
プーを車の中にてお留守番させて、17時からの見学に参加する為、再び
「TIO PEPE」を醸造しているBodega
「GONZALEZ BYASS」にやってきました。

ここが、見学用の入り口らしいのですが、フェンスが半分閉まっていて
初めての見学ということもあり、入っていいのか待つべきか、悩んで
いると・・・
後ろに大型バスが停まりました。
「こ・・・これは、団体のお客さんが入る前に、チケットを買わないと
大変なことになるゾ!!」
と、気合を入れて、あいている半分のドアの隙間から、飛び込みました。
幸いにもちょうどその時に、別の組が入っていったので、ここで良かったんだ
と、確信。

受付は、このフェンスから入って直ぐ右側にチケットオフィスがあり、
そこで入場料を払ってチケットを買います。
「5時からの英語の見学に参加したいのですけれど・・・・」
と、申し込んだら「シェリー酒とタパスが付きますが、シェリー酒は何種類
飲みますか? 2種類?4種類?」と聞き返されました。
「おっ、試飲があるのね・・・4杯飲みたいけれど、夕食前にヘロヘロに
酔っ払ってもいられないしなぁ・・・」と、2杯+タパス(軽いおつまみ)
を申し込み。
これで、一人当たり16.5ユーロ(約1,650円)でした。

私たちが、入場したのは2組目。
最初待合席はガラガラでしたが、この後20人ほどの人達が集まりました。
壁には、いろいろとパネルが展示してあったので、これを眺めながら見学
の集合とスタートを待ちます。

パネルを見ていたら、F1ドライバーのアイルトン・セナが樽にサインして
いるパネルを見つけました。
セナが、ヘレスのサーキットで行われたF1グランプリで、86年と89年の
2回優勝し、89年のレースで優勝した次の日にここを訪れたのだそうです。
貴重なパネルに見入ることしばし。

皇太子殿下のパネルも飾られていました。
1992.7.21に訪れていたようですが・・・・
あとで、とても不思議なことに気づきました。

こちらのパネルは、前回のブログで、街のモニュメントになっていた
柄杓「ベネンシア」
樽の中に入れて、シェリー酒を酌み出し、このように逆さにして空気を
含ませながら、グラスに注ぎ、出来栄えを確かめるために使うものなの
です。(ハイ、見学で分かった事です。)

見学の時間になると、待合室を出て直ぐのところにある取引国の展示場に
一旦集合。
ここで、ガイドの方がこれからの案内についてや、新しい国と取引を始める
と、ここにその国の国旗が飾られる事等を説明してくれました。
もちろん、日本の国旗もありました。
ガイドの方が、本日は大変重要な来客があり、見学の時間がこの時間のみに
なってしまいました・・・と、言っていたので後で聞いてみたら、スペイン
のプリンセスの訪問があったと教えてくれました。
隣町のCADIZ(カディス)という街で、22ヶ国会議が行われ、その帰りに
立ち寄ったのだとか。
前回のブログで、警備が物々しいと書きましたが、そういう理由だったので
すね。

さて、ここからは工程を順番に追いかけながら、Bodegaの中を
回ります。
敷地が広いので、この汽車ポッホで回っていきます。
遊園地みたいで、楽しい!!・・・と、我妻、大分モチベーションが
上がっています。

Bodegaの敷地内は、「見ていただく」ということを念頭に入れて
あるので、いたるところにご覧のようなモニュメントが飾られています。
こういう工夫が、訪れる人たちを楽しくさせるのでしょうね。
モニュメントと一緒に記念撮影している人、真剣にガイドの方について
回る人・・・それぞれです。

最初の見学ポイント。
ブランデーの蒸留所に来ました。
入り口のところには、「LEPANT」と書かれた樽が沢山並べられて
います。
写真の機械は、左側のタンクにワインを入れて暖めると、蒸留された
アルコール分とワインが真ん中の分離器に集まり、ワインは又、左側の
タンクへ、約60%のアルコール分が右側のタンクへと貯まり、ブランデー
を造りだすというもの。

そこで造りだされたブランデーを樽にいれて、30年熟成させるのだ
そうです。
ここに並べられたものは、一番左側が抽出して直ぐのブランデー。
その後、5年毎に変化していく状態を展示しているものです。
匂いは、最初の年のものから、まさにブランデー。
飲んでいいのかと思ったら、そうでは無く、匂いだけでした。
30年かけて「味」がどう熟成されていくのかは、確認できず。
このブランデーの商品名こそが「LEPANT」というもので、もちろん
単品販売しています。
が、もっと大事なのは、このブランデーをワインの発酵中に加えることで
発酵を止め、その後に熟成させて出来上がるシェリー酒にとって絶対に
必要な工程だと言う事です。

