
1月18日の日曜日は、タンジェは終日「雨」でした。
こんな日は・・・そうだ!! このところお気に入りの製麺機
「Simeo Machine a Pasta PC750」でラーメンを
作ってみよう!!
と、いう事で「麺」関係の記事が続いておりますが、またまた「麺」
の話題・・・今回は、モロッコで手に入る食材を通じて「中華麺」と
「スープ」にチャレンジするという企画です。

中華麺を作る前に、ラーメンのスープ作りから始めます。
日本のサイトのレシピを見ると、簡単に作れる方法として「麺つゆ」
に「丸鶏がらスープ」や「ウェイパー」等を加える事によって
簡単にラーメンのスープを作ることが出来ると紹介されていました。
そこで、スープに使えそうな固形スープを幾つか集めて組み合わせて
美味しいラーメンスープを作ることは出来ないか・・・と、スーパー
マーケットで集めた固形スープの数々。
「麺つゆ」には鰹だしが使われていますから、「魚の固形スープ」
「がらスープ」の代わりに「チキン固形スープ」を組み合わせると、
日本のレシピに近いラーメンスープが出来るのではないでしょうか。
と、色々組み合わせてみるも、何か分からないのですが「おかしな味」
が混じっていて、今一つしっくりとしない。
スパゲッティ用の固形スープや、クスクス用のスープも混ぜてみたが
ラーメンスープの味には程遠く、却下。
何度も組み合わせや濃度を変えながらチャレンジした結果・・・

タンジェの輸入食材店で購入した、スペインのカルフールマーケット
の「魚味固形スープ」のみを使用するのが、一番雑味の無いスープ
になりそうだという事で、今回は組み合わせ無しの「魚スープ」一本
で行くことに決定。

そして、スープに合わせる醤油。
私たちは、マルジャンなどの大手スーパーマーケットでも販売されて
いる、Sushi&Sashimi醤油を普段から使用しています。
味にコクと深みがあり、なかなかのお気に入りです。
ただ、ラーメンのスープに使うとなるとこの強めの味が、邪魔する
かもしれないと、今回は普通のキッコーマン醤油と比べながらの
醤油選びです。
結果は、チキンスープとのブレンドスープを試していたときは
酸味に近い味が出てしまうSushi&Sashimi醤油より
普通のキッコーマン醤油が、やんわりと全体をまとめるかな・・
と、思っていたのですが、「カルフール魚味固形スープ」一本に
絞ってみたら、Sushi&Sashimi醤油の方が美味しく
なることが分かり、この醤油に決定。

こちらが、今回のラーメンスープ。
配合も色々試した結果・・・
1.お湯:1リットル
2.カルフール魚固形スープ:1粒
3.キッコーマンSushi&Sashimi醤油:50cc
の組み合わせにしました。
なお、今回使用したカルフールの魚固形スープですが、ラバトの
カルフールマーケットでも売られているのでしょうか?
いつか、リサーチしてみなくては・・・。

さて、スープが決まったところで、ラーメンの要の「中華麺」です。
中華麺には、炭酸ナトリウムが主成分の「かんすい」と呼ばれる
ものが麺に練りこまれていて、この「かんすい」がグルテンに作用
して強いコシを作り出します。
が、「かんすい」は中々手に入らないので、ここでは「重曹」を
使用します。
「重曹」はフランス語で「Bicarbonate de Soude」と
呼ばれ、ここモロッコの薬局でも簡単に手にはいります。
250g入りの重曹が、7.5ディルハム(約80円)でした。
「重曹」の主成分は「炭酸水素ナトリウム」です。これに熱を加える
と、化学変化を起こして、「水」「二酸化炭素」「炭酸ナトリウム」に
分解するとの事で、二酸化炭素は空気中に逃げてしまいますので、水
とかんすいの主成分である「炭酸ナトリウム」を作ることが可能に
なると言う訳です。

それでは、イザ!! 中華麺作り!!
今回は、400gのパン用小麦粉を使用して「玉子麺」を作ります。
まずは、120ccの玉子水。
計量カップに玉子1個を入れ、カラザを丁寧に取り除きます。
この時点で、およそ60〜70ccになる筈ですので、残りを
塩3.2gを溶かした冷水を加えて120ccになるようにします。
塩3.2gと冷水量との関係がとても悩ましいので、30cc程の
お湯に塩3.2gを溶かして玉子に加えてから、残りの分量は水を
加えて調整するという方法だと、簡単です。
作ったら冷蔵庫で、冷やしておきます。

続いて、重曹水です。
計量カップに3.2gの重曹を入れておき、そこに沸騰したての
熱湯いれて、30ccになるようにします。
これが冷めてから、先に作って冷やしておいた玉子水に混ぜるの
ですが、熱いうちに混ぜてしまうとスクランブルエッグが出来て
しまうので、必ず重曹水が冷めてからにしましょうね。
私は、麺を練る際に少量ずつ水分を加えるために、ペットボトルに
移し替えました。

では、いよいよ「中華麺」づくり開始です。
最近、我が家で大活躍中の製麺機「Simeo Machine a
Pasta PC750」の容器に400gの小麦粉を投入して
撹拌しながら、玉子重曹水を3〜4分かけて少しずつ加えて行きます。

