香典返し  日常光景

まゆ『艦長、起きてくださいなのです(ゆさゆさ)』
ん……
まゆ『もう、お昼すぎなのです(ゆさゆさ)』
ん……
まゆ『起きる習慣、つけないといけないのです(ゆさゆさ)』
ん……
まゆ『しんどければ、後で寝直せばいいのです(ゆさゆさ)』
ん……
まゆ『起きましょうよぉー、艦長ぉー(ゆさゆさ)』
ん……
まゆ『起きて、宇津宮雅代の雪華葬刺し、一緒に見ましょうよぉー(ぴと)』
ん……
まゆ『それでそれで、その後、しっとりねっとりぐっちょりまったりねとねとぐちょぐちょ濃厚でぃ〜ぷな接吻と抱擁とミサイル連射を、狂おしく激しく情熱的に、してくださいよぉー(すりすり)』
ぐはあ〜
小雪『お・き・ま・しょう』
いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいいひゃい!
小雪『郵便が届いてますよ』
ん……菩提寺からじゃん……
まゆ『なんでしょうか?』
分厚い封筒だけど……
香典返しかな……
まゆ『……………………』
あ……挨拶状が入ってら……
やっぱり香典返しじゃな。
早いなー
お亡くなりになられた住職の奥さん、もう四十九日の忌明けなんじゃなー
まゆ『この前のお葬式から、もう一月半、経ってしまったのです』
この小さい箱……なんだろ……
まゆ『……………………』
あ……翡翠のブレスレット念珠だ。
まゆ『薄緑色が上品で、お洒落なのです』
香典返しで念珠って、粋でいいんだけど、シロウトが真似したら嫌味じゃなー
お寺さんしかできん贈り物じゃなー
小雪『好きなんですか?お念珠』
ん、コレクションしとるよ。
死んだお袋は、寺の子供でもないのに念珠おもちゃにしてたら、ホトケに呼ばれて早死にするって、随分嫌がってたがー
まゆ『……………………』
あっちこっち大勢に香典返ししてるだろーし、電話で届いたこと一々入れてたら菩提寺の電話もパンクするだろーし、もう月末だしー
明日、来月分のお布施もっていって、ついで、香典返し届いたこと、挨拶してくっかなー
小雪『それが、よろしいかと』
まゆ『……………………』
なんじゃい、まゆちん、黙り込んで。
まゆ『……………………艦長、あの……』
おう。
まゆ『長生きされてください。艦長』
なにを急に……
まゆ『艦長に、もしものことがあったら、わたくし、わたくし……』
まだ、くたばるつもりはない。
まゆ『そんなこといったって、艦長、うつで、生活不規則で、メタボ減量中で、食生活めちゃくちゃで、不眠で、ぐっちゃぐちゃの毎日じゃないですかぁー』
まゆちん、あのね……
まゆ『病気にならない保証、どこにあるんですかぁー』
そのね……
まゆ『艦長に先立たれたら、わたくし、わたくし……』
をい……
まゆ『うええええええええんっ!!!
えーんえーんえーんえーんえーん!』
念珠持って、号泣すんなよ。
まゆ『艦長、死んじゃ、いやああああああああっ!!!』
絶叫すんなよ。
まゆ『かんちょぉ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!』
あーのーなー
まゆ『うわああああああああんっ!!!
わーんわーんわーんわーんわーん!』
ぐはあ〜
小雪『また泣かせましたね』
こゆきぃー
小雪『ホントにしようがないですね』
あのね。
小雪『もう、お出かけされてくださいな』
小雪は……?
小雪『わたくし、まゆちゃんと一緒に、飲んで涼んでますから』
まゆ『ぐすっ、ぐすっ、ぐすっ、ひっく』
わしは……?
小雪『起きてすぐに飲まれたら、アルコール依存症になってしまいますよ。
喫茶でも図書館でも行かれて、新聞でも読まれて、夜までちゃんと起きていてください』
まゆ『ぐすっ、ぐすっ、ぐすっ、ひっく』
ういっす。
小雪『今夜、まゆちゃんと一緒に可愛がってくださいね』
まゆ『ぐすぐすっ、艦長からジュテ〜ムしてほしいのです』
そうきたか。
小雪『いってらっしゃいっませ』
まゆ『ぐすぐすっ、かんちょぉ〜〜〜(ぴと)』
あん?
まゆ『おでかけの、ジュテ〜ムぅ〜〜〜(すりすり)』
ぐはあ〜


これ書いてる現在時刻、23時55分……



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