2006/3/13 | 投稿者: mayfirst

 真冬の天気に逆戻り。


 『そして人魚は歌を歌う』裏話


 NPCについて(その1)

 ・ユア
 今回の事件の中心人物のひとり。人魚のファイエルと阿賀野の間に生まれた娘。人魚の一族の中では最年少の61歳で、沖波の召喚魔法によって真名市にやってきたものの、その魔法が不完全だったために召喚された記憶を失ってしまう。
 実はユア=ライナルというフルネームの設定があったのですが、結局つかわず仕舞いでした。
 人魚に関する設定はかなり詳細に決めてあったのですが(女しかいないので子孫を残すには人間の男が必要なことや、生物学的に不自然な身体を維持するために体内に無秩序の力を宿していることなど)、ユア本人に関することはスタートの時点では実はあまり設定を決めていませんでした。意味があってのことではなく、単に忘れていただけです(笑)。そのせいか、シナリオの中盤で影が滅法薄くなってしまい―りんと三宅に物語の焦点が集まったというのもありますが―頭を抱えた記憶があります。
 後半でプレイヤーキャラクター(以下PC)の遊馬崎ハルさんを好きになってしまうという展開にしたのは男性PCでほぼ唯一ユアのことを気にかけるアクションを遊馬崎さんのプレイヤーさんがかけていたからです。「優しくされた男性PCを好きになる」というのは最初からきめていたことでして、で、条件にヒットしたのが遊馬崎さんだったというわけなんですな。ですが、『見返り』をどうするかについては、さすがに遊馬崎さんのプレイヤーさんも悩まれたみたいですね(笑)。


 ・鮎川りん
 PCたちのクラスメイト。人魚症の少女。人付き合いが苦手で、常に周囲に壁を作ってしまう。
 この娘は途中で大きく扱いが変わってしまったキャラクターです。最初は、無秩序の力の塊であるユアが真名市にやってきたのが原因で人魚症が急激に進行し、それを沖波から聞かされたりんはユアのことをひどく恨んで最後には沖波の命じるがままにクラスメイトを裏切ってユアを連れ去ってしまう―という展開を考えていました。インデックスの後期フラッシュの中にあるりんの台詞「あなたさえこなければ、こんなことにならなかったのよ」には、実はそういう思惑があったわけです。
 しかし、物語の中盤で黒木摩那さんがダークサイドに堕ち、沖波の側についてしまいました。その様なアクションをかけてくれた事自体はマスターとしてすごく嬉しいのですが、このままではりんと立場が被ってしまいます。
 悩んだ末に出した結論は「じゃあ、りんちゃんは改心させる」でした。やっぱりプレイヤーさんの意思は尊重しなけりゃいけませんしね。それに、結果論ですが事前にりんにやらせようとした事は黒木さんがすべてやってくれたので(笑)、これはこれでよかったかなと。
 ちなみに、鮎川りんの語源は『魚の名前のついた苗字』+『鱗の音読み』です。でも、鮎ってよく考えたら淡水魚じゃん(笑)。


 ・中西蒼一
 PCたちのクラスメイト。久洲神社の宮司の息子。誰にでも優しい人当たりのいい性格。
 中西くんの立ち位置は、『久洲神社とのコネクション』です。
 久洲神社が人魚たちのテレポーターの跡地に建てられたというのは割と後になって決まった設定だったと記憶しています。真名市の初期設定は実は島(PCは観光で訪れた島外の人間)で、久洲神社に相当する場所は人魚の櫛が祀られている小さな無人の社と考えていました。ですが、シナリオを煮詰めていく段階で舞台が島ではいろいろと不都合が出始めたので、途中で舞台を島から港町に変更し、その際にマスターの地元にあるとある港町をモデルにして真名市の設定を創っていきました。
 ところで、真名市のモデルになったその港町というのが、むかし遠浅の海だったのが地震による海底隆起で陸地になったというところで(かつての小島だった丘が水田地帯の中にぽこぽこ突き出ていたりします)、それをそのまま真名市の背景設定に導入。そして、上記の久洲神社の設定を思いついたわけです。もし、『インスマウスを覆う影』を読んだ方であれば、ヰハ・ンスレイの跡地に神社が建てられたという感じでとらえていただければ間違いありません。
 そこまでなったら何も無人の社にする必要はないわけで、本当の神社にしてしまった上で、NPCに神社の関係者を出してやればPCも何かと絡みやすいだろうという事で登場したのが中西くんなのでした。
 さて、中西くんといえば零氷雅さんな訳ですが(笑)、結局零さんが中西くんをどのように想っているのかアクション内に明確に書かれていなかった様に思えたので(もし私が読み損ねていたのなら申し訳ないです)、特に仲を進展させることはあえてやりませんでした。もし、サイドストーリーを書くようなことがあれば、この二人の仲の顛末を描いてみたいところですね。




AutoPage最新お知らせ