北海道に帰省した翌日、兄の仕事が休みだったので、ほぼシーズンオフになっていたにも関わらず、「初めてのトラウト釣りで釣れた魚がイトウだったらかっこいいだろ?」という兄のご厚意?から、イトウをターゲットに釣りに連れて行ってくれることになりました。
そして当日の朝、6時に苫小牧の家を出発!向かう先は、北部にある宗谷郡猿払村でした。何と、片道8時間というではありませんか!!あともう少しで最北端の宗谷岬がある所です。やっぱり北海道は広い!(゜o゜)
しかし前日の天気予報では、あまり良くないとの情報を聞いていました。釣りが出来ても1〜2時間くらいだろうと兄は言っていました。
そんな諦めモードでしたが、それでも釣れる確率が高いということで、わざわざ一番遠い猿払を選んでくれたんです。

とうとう目的地に到着!ぴったり8時間かかりました。まだ昼の2時過ぎです。
今から釣りの開始!っと思ったら、実は本番は深夜2時からだったんです(゜o゜)・・・マジすか??時合いだから仕方がないんですよね。
とりあえず、ホンちゃんポイントの猿骨川を明るいうちに下見しようということで、防寒着(顔面のマスクとカイロなども)と用意しておいてくれた冬用のウェーダーを装着し(この時でコロンコロン状態)、歩いて20分のポイントへ行きました。ちなみに、初ウェーダーです(^^♪
川沿いをひたすら歩き(歩きにくかった〜!)、やっとポイントに到着しました。下見といえども、ポイントはポイント。何が起こるかわかりません。潮は合いませんでしたが、これからいわゆる夕まずめになっていきます。ということで、日が暮れるまでキャストしてみることにしました。
今、兄が一番のお気に入りのルアーはメガバスです。本番では赤金が抜群とのことだったので、今はそれ以外のルアーを使ってみました。でもやはり当たりはありません。この時、思ってた通りではありましたが、寒さも含めて厳しい釣りになりそうだな…と改めて覚悟を決めました。
にしても・・・寒い・・・(>_<)。実はこの日から急に冷え込みが増し、この時で2℃くらいでした。でも、当初の天気予報がいい方に外れ、風がほとんどなく雪も止んでいました。その分、かなり助かったと思います。
午後4時半頃、もうだいぶ暗くなってきていたので引き上げることにしました。この後は、深夜の釣りに備えて近くの温泉に入ることになりました。やった〜!温泉なんて何年ぶり〜!?
芯まで冷え切った体に、温泉の暖かさは何とも言えないくらいの極楽感で一杯でした。
暖かい夕食のカップラーメンと兄の奥さんの手作りおにぎりを食べ、プチキャンプを楽しみました!
午後7時半頃、歯磨きとトイレを済ませ、午前1時半頃まで猿払川の堤防上で就寝です。

ちなみに、この車で寝ました。足を伸ばせて寝れるくらいとっても広〜い車内でした。
午前1時頃、目を覚ましました。天候も無風で晴れています。当初からは考えられないくらいのいい天気です。
準備を終え、さあ出陣です!
また、防寒着とウェーダーを着込んで、徒歩20分のポイントへ。この時既にマイナス5℃。でも歩いているうちに体がポカポカしてきました。

兄の知宏くん(39歳)です。服がダサメなので、やけにおじさんっぽく見えます。でもこう見えて、実はかなりの凄腕トラウトアングラーなのです!!
ポイントに着いたら早速キャスト開始です。猿骨川の川辺から猿骨沼に向けてキャストします。
ルアーはもちろんメガバスの赤金ルアー。潮が引いており、まずはフローティングで試してみました。

ダダ巻きを続けるこの釣りは、初めは私にはもどかしかったのですが、周りの鳥の声や水面の音、またそれ以外何も聞こえてこないこの静かな環境に、次第に期待感やドキドキ感で一杯にさせられてしまいました。

