磔磔という名前のライブハウスがあるのをご存知ですか?
Pottiから歩いて五分少々のところにある、老舗ライブハウスです。
そこで昨日あった、モーモールルギャバンというバンドのライブに行ってきました。
熱い!!
モールルの魅力について語ろうと思ったのですが。
んー。
カッコ良さを言葉にするとヤボになりますね。
やめます。
なので、昨日「んー、なんだかな」と思ったことについて書きます。
基本的にオールスタンディングのライブなのですが、磔磔の作り的に穴場スポットが存在しまして。
入口奥、ステージ右の壁面。
そこにめっちゃ小さいベンチ的なでっぱりがあるのです。
開場されてから、音楽大好きっ子達がワラワラと、我先にとステージ前のポジション取りに群がっている中。
「まー、そうなるわな」
とそれを横目に、私の大好きな穴場スポットに冷静に進み。
そして、スッと腰を下ろしつつ開演までの一時間ほどをクールに過ごす、というのがいつものスタイルなのですが。
なんと。
昨日はそのスタイルに異変が!
穴場スポットが物販スペースに使われていたのです!!!
ライブ前の物販が無いなあと思っていたのですが、なぜこの狭い場所で、そして開場内で一番過ごしやすい場所を使って物販をするのでしょうか。。。?
もう春なんだから外でやれよっ!!
と思いながら、そして少しは声にも出しながらその場所は諦めます。
でも、ここで落ち込んでいる暇はありません。
なぜなら、そうしている間にも、後ろから後ろから、どんどんと音楽大好きっ子達が入場してくるからです。
そうして、良い場所から順にどんどんと人で埋まっていくからです。
気持ちを切り替え、ササッと暗がりの中を見回すと、なんとそこのすぐ右手に小上がりのようなスペースが!
タタミ三畳ほどのそのスペースは、通常のフロアから50センチほど高い場所にあり、オーディエンスが侵入しても良いのか悪いのか、よくわからんスペースでした。
あんまり誰も近寄ってないし。
上がったら、スタッフが飛んできて怒られるかもしれません。
他のオーディエンスから白い目で見られるかもしれません。
どうしよう。
やっぱ安全に他の場所を探すべきだろうか。
迷う。。。。
とは思いませんでした。僕は。全く。
なぜなら、先月やっていたライブの時に、他のお客さんがそこに上がって悠々と鑑賞していたのを知っていたからです。
そして、それを見て「あんな場所があったんやなあ、羨ましいなあ」と思っていたからです。
ただ、それを忘れていたんですね。
昨日また見付けるまでは。
ということで、
「危ない危ない。また指をくわえて羨ましがるとこやった。セーフ」
と、これは声には出さず、普通の顔してその小上がりに上がった訳なんですが。
なんと!
ただ居心地の良いスペースだというだけではなく、更に嬉しいハプニングが!
スツールが二つ置いてあったのです!!
スツールというのは、バーカウンターなんかに置いてある、チョコンと腰を下ろすような形の高めのイスのことです。
多分。
どうしよう。
これに腰掛けても良いんだろうか。
座ったらスタッフが飛んできて怒られないだろうか。
他のお客さんに。。。。。
迷う!
とは、またもや、全く思いませんでした。
なぜなら足が疲れていたからです。
「イスあるんやし座ろ」
と、普通に思ったからです。
そうして、無事にイスに着席。
しかも同行者も隣に着席。
ホッとした時間を過ごせました。
というだけなら「んー、なんだかな」と思った話にならず。
ここでもうちょい話の続きがあるのですが。
開演までもう少しとなった時に、暗がりから突然声を掛けられました。
その暗がりは、
「具合の悪いお客様に席を譲って頂けませんか?」
と僕に言ってきました。
そこで、「んー、なんだかな」と思ったのです。
一つ。
そんなに体調悪いなら帰宅しなさいよ、ということ。
二つ。
イスに座ったからってそんなに楽になんのかよ、ということ。
そして最後に、三つ。
絶対に断れない状況の俺にお願いしてくるのはズルいじゃないのよ、ということ。
色々と釈然としない気持ちを抱えながらも、やっぱり困ってる人に譲るのは当たり前のことなので。
「どうぞ」
と暗がりに返事をして、僕は席を立ちました。
一つ目と二つ目は、まあ個人の頭と体によって色々あるやろと思いますが。
三つ目はどうなんでしょ。
絶対に断れない状況でのお願いは、これはもう「お願い」ではないのです。
「命令」「強制」とイコールだと思うのです。
それを、ライブハウスにとってはお客様である僕に言ってきますか?
と思うのです。
そんなら別室で介護するなり、新しいイスを出したら良いやん。
と思うのです。
体調の悪いその人、本人が僕にそれを言ってきたら、それは良いんすよね。
なんだか心情的に。
スッと譲れます。
でも何なんでしょね。
人を介して、断れない状況でのお願いをされると何だか気持ち悪いのです。
この気持ち分かってもらえるもんでしょーか?
んー、なんだかな。
と思ったのです。
チャンチャン。

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