ダムダム・・・ ダム・・
ボールの音が朝の体育館にこだまする
「早いなー、今日も一番のりかい」
豊玉のエース南が朝練にやってきた
といってもワテのスリーポイントの練習で
夏の大会までに何とか習得して攻撃の選択肢を広げるんが目的なんやと
南「ええか、スリーポイント狙ういうのにコツはない
あくなき反復練習が成功率を上げるんや」
南「かと言うても闇雲にやるのも効率が悪い」
南「せやからビデオで撮りながらの練習や」
確かにええ方法や、休憩しながらフォームチェックもできる
何の問題もない、完璧な練習方法や。
南「2万本な」
ニマンボンナ?
プロレスの技かいな??
南「2万本やで」
南はこっちの反応を確認するようにもう一度言ってきた
正直自信はない。けどウチのエースが言うんや
それにこれでランアンドガン完成や
自分を奮い立たせ了承した
ボボォン!
南「それやめ、煽るんだけウマなってどないすんねん」
すっかりスリーポイントの入る自分は調子に乗っていたのだろう
口癖になってしまっていたのだ。
南「ええか、今日教えるんはな」
「真空飛びヒザger・・・」
「おい!おーい!!板倉くん!!!」
なんや仕事中に寝てしもたみたいや
客「ツモ番やで、しいかりしいや」
すんませんすんません
山に手を伸ばす。
一発ツモ・タンピン・三色・ドラドラ
倍満の3枚ですわ
ボボォン!!
客「・・・・」
(またゆってしもた!)
そのとき卓上の南(なん)が板倉に
「それやめいゆうたやろ」
そんな気がした。
もう豊玉のエース・南はこの世にいない
夏大会、ながれかわに見舞われたドラゴンスープレックスにより
大会後急変、この世を去ったのだ。
(南(みなみ)さん、ワテはこうして元気にメンバーしてまっせ)
ドラ表にめくれた南が少し微笑んだ気がした。

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