2007/4/20 | 投稿者: mayfirst

「だいじょうぶ、主犯は文だから」


 読んだ本レビュー
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 『裏山の宇宙船』
 著:笹本祐一 朝日ソノラマ

 10年近く前にソノラマ文庫で刊行されていた同名作品のリニューアル版です。
 予算も部員も実績もなく、自然消滅の危機に瀕している高山高校“民俗伝承研究会”を救うため、会長である主人公・佐貫文は来る学園祭の発表のテーマとして、地元に伝わる『天人伝説』の調査をぶち上げます。しかし、数少ない部員たちはあまり真面目に取り合おうとしません。
 そんな中、文の家の裏山が嵐で崩れ、そこから黒光りする謎の物体が顔を出します。実はそれは、天人伝説に出てくる天の岩舟――宇宙船であり、そして、調査の為にと船内に侵入した文たちは、冷凍睡眠状態の宇宙人と遭遇してしまいます。
 初めて読んだ時、スロボトキンの児童文学『リンゴの木の下の宇宙船』を思い出してしまいました。
 ただ、この作品はいわゆるファーストコンタクトものではありますが、主題は宇宙人との交流ではなく、思いもかけずに宇宙船と宇宙人を掘り出してしまった高校生たちが、どうにかして宇宙人を宇宙に帰すべくどたばたと奮闘するというのがテーマとなってます。ミソなのは主人公たちが特殊な能力を持ち合わせているわけではなく、とりあえず知恵と体力(あとノリ)で事態を解決していくところ。宇宙船にエネルギーを補充する方法なんか、無茶苦茶ですがこれはこれでありだよなぁと思わず納得させられます。
 それと、登場人物の漫才のごときセリフの掛け合いは作者ならでは。この作風にはまったらそれこそやみつきになってしまいます。それこそ10年ぶりくらいに読み直したのですが、今でも十分に面白い作品でした。

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