前回のブログで、ムスリムのお祭り「犠牲祭」が始まった事をお伝え
しましたが、この犠牲祭・・・一家で一頭の羊を犠牲にする計算で
いくと、モロッコの人口およそ4000万人で平均世帯5人と仮定
するだけでも、800万頭の羊が一斉に切られることになります。
実際は、そこまで多くは無いのでしょうけれど数百万頭の羊が犠牲に
なっているのは、間違いありません。
幼少のころから、この地で見て育ったムスリムの人たちには慣れた
光景も、馴染みのない日本人にとっては、かなり厳しい光景でも
あります。
そういう理由から、駐在2年目からは毎年どこかへ脱出しているの
です。
今年の行先は・・・南フランスのニースへ行くことにしました。

出発は、犠牲祭が始まる前日の10月4日の土曜日。
朝、7時55分発のラバト〜パリ便で出発です。
タンジェのアパート出発は、午前3時30分。何度かこのブログに
登場している、お馴染みの便ですが、朝3時は、さすがに眠いです。

以前、ドイツに行ったときに初めてプーも一緒に飛行機に乗って
ヨーロッパへ出かけたのですが、その時に経験したペットの機内
持ち込みは意外に簡単でした。
そこで、今回もプーを連れて出発です。

飛行機は定刻でシャルル・ド・ゴール空港に到着。
さあ、今回はここからが大変です。
ニースへ向かう便は、シャルル・ド・ゴール空港からではなく
パリにあるもう一つの国際空港・・・オルリー空港から出発する
のです。
シャルル・ド・ゴール空港発ニース行き便が無いわけでも
ありませんが、便数が少ないのでタイミングが合いません。
そこで、今回は初めてエールフランスのシャトルバスを利用して
シャルル・ド・ゴールからオルリーへと移動することにしました。
到着ターミナルから、オルリー空港へ向かうシャトルバス乗り場を
探します。

私たちの到着ターミナルは、ターミナル2E。
「BUS」の表示を追いかけて行ったら、ターミナル2Fと2Eの
間のバス乗り場から、出ているようでした。

表示に従って進んで行くと・・・エールフランスのシャトルバスの
チケット自動販売機に到着。
今回、利用するためにインターネットで事前に調べて、初めて分かった
事ですが、エールフランスのシャトルバスはエールフランスの搭乗者用
に空港間移動する、無料のシャトルだと思っていたのですが、それは
全く関係なく、お金を払ってチケットを購入すれば、だれでも利用が
可能な普通のバスでした。
行先は、空港間のみでなくパリの街を行ったり来たりするシャトルも
あり、それぞれ料金も乗り場も違います。
ちなみに、私たちはオルリー空港とのシャトルですので「3番線」と
表示されているバスを利用します。
チケットの自動販売機でバスチケットを買おうとするも、何故か購入
する事が出来ませんでした。見ていると、他にもチケットを購入する
人が居ましたが、みんな数回操作したあと舌打ちしながら、乗り場の
方へ出て行きました。
自分だけだったら、かなり心細かったのですが皆、同じだったので
安心して、みんなについていきます。
きっと、バスでもチケットが買えるのだろう・・・と信じて。

オルリー空港行きのバスが来ました。
同じバスに乗る人たちの顔ぶれを見ると、先ほど自動販売機で
チケットを買えなかった人もいます。
これは、もうバスで購入可能なのだと確信。
手元にお金を準備して、乗車を待ちます。

ドライバーさんにチケットの購入について尋ねると、運転席の横に
設置してある機械から、チケットがプリントアウトされました。
片道より、往復で買うと若干安くなります。
一人あたり、往復で35.50ユーロでした。
もし、パリ市内へ行く場合も、宿がバス乗り場の近くなら鉄道を
利用してパリ市内へ行くよりも、便利かもしれません。

さあ、バスに乗り込んでいざ出発!!
今度はバスでどこへ行くのだプー?

