築価格」とは…
評価の対象となった家屋と同一のものを、評価の時点において、その場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費です。
「経年減点補正率」とは…
家屋の建築後の年数の経過によって生ずる損耗の状況による減価をあらわしたものです。
ここで問題になるのが、物価水準による補正率と設計管理費等による補正率です。
物価水準による補正率とは、東京都(特別区内)を基準として全国の市町村が物価水準の割合を補正率として定めたものです。
木造の場合、東京特別区が1.0、その他0.95と0.9の指数があって、地方都市の多くは0.9です。
木質系の大手ハウスメーカーなら建築費は全国どこでも似たようなものだと思いますが、この計算式から地方で建てた場合は東京の9割の評価になるわけです。
一方、非木造は全国どこでも1.0
次に、設計管理費等による補正率ですが、木造は1.05、非木造は1.10と定められています。
つまり、ふたつの補正率を掛けると、地方の木造住宅なら1円×0.9×1.05=0.94円が単価となります。
非木造なら1円×1.0×1.10=1.10円が単価です。
→
仮に、再建築費評点数がともに1,000万点と評価された木造住宅と軽量鉄骨造住宅があったとしましょう。
木造住宅の評価額は 1,000万点×0.94円で940万円
軽量鉄骨造住宅の評価額は 1,000万点×1.10円で1,100万円
ありゃりゃ、160万円も差が出ちゃいましたね。
築後1年目の経年減点補正率は0.8ですから、固定資産税を計算してみると、
木造 940万円×0.8×1.4% = 105,200円
軽量鉄骨造 1,100万円×0.8×1.4% = 123,200円
ちなみに新築後3年間(長期優良住宅は5年間)は2分の1減額がありますから、この半分になりますが、上の例は評価された結果が全く同じ評点数の家で比較していますので、それでこの差は大きいと言えるかも知れません。
実際に評価されると、木造の方が評点自体が安くなりそうな気がします。
我が家(木造)の評価額も実際の建築費と比較すると6割を切っていましたから、
さて、もう一つ木造住宅の方が固定資産税が安くなる理由があります。
それは、経年減点補正率の違い
木造住宅は、築後25年目で評価額が新築時の2割に達しますが、軽量鉄骨造住宅では2割に達するのは30年後
25年目ではまだ、3割近い(0.2926)評価額があります。
木造なら長期優良住宅でも同じです。(今のところは)
経年減点補正率基準表 →
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shisanzei/documents/keinenkijunhyo21.xls
こうして見てみると、明らかに「軽量鉄骨造の住宅は木造住宅より固定資産税が高い」と言えそうです。
別に私は家屋評価のしくみがおかしいと言っている訳ではありません。
家屋評価の評点や係数は多くのサンプルから計算されています。
軽量鉄骨造の住宅と言えば大手ハウスメーカーの商品が標準であって、これは、どのメーカーであっても、全国どこでも建築費のばらつきは小さい。
なので、評価のシステムでも建築費を反映した評価額に設定しやすい。
一方、木造では、大手ハウスメーカーの商品もあれば、小さな工務店が建てる住宅もあるわけで、これは平均をとれば安くなって当たり前。
木造でも大手ハウスメーカーなら評点が高く評価されるかもしれません。(特に三井ホームも全館空調がつくとかなり高くなるでしょうね。)
それでも、木造の大手ハウスメーカー住宅は、軽量鉄骨造の住宅に比べると割安感が大きいと言えます。
だから、住友林業で建てたお宅はパナホームで建てたお宅より、固定資産税が安いと言えるわけです。
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