そして、シェリー酒が眠る蔵へとやってきました。
樽は、各醸造過程ごとにグループ分けされています。
最初造られるワインから、ブランデーを加えて発酵を止めたグループ
そして、熟成を進めているグループ。
「TIO PEPE」という超辛口銘柄で、およそ5年くらいかかるそう
です。
同じ配合で造られたお酒でも、樽によって微妙に出来上がりは異なるので
定期的に、中身の移し替えを行って、味の均一性を保つのだとか。
下の樽の中身を上の樽へ、上の樽の中身を真ん中の樽へ・・・と、言う
ように中身を入れ替えていくのは、全て手作業で行われています。
日本酒でも同じような事が起きるのですが、日本酒の場合はタンクが
大きいので、移し替えよりもブレンドで味を均一にするところが、製法
の違いですね。
ちなみに、ヘレスという街は、夏場には気温が50℃に達する事もあるそう
ですが、蔵の中は一年中17度〜22度に保たれているとの事です。

展示用の樽の中。
熟成が進んでいく過程の中で、もう一つ重要なのはこの写真にも写って
いるシェリー酒を覆うように張りめぐらされた白いカビ。
「フロール」と呼ばれるこのカビは、熟成中のシェリー酒を覆い
続け、空気に触れて酸化するのを防いでくれます。
このカビが無かったら、シェリー酒というものはこの世に存在しない
だろうと言われるほど、大切なものです。

その後、研究所やサンプル室、王族の樽保管所等を回り、サイン入りの
樽が並んでいる部屋へと案内されました。

見ていると、皇太子殿下の樽を発見。
あれ? 待合室にあったパネルでは、21.7.92と書いてあった
ように見えましたが、こちらの樽は21.9.92と書いてあるような?
しかも、よく見ると日付と年度のハイフンの長さや、年度の9と2の
間が微妙に異なっている・・・・これは一体、何故?

アイルトン・セナの樽も見つけました。
1994年に不運にもイタリアのサンマリノGPレース決勝中の事故で
亡くなったセナ。
この樽、永遠に残るのでしょう。
ヘレスのサーキット場では、今はF1の開催は無いようですが、1990
年代には、活発に開催されていたようです。
他には、アラン・プロストや、アルベルト・フェルナンドなど、有名な
F1パイロット達のサインが名を連ねていました。

そして、こちらはピカソのサイン。

これは、スティーブン・スピルバーグ監督のサイン。
そのほかにも、オーソン・ウェルズ等々・・・。
もっと長くここに居て、誰のサインがあるのか見ていたかったのですが
ガイドの方が、ドンドン行っちゃうもので、振り向きながらこの場所を
後にしました。

そして、見学が終わりレストランに案内され、いよいよお待ちかねの
試飲です。

2種類のシェリー酒の試飲ということで、飲ませていただいたのは
このBodegaの看板商品の「TIO PEPE」と、「Croft」
という商品。
「TIO PEPE」は、FINO(フィノ)と呼ばれる超辛口で、
辛口の日本酒のような感じで、すっきりしています。
そして、「Croft」は、このBodegaの伝統的シェリー酒らしく
「Original Sherry」と書かれていました。
解説書をみると、種類は「Cream(クレマ)」と呼ばれるもので
やや甘口ながら、すっきりとした清涼感が漂います。

今回の見学でご一緒させていただいた、Iさんご夫妻。
顔出しOKとのお二人の了解の下、ブログに掲載させていただきました。
アメリカのシリコンバレーに住んで、22年になるというIさんご夫妻。
今回は、仕事の合間にやっと取れた長期休暇を利用して、スペインを
旅されていらっしゃるとの事でした。
久しぶりに日本人の方と話す事しばし。
ふと周りを見渡すと、他の見学の人達は既に帰ってしまい
私たち日本人だけになっていました。
帰りしな・・こういう見学施設の整った場所にはお決まりの、お土産ショップ
の前に出ました。
私たちもIさんご夫婦も、ちょっと立ち寄って中々手に入らない
レアなシェリー酒を購入。
Iさんご夫婦は、試飲でもシェリー酒を口にしていなかったので
理由を聞いたところ、セビリアに滞在中で、この日はレンタカーで
ヘレスまでいらしたとの事。
きっと、ホテルに戻ってから堪能するシェリー酒を買って戻られた
ことでしょう。
お二人とお会い出来、とても楽しい時間を過ごす事が出来ました。
Iさんご夫妻、どうもありがとうございました
お二人に、別れを告げプーを迎えに駐車場へ戻り、その後街でバルの
ハシゴをすることにしました。
それは、又、次回に報告いたします。
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