さて、セビリアで一泊した翌日は日曜日。
春祭りは、最終日を迎えます。本当は、このまま夜まで滞在して最終日
の盛り上がりを見たいところですが、月曜日は仕事。寂しいですが、
モロッコに帰らなければなりません。
残念ながら、スペインで日曜日に営業している商店等、どこにも
ありません。
アパートホテルのチェックアウトタイムは12:00と言うことなので
すこし、ホテルの回りから祭り会場の方へ散歩してみることにしました。

通り沿いには、このようなデザインタイルが飾られていました。
色使いといい、絵柄といいスペインの生活が見えるようです。

いかにも、スペインの建物です・・・と言うような、華やかなアパート。

そして、セビリアの市街の外側を流れる、グアダルキビール川に
接続するように作られた、アルフォンソ13世運河。
ここが、川では無いというのが驚きですね。
この運河、北の方へさかのぼっていくと、行き止まりになっている
ようです。
グアダルキビール川の接続部から行き止まり迄の長さは、15km以上
もあるんですよ。
そして、この本流のグアダルキビール川は、旧仙台藩支倉常長率いる
使節団が、1614年にサンファンバウティスタ号と呼ばれる黒船に
のって、遡って来たのは歴史的にも有名な話です。
そして、ここから約10km南のほうにはコリア・デル・リオという
小さな町があって、そこには約600名の日本の性を持つスペイン人が
住んでいるのです。
この人たちは、使節団としてここを訪れた後、日本に帰らずにここに
住み着いた日本人の子孫の皆さんだということです。
支倉常長の使節団については、以前のブログでも紹介していますので
興味のある方は
ここをクリック
してみてくださいね。
日本を出発したのは、1613年ということですから今年で、ちょうど
400年前になるんですね。

運河のほとりの町並みです。
セビリアの建物は、パステルな色使いが施されていて、見ているととても
明るい感じがします。
陽気なスペイン人たちのちょっとした遊び心なのでしょうか?

運河沿いに南に歩いていると、とても大きなクルーズ船が停泊して
いました。
かなり遠くから見えてはいたのですが、まさかこんなところにこんなに
大きな船が入るはずが無い・・・きっと、船のデザインを模したビル
なのだろうと思っていましたが・・・本物でした。
どうやって、ここまで来たのでしょう?

と、船の向こうの橋を見ると、船舶通行用に橋が持ち上がる仕組みに
なっていました。
こういう橋は、テレビでは見たことがありますが、本物を見るのは
初めてです。
そして、こんなにも大きなクルーズ船が入っているのを見て改めて
すごい!! と、感じました。
ところで、このグアダルキビール川の河口を地図で調べてみたら
サンルカル・デ・バラメダという街がありました。
春祭りの紹介記事の中で、セビリアの人たちが飲んでいるシェリー酒
は、MANZANILLAという、大西洋側で作られたシェリー酒が
多いと書きましたが、実はこのシェリー酒「MANZANILLA」は、
河口の街サンルカル・デ・バラメダで作られたものだけに与えられる
銘柄なのだそうです。
と言う事は、シェリー酒のメッカの街「ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ」
の方がセビリアには距離的に近いながらも、陸地輸送よりも、輸送力の高い
「船」を使って、「サンルカル・デ・バラメダ」産のシェリー酒をこの地へ
運ぶ事で、大量に出回り、セビリアの地に浸透していったのでしょうね。
そんなことを考えると、MANZANILLAというシェリー酒がとても
ロマンチックなお酒に見えてきました。

そこから、再び運河を渡って暫く行くと、春祭り会場のゲートが
見えてきました。

そばへ行って見ると、皆掃除中でした。
私達は別の場所から会場に入ったのですが、ここのつくりは一般観光客
も入れそうな、大きなレストランになっていました。
今回、慌ただしくセビリアに来て、慌ただしく祭り会場を見て・・
と、ゆっくり見学をする時間が無かったのですが、時間のある場合は
会場を下調べして、一般客の入れそうなカセタにめぼしを付けて、早めに
カセタ回りをしたほうが、いいかも知れませんね。

ゲートの向かいにあった、あの揚げ麩・・・もとい、チュロスを食べさせて
くれるお店の方を見ると、営業が始まっているようでした。
前日のリベンジに「チョコレート・チュロス」を食べるぞ!と、店内に入り
注文したところ「チュロスはまだ準備出来ていません」との回答。
ムムッ・・残念!! と、言いながらもチュロスモードに入ってしまった
私たちは、とりあえず他の店でチュロスを探すことにしました。
店を出てすぐに、小さなグロッサリーが店を開けていました。
中に入ってみると、お酒の棚に並んでいるのは、ワインとシェリー酒。
シェリー酒は、やはり「MANZANILLA」でした。
先ほど書いたようなことを考えていたので、このお酒にとても惹きつけられ
て、思わず買ってしまいました。