バスは、途中高速道路の渋滞に巻き込まれましたが、ジャスト1時間
で、オルリー空港へ到着。
インターネットでは、およそ1時間と書かれていたので、通常渋滞を
見越しての見積もり時間だと思います。
シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港を乗り継ぐ場合は、この
移動時間1時間を含めて、最低3時間のインターバルは必要な気が
します。
ちなみに、バスの出発間隔は30分毎ということでした。
今回は勝手がわからなかったので、シャルル・ド・ゴール着時間と
オルリーからの出発時間のインターバルはおよそ5時間。
オルリー空港での時間はたっぷりあります。

ニース行きの便へのチェックインは、前もってインターネットで済ませ
てあるので、事前にEメールで送られてきたバゲージタグを預け荷物に
取り付け、その後エールフランスのカウンターで、ペットのボーディングパス
20ユーロを支払って手続き完了。

飛行機は、定刻通りニースへ向け離陸。
テイクオフの際の加速や、揺れにもプー全く動じず。

ニースへは18時過ぎに到着。
着陸の衝撃でも、プー全く動じず・・・動物病院でビビりまくる
プーとは思えません。

空港では、迎えの車に合流して宿へと向かいます。
と言うのも今回利用する宿がアパルトマンであり、午後6時を過ぎる
と、夜間料金が発生すると案内に書かれていたので、チェックインが
スムーズに運ぶように、しかも重い荷物を持って長い距離を歩いたり
階段の上り下りになっては大変だと思って迎えを依頼していたのでした。
最初は、アパルトマンの管理の人も一緒に来て鍵を渡されるのかと
思いましたが、送迎は手配されたドライバーのみでした。
車に乗って宿まで行くのだろうと思っていたのですが、ニースの旧市街
入り口近くで、送迎は終わりそこでアパルトマンの管理の人と合流。
直ぐ目の前のドアツードアかと思いきや・・・そこから荷物を引き
ずって歩くこと150m!?
なんだか、物凄く長い距離を歩いたような・・・

宿泊する宿は、車が通れないような狭い路地の中にありました。
しかも、グーグルで見つけた場所とは全く違う場所。
今回は、送迎を頼んでいて本当に良かった・・・きっと送迎無しだった
ら、迷っていたに違いありません。
無事にアパルトマンに到着しました。
管理人にドアの開錠の仕方などを教わって「それでは、中に入りま
しょう・・・」と、ドアを開けた瞬間・・・

古いすり減った階段が目の前に・・・
管理人曰く・・・「すみませんねぇ、エレベーターは無いのよぉ〜」
私たちが泊まる部屋は2階。
と言っても、海外では1階がゼロ階の事ですので、日本で言うところの
3階まで、ヒィヒィ言いながら荷物を担ぎ上げます。

やっと部屋のドアの前に到着。
それにしても、何という古めかしいビルディング。

それでも、中に入ると意外に小奇麗な印象のアパルトマン。
アンティークな家具が、フランスの生活感を漂わせています。

キッチンは、青を基調にしたおしゃれな感じ。
ちょっと残念な事といえば、引き出しの中があまり綺麗に掃除されて
いなかった事。
せっかく、アパルトマンに泊まっているのに食器類を使う気になりま
せんでした。

寝室も、一応シーツなどは交換されていて、綺麗だったのですが
押入れの中にしまってある、追加の毛布や布団は埃だらけ。
これらが、綺麗になっていたら100点満点のアパルトマン生活
だったのですが・・・
そして、回りを見渡すと・・・

ヨーロピアン調の家具や照明があるかと思えば、アメリカンカントリー
風の雑貨、さらにタイの絵に・・・歌麿(?)まで飾ってあります。
オーナーさんの趣味が、イマイチわからん?
時間が遅くなってきたので、荷ほどきもそこそこに、食事をしに外へ
と出ることにしました。

アパルトマンを一歩踏み出すと目の前はSALEYA市場という
ニースの旧市街で毎日開かれている市場の前にでます。
ここは、昼間は市場が開かれているのですが、夜になるとご覧の
様に数十メートル先まで、テーブルと椅子が並べられ、レストランの
テラス席になります。
どのお店も満席。
この日は、事前に調べておいたムール貝のお店へと向かいます。

