2007/10/20 | 投稿者: mayfirst

『約束の土地へ』裏話その5

 シナリオ&リアクションについて(またまた続き)


 第5回リアクション
 当初の予定では、この回でジョルジュが本性を表し、そしてPCたちにぶちのめされるはずでした。しかし前述のイレギュラーな展開を受けて大幅にシナリオを改変する必要が生じ、急遽練り直したのが現在公開されているリアクションです。
 ところで、「ジョルジュが悪役」だった場合のシナリオ展開は次の様なものでした。

 経文の写しを持ってヴァンディス島を再び訪れた探索団は、シラユキが艦長をつとめる帝国時代の発掘空母ブラウドラッヘで約束の土地――月へと向かいます。
 航海の途中、ブラウドラッヘは約束の土地を守護する“天使”の襲撃を受け、艦載機であるヴァルキューレを出撃させます。しかし、搭載されている4個中隊のうち、ブルー中隊だけが武装の不調で出撃することができませんでした。シラユキは、100年も地中で埋まっていたのだから多少の不調は致し方ないと考えたのですが、実はこれこそが、後に訪れる最大の危機の予兆だったのです。
 ヴァルキューレと天使が接敵した瞬間、ブラウドラッヘ艦内に警報が響き渡ります。格納庫で整備・調整をうけていたブルー中隊のヴァルキューレが突如暴走、整備担当のホムンクルスたちを殺戮しはじめたのです。
 それは、探索団の副隊長であるジョルジュの仕業でした。帝国のホムンクスルという本性を表した彼は、ブルー中隊のヴァルキューレたちを支配化に置き、シラユキの手からブラウドラッヘを奪うべく動き出したのです。
 事態を知ったシラユキは出撃したヴァルキューレたちを呼び戻そうとしますが、彼女たちは予想以上に手ごわい天使たちとの戦闘にかかりきりで戻ることができません。そこで、艦内に残された唯一の戦力である探索団に、叛乱ヴァルキューレの鎮圧とジョルジュの捕縛あるいは殺害を依頼したのでした。

 ラスボスであるジョルジュには、「最後に7つの戦闘形態を次々ととって戦う」や「相手の能力や戦法をコピーしてくる」「いっぺん倒された後、真の姿となって復活する」など派手な演出を色々と考えていましたけど……まあ、これらは次の機会に取っておくことにでもしましょう。


 第6回リアクション
 毎度のことですが、物語の締めというのはいつも頭を悩ませます。
 今回のシナリオは「とりあえず目前の目的は果たしたけれど、背後には大魔法帝国というさらなる大きな敵がいるよ」という構造でしたので、「ヘンリエッタを隊長とした対帝国戦闘団を編成する」というアクションを核にしてそれぞれのPCたちのエンディングを絡めるという演出で締めてみたのですけど、いかがでしたでしょうか?
 ところで、これまでリアクション本編であまり触れてきませんでしたが、物語の背景である西エンシェンティカ諸国の政治的動向にはあるひとつの規則性を持たせてあります。
 それは、「どの国の指導者も、なにより自分の国のことを優先して行動する」ということ。
 エルフ王国が人間世界の強国ギャランティアと和解し、さらには犬猿の仲である楓谷にもこちらから謝罪してまで連盟を結ぼうとしたのは、カーデンロイド連盟と大魔法帝国の2つの勢力と同時に戦争になったらまず勝ち目はないからであり、ギャランティアがそれに乗ったのは(むろん、協力して帝国の侵攻を防ぐという理由もありますが)、大国エルフ王国と和議を結べば経済的な発展が見込まれるし、何よりその強大な国力を以て西エンシェンティカ地方の盟主の座に君臨することができると判断したからです。
 さらに、オーガーラント戦争の和平条約会議の際に、ギャランティアとエルフ王国が領土割譲などの権利を放棄して寛大な処置をすることに決めたのは、この問題に早急に決着をつけ、オーガーラントも含めた対帝国軍事同盟を一刻も早く構築したいがため。また同じ会議で楓谷が、自国の受けた被害の賠償として「飛空船の技術供与」「セントアーガスの併合」という無茶な要求をオーガーラントに出したのも、実は会議を長引かせたり決裂させたくないというギャランティアの真意を見越した上での政治工作であります。セントアーガスを併合し、ポートターバンシェルと手を組めば、楓谷はそれこそギャランティアに匹敵する国力を得ることになり、カーデンロイド連盟内での発言力は大きく飛躍するでしょう。それが楓谷王カルロの本当の目論見だったのです。作中で楓谷の要求をギャランティアが苦々しく思ったり、新オーガーラント王が愚痴をこぼしたりしていたのも、そんな楓谷の真意が見え透いていたからなんですな。
 ……とまあ、それぞれの国の動向にそれぞれの理屈をつけていたのですが、これらを語ることで本来PCたちに活躍に割かれるはずの文字数を消費するのはどうかと思いましたし、何より限られた執筆時間の中でそれぞれの国家の動向を描くだけの力量が自分になかったので、簡単な記述に留めておかざるを得なかった訳です。

 なお、エピローグの最後のシーンは、プロローグの最後の部分と同じ構成となっております。気づいていただけましたでしょうか?




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