ホテルのチェックアウト時間まで、残り一時間程になったので、この場所
から、ホテルへと向かって歩き出すと、間もなく・・・HAY CHOCOLATE
CON CHURROS「チョコレートチュロスあります」という看板を
発見。
スタンドバーのような、とても小さなお店です。
さっそく、お店に入りチュロスとチョコレートをオーダー。

威勢のよいお店のおじさんが、オーダーされた食べ物・飲み物を
テキパキとお客さんに差し出していました。
スタンドバーなので、皆さん立ったまま頂きます。
日本でいう、立ち食い蕎麦みたいなものですね。

念願かなって、やっとチョコレートとチュロスのコラボレーションを
味わうことに。
チョコレートは、ごらんのようなホットチョコ。これに、チュロスを
浸しながら食べるのですが、チュロス自体に軽い塩味がついているので
チョコレートとの相性は、抜群。
小さなスタンドバーですが、チュロスを大量に持ち帰りオーダーする
女性が来たり、コーヒーを飲む人や、ジャム持参でパンだけを頼んで
食べている人など、スペインの街の暮らしに溶け込んだような気分を
味わえるお店でした。

アパートホテルを12時丁度にチェックアウトして、今度はタンジェ
の向かいに見える、タリファの街を目指します。
前日は、フェリーが欠航したとは言え、この日の天気予報では風は
強めながらも前日よりは弱まっています。
いくらなんでも、この日はフェリーは運行しているでしょう。
との判断からですが、最悪フェリーが欠航している場合は、その足で
直ぐにアルヘシラスへ向かうことも覚悟です。

港へ到着してみると、どこまでも続く車の列の最後尾に停めさせられ
ました。
今まで、見たことも無いほどの車の列。
もしかして、フェリー欠航なの? 皆、フェリー待っているの?
と思うも、ここからは何も確認できません。
とにかく、車を停めて乗り場のほうまで歩いて確認することに
しました。

と、チケット売り場には沢山の人が並んでいました。
いつも利用しているフェリー会社とは異なるInter Shipping
というフェリー会社の売り場には、「次の出航16:00」と書かれて
いました。
そして、いつも利用していたFRSのフェリーは「17:00」出航と
書かれていました。
と言うことで、私も一時間早い、Inter Shippingのフェリー
のチケットの列に並んで片道チケットを購入。

パスポートコントロールのゲートは、FRSもInter Shippingも
同じところを通ります。
当然、一時間早いInter Shippingの搭乗車両はドンドン
行かせてもらえるのですが・・・

最終的に私はラスト3番目の乗船でした。
船の中はほぼ満車。
あれだけ長い行列を作って待っていた車両の殆どが、この
Inter Shippingへの乗船待ちでした。
何百台乗船したのでしょう? よく、入ったものだと感心すること
しきり・・・

乗船して次に青くなったのは、船内パスポートコントロール。
スペインからモロッコへフェリーで渡る場合、モロッコ側に入って
からのパスポートコントロールの時間を削減するために、船の中で
モロッコ側の入国審査が行われます。
が、この船内で行われる入国審査は、パスポート一枚ごとに
パソコンへの入力や入国カードの記入チェックが行われるので、ものすごく
時間が掛かるのです。
私達が並んだのはほぼ最後尾。
列が全く進まないまま船は出航してしまいました。
モロッコへ着くまでに終わるのでしょうか?

結局、モロッコへ到着後も入国手続きは終了しませんでした。
下船せずに、パスポートのコントロールを待ち、やっとスタンプを
もらって、車に乗り込んだときには、殆どの車は下船していました。
とはいえ、一時間後のFRSで来るよりは断然早く、アパートへの
到着は、16:00。 スペインとは時差があるので、16:00を
30分くらい遅れて出航した船は、約一時間の航海の末、モロッコに
到着。モロッコとは、時差が2時間あるためにこういう時間になった
わけです・・・あ〜〜ややこしい!!
何はともあれ、今回のセビリアへの旅。
18時間しかセビリアに滞在する事が出来ませんでしたが
それでも内容の濃い旅で、非常に満喫する事が出来ました。
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