まずはビールをオーダーして、一気に飲み干すと・・・

お待ちかねのムール貝。
最初、沢山のムール貝に感動していたのですが、貝殻が大きい割に
なんとも身が小さい事。
大豆程の大きさしかありません・・・・(涙)
もしかすると、ここは事前に調べていたレストランではないのかも。
と思うも後の祭り。
それにしても、前菜を食べ終えても、メイン料理が運ばれて
くる気配がありません。
隣のテーブルには、私達よりも先に来ていた若い男女のカップルが
座っていましたが、何だか男性がイライラしているようです。
あまりにもイラついているので話しかけてみたところ、スイスから
旅行に来たとの事で、離れた席には彼の両親が座っていました。
そして、その両親のテーブルには料理はとっくに運ばれ、すでに
食べ終わっているのに、自分達の料理は運ばれてこないとの事。
なるほど、私達とそのスイス人カップル以外のテーブルにはドンドン
料理が運ばれてきています。
確かにこれではイラつきます。
この後、彼は店員さんを呼んで、料理の催促をしていました。
それから約1時間後、やっと隣のスイス人カップルに料理が運ばれて
きたので、これで彼の怒りも治まるだろう・・・と横目でチラ見を
していたら、彼はステーキにナイフを入れたと思ったら、次の瞬間
ガシャリとナイフとフォークを皿の上に投げつけ、両手を広げ・・・
「OH NO!」のポーズ。
そこでまたしても彼に話しかけたら
「2時間近く待った挙げ句、やっと料理が運ばれてきたと思ったら、
今度は肉が焼けてない!」・・・と怒り心頭。
内心私は「いい感じのレアじゃね?」と思いましたが、そこは口に
出さずに気の毒そうにしていたところ、彼は速攻店員さんを呼び付け
クレームの嵐。
店員さんはひたすら謝っていましたが、彼の腹の虫は治まらず、
とうとう「代金は払わない!」とまで言いだしました。
するとそれまでひたすら謝っていた店員さんの態度が一変。
「警察に通報する!」となったから、さぁ〜大変。
しばらく二人で言い争いになっていましたが、そこへ彼の両親が
割って入り、お金を支払う事で決着がついたようです。
彼としては納得がいかなかったようですが、両親に説得され渋々店を
後にしていました。
その一部始終を見ていた私達。
そんな私達のオーダーした料理も中々運ばれてこず、普段なら
怒りの沸点に達っしているところですが、スイス人の彼とお店の人
との攻防戦を見ているうちに、時間が経っていることをすっかり
忘れていました。
この後、店員さんが私達に、あと1ミニッツ待って!!と言いながら
奥へ入って行きましたが、それから私たちのテーブルに料理が出てきたのは
15ミニッツ後でした。

やっと・・というか、時間の経つのも忘れて攻防戦を見た後にでて
きた、メインの「漁師のサカナ」という名の煮込み。
一口食べると、もしかして火にかけたまま忘れていたのではと
思える程煮詰まりすぎて塩辛い!!

こちらは、白身魚のアリオリソース添え。
先の魚の煮込み料理を火にかけて忘れていて「ヤッベぇ!」と
慌てて作ったのか、塩の振りすぎでこれも塩辛い!!
どうも店に入った時から感じていたのですが、店員さんが近くを
通るたび酒臭かったし、対応が遅いことなどから想像するに
「飲まねぇとやってらんねぇゼ!」
的なノリで、皆酔っぱらっていたのではないのでしょうか。
それでも、笑顔で「お会計!!」を告げると・・・

待たせてしまい、申し訳無く思ったのでしょう。
お店の人が、この店のオリジナルのカルバドスをサービスして下さい
ました。
カルバドスは、リンゴを仕込んで作ったブランデー。
それはかたじけない・・・と、遠慮無くサービスを頂く事にしました。
が、このリキュール、何も考えずに一口飲んだところ、カァーッを通り
越し、鼻から胃までグァーッとくる、メチャクチャ強いアルコール。
一般的には、40度位でしょうが、これはそれをはるかに上回るアルコール
度数です。
一気に酔いが回った私たち。
千鳥足でお店を出て、後ろを振り向くと・・・

あんなに混んでいたお店も、待たされ過ぎた私達が帰る頃には誰も
いなくなっていました。
帰りに分かったのですが、ムール貝やオイスター等のシーフードが
美味しそうなレストランは、市場の東端の方に数店舗ありました。
う〜ん、そこまで見なかったもんなと、ちょっと残念な気持ちを
引きずりながら、宿へと戻りました。
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