しばらくして、潮どまり前後の時間になったところで、兄に弱い当たりがありました。簡単に上がってきたその魚は、ヌマガレイという魚でした。小さかったので、写真を撮ってすぐにリリース。
何だか幸先の良いスタートのようです!
しばらく当たりが遠のいたので、お互い少し離れるように場所を移動し、ひたすらキャストを続けていました。
数分後、兄が元にいた場所に戻り再びキャストをしていたところ、バシャバシャ!と激しい水の音が静けさの中を響かせました。急いで自分のラインを回収し兄のところへ行ってみると、何とイトウを釣り上げていました。「すげ〜!ほんまに釣っちゃた〜!生イトウや〜!」
型は小さかったものの、正真正銘のイトウだったのです!感動で鳥肌が立ちました。今がチャンスかもしれないから早くキャストしたらいいよ、と言ってくれたので、同じ場所でキャストを始めました。
イトウが見れたと言う興奮だけで、さっきまでの寒さが一気に吹っ飛んでしまったようです。手と足にわずかながらも感覚が戻ってきました。
兄の釣ったイトウは、明るくなってから写真撮影をしたかったので、とりあえず丁重に扱い、キズを付けないように工夫してその場で待っていてもらうことにしました。
しかし、何度やっても当たりが来ません。兄が言うには、釣れる前の一瞬、水面に潮目が入ってきたので、その後すぐにキャストしたらヒットしたということなのです。そして今は、その潮目が消えていました。
やっぱり釣りって何かの変化があるその一瞬に集中して釣れるんですよね。何度釣りをしていても、いつもこれだけは実感させられます。
ちょっと休憩しようということで、川縁から離れ原っぱで座り込みました。この時すでに午前4時半頃だったかな。ちょっと小腹が空いてきていたので、持参してきた菓子パンを食べました。しかしお腹は充分満たせたものの、寒さだけは一向に満たせません。兄が言うには、今くらいから5時頃までが究極に寒くなるとのことでした。釣りを始めた時より、5℃は下がっているようなのです。てことは…マイナス10℃!?うそやろ〜!それを聞いて何だか余計に寒くなってきたみたい(+o+)
休憩を終え、4時45分に再度スタートです!朝まずめまで狙って、この釣りを終了することを決めました。6時までがんばろうということです。今度はシンキングミノーに替えてみました。
また寒さとの戦いが始まりました。すっかり芯まで冷えっきていたこともあり、マイナス10度は耐え難い苦しみとなって私を襲い始めました。兄が言ったとおり、この頃から急激に冷え込みだし、体に痛みが走るほどの寒さに変わってきていました。じっとしておられず、足踏みしながら魚の当たりを感じ取らなければなりません。でも歯がガタガタ言い始めた時、兄に「帰りたい」って言おうかなぁと何度も思い、ひたすら迷っていました。でもあと1時間やしなぁ、朝まずめを逃したくないしなぁ…と考えていた時、私のルアーに当たりのようなものが…。確認してみましたが、何も重さが感じられません。あれ?気のせいか、と思ってルアーを動かすのを止めたところ、竿先にグングングンと3回ほど引きを感じました。おぉ!まさか!?絶対生命反応だ!と思い、再びフッキングとリーリングを開始。一瞬重みを感じたので、にんまりしながら寄せ始めました。しかし、途中で急に軽くなり…(゜o゜)
がっかりしている私をよそに、またもや兄が何かをかけていました。急いで見に行くと、またもやイトウではありませんか!!しかも究極に小さい!兄にとっての極小記録となったイトウでした。このイトウは写真に収めずすぐにリリース。さすが!と関心させられっぱなしでした。
またしても水面の変化があり、この時は、川の流れが逆流した瞬間だったそうなんです。
そしてまたすぐそこでキャストさせてもらいましたが、既に川の流れは正常に戻っていました。ガックリ(ToT)…そんなに甘くはないんですね!
兄にさっき私がヒットさせたと思われる魚のことを伝えると、ヌマガレイだったんじゃないかなと推測してくれました。イトウではなかったものの、北海道で初めて釣りをして当たりが取れたということに、とっても喜びを感じることが出来ました\(^o^)/
6時が過ぎ、釣りはここで終了となりました。
明るくなってきたので、初めに兄がキャッチしたイトウの写真撮影をすることになりました。せっかくだからと言うことで、私と一緒に撮らせてもらうことになりました。マジでうれしい!!(~o~)

実はこの日が私の誕生日(11月26日)でした。ということは、30歳の誕生日にイトウを抱っこ出来たということなんです!何だか鳥肌もんです!
しかもリリースまでさせてもらいました。釣ってないけど、初めて触って初めてリリースしたトラウトがイトウだったということだけで、何だかとても幸せな気持ちになっていました。いい経験をさせてもらい、兄には本当に感謝しています。

とりあえず、昨夜一晩を明かした猿払川の堤防上まで戻り、朝食を摂りました。おにぎりと豚汁が体の芯まで温めてくれました。
朝の7時半頃の猿払川です。すでにたくさんの釣り人が竿を振っていました。
帰る前に、オホーツク海の海岸を歩きにいきました。すぐ横からは猿仏川が流れてきています。ちょうどその辺りでホタテの貝殻を眺めていると、兄が勢いよく何かに向かって歩いていきました。

何か赤いものが見えたと思い、私も後を追って駆け寄ると、何と新品同様のルアーが落ちているではありませんか!!やった〜!!こんなことはよくあるそうです。しっかりと私がいただいちゃいました。
さて、このルアーは一体何でしょうか?

日が昇ると風が強くなってきました。私の後ろにはポロ沼が広がっています。
やっと家に到着したのが、午後6時頃。
いやぁ〜、とっても長い旅でしたよ。でも振り返ってみても、本当に素晴らしい釣行だったと思います。

帰宅後、改めて兄の趣味の部屋に行って、イトウの剥製を見せてもらいました。歯も何度も触らせてもらいました。生のイトウも鋭い歯があることを触って確認出来たし…とにかく剥製を前に、2人でいろいろと反省会?を開きました。

これは、お馴染みの「釣りキチ三平」(イトウ釣り編)です。
実は、私が宮古に帰る前日の夜、兄が私へのプレゼントとして買ってきてくれました。一度も読んだことがないから読んでみたいなぁ、と話していたのでわざわざ探してきてくれたんです。帰りの飛行機で読みなさいと言われたので、その通りにしましたが、飛行機の中ではすっかり興奮状態!こんなに面白い漫画だとは思ってもみませんでした。かなりレベルが高いですね。漫画と呼んでもいいのかな?
釣り人のバイブルと言われていた意味がようやく理解出来たように思います。
でも私以上に喜んでいたのが旦那でした。懐かしがって何度も読み返しています(^_^;)
今度はもう少し暖かい秋頃に挑戦してみたいです!
何とかして、誕生日ズラせないかな…。

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