捏ねは概ね10分程度。
途中、粉の塊がコーナーに寄ったままになったりするので、時折
機械を停止させて、中央に動かしたりしながらまんべんなく捏ね
あがるようにします。

さて、出来上がった中華麺の抽出です。
今回の麺は、1.6mm厚のリングイネの型を使用します。
さあ、あとは機械のモーター反転スイッチを切り替えて抽出ボタンを
押して麺が出てくるのを待つだけ。
が・・・5分待ってもご覧の写真の状態。
麺は便秘状態となり、抽出穴からは一向に出てくる気配がありません。
恐ろしく引き締まった麺になっているようです。
モーターの音も一段と高いうなりをあげながら頑張っているのですが
全く、出てくる気配がありません。
そのうち、機械の中から「メキッ・・」「バキッ・・」という嫌な
音が聞こえてきました。
「エ?・・麺じゃなくて機械の麺アタッチメントが飛び出す・・!?」
二人で、こわごわ機械を見守ります。

「もう、やめた方がいいよ・・・壊れるよ。」
と妻が言い始めたころ、穴から3本の麺が出てきましたが、他の穴は
相変わらず便秘状態。
こんな本数じゃ、いつラーメンが食べられるのか想像もつかないし
「ベキッ・・」「バキッ・・」という音は、相変わらず機械の中から
聞こえてきます。
おまけに、機械からは煙が立ち込めてきました。
「やばいよ!!」と妻。
「何が起きるか分からないので、絶対に麺の出口側には立たないで!」
と悲痛な声で叫ぶ私。
そういう私は腰が引けてしまい、完全にへっぴり腰のエビのようになった
まま、お皿を麺の出口で受け続けます。
マシンはすでに限界を超えているはず。
「頑張れ!!Simeo Machine a Pasta PC750!!」
「頑張れ〜〜っ!!」
「頑張れ〜〜!!」

と、願いが通じたのか穴から出てくる麺の本数が増え始めました。
穴全体の1/3程から麺がでてきます。
「このまま・・・行けぇ〜〜〜っ!!」
「頑張れ〜〜!!」
二人で、声援を送り続けます。
機械は、相変わらず苦しそうなうめき声をあげながらも、何とか
頑張っています。

と、抽出を始めてからおよそ10分。
麺がいい感じに出てきました。
Simeo Machine a Pasta PC750の勝利です。
およそ、ほとんどの穴から麺が出てきました。

そして、なんとか機械が停止することも破損することも無く、麺の
抽出が終了。
それにしても、この機械の場合は説明書どおり生地に油を少々加えた
方が抽出が楽になるのかも知れませんね。
400gの粉から麺を作っても最終的には、機械の中に出し切れな
かった粉が残るので、出来上がった麺はおよそ320〜330gと
いったところでしょうか。
機械は、最大で500gの粉まで作ることが出来るのですが、大家族
の場合は、ちょっと量が少ないかな。

取り敢えず少な目な量でおよそ3人前の麺が出来ました。
一番手前に写っている麺の塊は、抽出してすぐに縮れ麺にしようと
思って強く握ったら千切れてしまいました。
麺は、乾燥しないように1食ずつラップにくるんで冷蔵庫で半日ほど
寝かせたほうがしなやかさが増すのかも知れません。
次回中華麺を作るときには、寝かせる事も試してみようと思います。
(機械が壊れなかったら・・・の話ですが・・・)

さて、出来上がった中華麺を茹でてみます。
ゆで時間は、2分30秒。
湯から取り出して、一口つまんでみると・・・・
「おぉ〜〜っ!! これぞまさしく中華麺!!」
麺の香りがとても素晴らしく、シコシコしています。
モロッコで初めて食べる美味しいラーメン。
以前、スパゲッティで茹でる際に重曹を加えると、中華麺に変身する
という記事を紹介したことがありますが、今回はそのとき以上の
美味しさでした。

茹で上がった中華麺を丼にいれ、スープを注ぎます。
トッピングのカニ風味かまぼこもネギもシナチクもモロッコで調達。
シナチクは、妻の提案でタケノコの缶詰めを醤油で煮しめてもらった
のですが、これがまさしくシナチクの味。
海苔も近所の輸入食材店で売られています。
チャーシューの豚肉だけは、今回はスペインで調達してきたものを
使用しましたが、タンジェの輸入食材店で売られているベーコンを
代用したりするのもいいかも知れませんね。
さて、イザ!! 実食!!
麺は、モチモチシコシコで中華麺のあの独特の香りがあって美味しい
という事は、先ほど記述した通りですが、もっと驚いたのはスープ。
魚味の固形スープのみの方が、昔ながらの「支那そば」の味みたいで
凄く懐かしい美味しさだったのです。
小さい時にお祖父さんに連れられて「中華そば食べよっか!」と
入った食堂の「支那そば」の味。
あまりの美味しさに、一気にすすってしまいました。
機械には、かなり負担をかけてしまいましたが、重曹を使っての
ラーメン作り・・・大成功でした。
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