2011/6/28

F1を横目で見ながら。  最近のkoura

2010年F1第12戦ハンガリーGPの終盤、ホームストレートでオーバーテイクしようと横に並んだバリチェロをコンクリートウォール直前まで幅寄せし、危険な行為として次戦での10グリッド降格ペナルティを受けたシューマッハの記憶はまだ新しい。当時のレース関係者やメディアはこぞって彼とその行為を非難した。300kmのスピードで接近しつつ並走する2台が、もし接触したら大惨事の可能性は大きい。だから見ていた誰もが不安を感じ、今すぐ危ない幅寄せを止めてくれと祈ったのは事実だろう。シューマッハ自身が反省したかどうかは分からないが、チームは次戦の10グリッド降格ペナルティを受け入れた。
このとき、F1ルーキーの小林可夢偉は「ストレートで並んだら、幅寄せされるのは当然だ」と発言したという。本能的にレーシングドライバーとは、そういうものなのかも知れない、とは思う。
レースの中で、絶対に負けたくないと思っていても、マシントラブルや性能差やタイヤやコンディションの違いや、或いはミスや腕の差で、追い抜きのシーンは度々起きる。そのとき、その状況をやむなく受け入れるのか、抗ってブロックや幅寄せをするか、それはドライバー個別の問題かもしれない。ただ、ときが経ち何時か、その行為を誇れるのかどうかでドライバーの値打ちは決まる、と思う。

さて、長々しく詳しくもないF1の話をして恐縮だが、やっとここから本題。
去る6月11-12日富士スピードウェイで開催されたワンメイク祭のメインレースだったF3第5戦で、レース終了後に或るドライバーにペナルティが科され、順位の降格があった。
それは、L項違反でもH項違反でもなく、公式通知によるペナルティ、というかたちだった。
富士のHPに掲載された正式結果には、
『*1 CarNo.50は、公式通知??23により、競技結果に対し、1分加算及びペナルティポイント1点とする。』
とあるのだが、この公式通知No.23とはどんな内容だったのか。

最後のレースが終わり、暫定表彰式を見た後、暫くして場内放送が、#50のドライバーとチーム関係者を呼び出した。誰かが抗議を上げたのか、自分にはひとつ心当たりがあった。
スタート直後の、PP#50による2番手#12への幅寄せだ。
スタートで若干出遅れたPPの#50が、コースを斜めに横断し、フロントローの#12を、コースの端のホワイトラインを超えてピットウォールギリギリに押し付け、更にピットロード出口との分離帯(ゼブラゾーン)に押し出した。そしてその先1コーナーまで、コース右端を2台は接触しそうな車間で並走し続けた。
1コーナーの進入で、イン側にいた#12はコーナーへのアプローチの体勢を作れずブレーキングをミス、直進し1コーナー先のグラベルにオーバーラン、順位を落とす。並走した#50は辛うじてブレーキングしワイドラインで1コーナーを立ち上がるが、#50の左手後方に着けていた3番手の#1がブレーキングでインに切り込み、立ち上がりでトップを奪った。

スタートで後続の動きを牽制して、ラインをイン寄りに取ることは良くあっても、スタート直後に、PPのマシンが左側から右側へ、真っすぐにコースを斜め横断する行為は恥ずかしい。しかも前を押さえることはおろか並走では牽制も出来ない、あからさまな幅寄せ行為だ。コースの両側に引かれるホワイトラインは、コースの終わりを意味している。そこへ相手を押し出すことは、たとえそこが舗装路面であっても、相手をコースの外側のダートへ落とすことと同義だ。
さらに、1コーナーまでオンロードとはいえ、横のマシンの動きを封じ込めるように執拗に並走を続ける行為は、接触がなく一車身を残しての並走とはいえ、1コーナーの進入でもし接触したら、スタート直後の後続が集団で巻き込まれて大惨事に成り兼ねない、と自分は思う。

2007年5月、もてぎで行われたFNRd3に併催された全日本F3第6戦、PPの#1 O.ジャービス(TOMs)が、2番手の#3 R.ストレイト(INGING)をスタート直後に、グリーンに追い落とさんばかりに幅寄せし、ドライビングスルーペナルティを受けたことがある。このとき当のジャービスは、日本のルールに慣れていなかった、と発言したとかしないとかで物議を醸したので強く記憶に残っている。ヨーロッパで当たり前のことなら、1995年に、やはりシューマッハに関係して下った進路変更を規制するFIAの裁定は何故あったのか疑問だ。
ワンメイク祭で#50に乗っていたドライバーは、この日のもてぎではルーキーながら速さを見せ、6番手からその一部始終を見ていた筈だ。それから4年、レギュレーションが変わった訳でもないのに、同じ行為を自ら行いペナルティを受けたのは、日本のルールを度忘れしていたから、なのかもしれない。
しかし、ジャービスと同じドライビングスルーペナルティではなく、「競技結果に1分加算」というペナルティが下されたことが、意味するところは深遠ではある。
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