ドールが出てくる物語  しのざわ

この間、書こう書こうと思っていて、書きそびれてたコトでも、今日は、うだうだ書いてみようかと思います。
題して、『ドールが出てくる物語』。


古今東西、ドール・人形を題材にしたハナシは、いくつかあります。
ダッチワイフ・ラブドールも等身大のドール・人形ですので、等身大ドールのオーナーさんも関心のある話題なのではないかと思います。
等身大ドールのオーナーさんの集まり(オフ会ナド)で、この手のハナシになると、話題に上がるのが、以下の3つ。

ラースと、その彼女(映画)
空気人形(映画)
ユリア百式(漫画)

どれもヒロインが等身大ドールで、しかもダッチワイフ・ラブドールなんですから、最近発表された作品ってのもあって、話題に上がると思うんですけどね。


まず、『ラースと、その彼女』。
これは、癒しと再生ってのがテーマだと思います。
以前、観にいった後で、内容について書いたんですけどね。
http://sea.ap.teacup.com/lovedoll/274.html
ぶっちゃけ、人形を必要とする人ってのは、心のどこかに欠損部分(トラウマともいふ)を抱えているんですよね。
その欠損部分を、通常の対人関係では埋めきれず、時として代償行為で人形を求めていくものなんですがー
(全くもって健全な精神状態だったら、いいトシして、おにんぎょさんゴッコなんかしませんって)
この作品では、そのトラウマを抱えた主人公ラースが、周りの温かい人たちに優しく支えられていく中で、徐々に癒されていき、やがて人形から『卒業』するというストーリーです。
この作品の根底に流れているものは優しさで、それはギスギスした現在社会に対するアンチテーゼとも言えると思いますが、もうひとつ。
『卒業』という形で、空想の世界から現実への帰還も、テーマのひとつとなってます。
夢はいつまでも見続けるワケにはいかない。
いつかは還ってきて、現実の世界を直視しないといけないというメッセージです。
モノはモノ、道具はあくまでも道具と割り切るところが、西洋人らしいドライな視点ですね。
モノを大事にすると、やがて付喪神(つくもがみ)が宿って、持ち主を守ってくれるという東洋人の情緒的思考からすると、ミもフタも無いハナシなんですがー
コレ見たドーラーさんとハナシをしましたが、アレは(ドールが)可哀相だよねぇ……というトコにハナシが行き着きました。
西洋人は、キリスト教で『汝隣人を愛せ』ですから、人には優しいんですが、モノには冷たいんです。
(これがドイツあたりで製作してたら、もうちょっと違っていたかもしれない)


次、『空気人形』
なんつーかね。もうね。悲しいです。すんごく悲しいハナシです。
『ラースと、その彼女』がトラウマを埋める代償行為としてのドールとするならね。
『空気人形』の方はね、社会の底辺で這いつくばってて女性に相手にされない事を埋める代償行為としてのドールです。
ヒロインのドールだけでなく、その周辺にいる登場人物のすべてが、社会の最底辺にいて、しかも言いようの無いくらい孤独の中にいます。
まさに、ギスギスした現代社会そのもの。
芸術的視点からいけば、『最底辺の世界で暮らさざるを得ない人たちの孤独を描写した群像劇(長ったらしいな)』として、意味があるのかもしれませんがー
(何かで賞をとったんだっけ?この作品)
ドールにね、意思を持たせて動かすなんて現実にはありえないコトをした時点で、もうすでにファンタジーなんだから、ファンタジーならファンタジーで最後まで貫いて欲しかった。
芸術的には意味はあるかもしれないが、ラスト、ミもフタもありません。
『ラースと、その彼女』には、まだ救いがありましたが、『空気人形』には一片の救いも無い。
ヒロインの空気人形が、ラストシーンの直前に夢を見まして、夢の中でローソクの灯ってる誕生ケーキを出されて、ヒロイン演じるペ・ドゥナが無表情の顔をぐしゃぐしゃっとさせて涙をぼろぼろっとこぼすシーンがありまして、ドールが感情を持った瞬間を表現してるとでもいうんでしょうかね。
このシーンは秀逸で、ペ・ドゥナは演技が優れてると思ったんですがー
この作品では、ペ・ドゥナがモッタイナイと思った。
カンヌに出したんだっけ?この作品。
単刀直入に言う。クロウト受け賞狙い。
ファンタジーに中途半端なゲージュツを持ち込んでほしくないな。


『ユリア百式』
ごめんなさい。
コメント書けるほど、精読してません。
ぱらぱらぱらっと目を通した範囲内では、好感持てる内容でした。
お莫迦な内容なんですが、ちゃんとファンタジーに徹してまして、こういう作品は好きです。


結局のところ、ドール・人形をあくまでもモノ扱いするのか、アンドロイドとか付喪神とかで人と同じように動かすか、この2つに大別されると思うのです。
前者なら『ラース』みたいなリアル路線ですし、後者ならファンタジーになります。
ファンタジーならファンタジーで、最後まで貫き通してくれないと、ものすんごくご都合主義に見えてきますし、作品の話題性ってコトでドール・人形を扱ったのねんって下心も見えてきて、ドーラーとしては不快感を抱かずにはいられません。
ファンタジーを最後までファンタジーで貫き通してる人形作品……ないかいなと、いろいろあれこれ考えてみたら、すんごく盲点的なトコに古典的作品がありました。
『ピノキオ』がこれに当たると思います。
『ピノキオ』はイタリアの作品だったよね。
西洋人の視点ではありますが、アメリカ・ハリウッドと違って、モノ扱いしてないところが興味深いと思います。

そんでもってね、日本のね、最近のね、しかもせくしゃるな作品。
ココ見にくるくらいだから、皆さん、えっちぃ〜ハナシ、大好きでしょ?そうでしょ?
ファンタジーに徹しててドーラーに夢を見せてくれる後味の良い作品、あったら見てみたいって思わない?
『ラースと、その彼女』と『空気人形』への雑感にここまで付き合って読んでるくらいなんだから、
「うんうん、アレはひどかった。そんなんじゃない作品、見たいんだ」
って思ってるでしょ?そうでしょ?

あるにはある。
ラブドールじゃないけど、人形がヒロインで、えっちぃ〜ハナシで、ファンタジーしてて夢を壊されないやつ。

ハニー・クレイ・マイハニー  おがきちか
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC-%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%81%8A%E3%81%8C%E3%81%8D-%E3%81%A1%E3%81%8B/dp/4785921455

これは、なかなかオススメです。
クライマックスでは、ホロリとさせられます。
実写化したら、空気人形よりもいい作品になるかもしんない。
マイナーだから、ドーラーさんの間でも、話題に上らないけどね。
もっとこの作品は、評価されてもいいと思ふ。
良かったら読んでみてくらはい。
ある意味、『ピノキオ』に通じるところがあると思います。


めぐ『キララちゃーん、なんか語ってるよぉー。しのざわぁー』
キララ『また躁転しちゃったのかな?』


これ書いてる現在時刻、23時59分……
(実際は翌日の午前5時20分)


本日は68(23時59分現在)
昨日は50。
毎日ご訪問、ありがとうございますです。


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