タンジェ港からのフェリーが欠航になり、急遽、新タンジェ港からセビリア
へ向かった事で、予定よりも約2時間遅い到着となってしまいました。
と、言うことで宿での一段落もそこそこに、スペインの3大祭りの一つ、
「セビリアの春祭り」会場へと出かけることにしました。
セビリアの春祭りとは、スペインではFeria de Abril(フェリア・
デ・アブリル)と呼ばれ、直訳すると「4月の市」という意味なのだそう
です。
今から150年ほど前、4月に牛を売るテント屋台が立ち並んでいる
会場では、いつしか春の訪れとともに知り合いや友人・親戚を招待して
酒を振舞い、朝まで踊りながら、春を歓迎する祭りへと発展していったの
だそうです。
この祭りは、イースター休暇の後、一定の期間をとって開催日を決める為、
毎年同じ日に行われるわけではありません。
2013年の春祭りは、4月16日〜4月21日までということであり、
私達が来たのは、最終日の1日前の4月20日でした。
ところでスペインの3大祭りと書きましたが、あと2つの祭りとは・・・
1つは、北部のパンプローナという街で7月に開催される牛追い祭り。
日本でもテレビなどでご覧になった方は多いと思いますが、牛をストリート
に放って、その先頭に立って人々が走るというとても危険な祭りです。
もう一つは、バレンシアの火祭り。時間をかけて作り上げた山車を街の
中に一定期間展示したあと、炎に包まれるというお祭りです。
さぁ、セビリアの春祭り・・・・会場へ向かうのがとても楽しみです。

会場へと向かう途中、沢山の鈴をぶら下げた馬車がシャンシャンと
音を奏でながら通り過ぎていきました。

通りでは、フラメンコ衣装を着た女性達が、会場へと向かって
いました。
よく見ると、殆どの女性達がフラメンコ衣装を着ています。
妻曰く、フラメンコ衣装を着ていないほうが恥ずかしいかも。
ほんとうに、辺りを見ると祭りを見に来た外国人以外、全員が
フラメンコ衣装を着ています。

皆、色とりどりで素敵な衣装。
もちろん、若い女性だけではありません。
お年寄りの方も、ちっちゃな女の子も皆、フラメンコ衣装姿です。
日本の盆踊りの「浴衣」みたいな感覚なのかもしれませんね。

祭り会場の入り口に飾られた大きなゲートが見えてきました。
ゲートに向かっている通りは、車両は通行止め。
歩行者天国です。
その通りは、会場に向かう人であふれていました。

ゲート前に到着。
時間は、午後9時になろうとしていますが、まだまだこの明るさ。

ゲートをくぐると、沢山のテントが並んでいます。
このテントは「カセタ」と呼ばれています。
もともと、知り合いや友人・親戚を招いていた行事なので、現在も
一般の人がどのカセタにも入れるというわけではありません。
招待状を持っていないと入れないカセタが殆どです。

暗くなってくると、沢山の電飾に飾られます。
先ほどのゲートも、電飾で浮かび上がって見えます。

「カセタ」の前を通ると、あちこちでフラメンコダンスが始まります。
フラメンコ衣装を着た女性たちもカセタの中、外・・お構いなしに踊って
います。
皆同じ動きをしているので、もしかしたら、日本人が学校で習う
フォークダンスみたいなもので、授業で習っているのかも・・・?

そろそろお腹がすいてきましたが、観光客が「カセタ」に入るのは
到底無理な事。
が、無理を承知、当たって砕けろ。
食事している人で賑わっているところを探し、入口に立っている係りの人に
「中に入りたいのですが」と聞いてみたところ「ちょっとお待ちください」
と言い残し、奥へ行ってしまいました。
やはりこれは中に入るのは無理なんだなー・・・と思っていたところ
戻ってきた係りの人が「どうぞ〜」と、あっさり中に入る事を許してくれました。
これは非常にラッキー!
中では、生バンドの曲に合わせて、フラメンコを踊っている沢山の人・そして
テーブルでは、お酒を飲み、陽気に盛り上がっている人。
とにかく、皆とても楽しそう。
それでは、カセタの中の雰囲気を動画でご覧ください。
きっと、イメージが伝わると思います。
※音が大きいので再生時の音量には、お気を付けください。
踊っている人も飲んでいる人も皆楽しそうですね。
さて、せっかく入ることができたカセタですし、お腹も空いてきた事なので
何か食べることにしましょう。

まずは、スペイン風オムレツ。
トルティージャ(Tortilla)と呼ばれる、スペイン風のオムレツ
です。たっぷりのジャガイモを卵でとじたような感じです。
トルティージャは、メキシコ料理のトルティーヤと言葉が良く似ていますが
それもそのはず・・・スペルは全く一緒ですから。
日本の方には、メキシコ料理のトルティーヤの方がなじみ深いでしょうね。

そして、コロッケ。
どちらも、スペインの伝統的料理です。
もっと、沢山メニューがありましたが、こんなに沢山のカセタがあるのなら
「バル巡り」よろしく、カセタ巡りもいいではないか・・・という事で
ここでの食事はこれくらいにして・・・

飲み物は・・・
回りを見渡すと、何か白ワインの炭酸割りみたいな飲み物を飲んでいる
人があちこちにいます。
何だろうと、カウンターに行って出来上がったものを指さして「何?」
と聞いたら、「ワインを7UPで割ったものさ!」と教えてくれました。
美味しそうなので、私もオーダー。
で、一口飲んでびっくり! ワインと言っていたものは何と、シェリー酒
の事でした。
使っているシェリー酒は「MANZANILA」と呼ばれる大西洋に面した
町「サンルカール・デ・バラメーダ」でしか作られていない、若干、塩分を
感じる辛口のシェリー酒です。
驚いたことに、この祭り会場で見かけたシェリー酒は全てこの
「MANZANILLA」でした。
(会場を歩いていると、MANZANILLAの空きビンがあちこちに
ゴロゴロ投げ捨てられています・・・)
セビリアでは、好んで飲まれているようです。
そして、7UPで割っていることが飲み口をやさしくしているため、結構
グイグイいけちゃいます。

気持ちよく酔っ払いながら、次のカセタを探そうと歩いていたら
遊園地を発見。

大きな高速回転の観覧車。
通常はのんびりと回りながら街の景色を楽しむところですが、低速で
回転するのは、乗客をゴンドラに乗せる時のみ。全員が乗り込むと
高速でビュンビュン回転します。
回転中は、ゴンドラが遠心力で外に広がって揺れるさまを見て、乗るのを
躊躇してしまいました。
その後、暫くアトラクションを見て回っているうちに、時間は既に
午後11:30になろうとしていました。
モロッコならまだ、9:30なのにね〜などと話しながら、酔いも
醒めてきたし小腹も空いてきたので、どこかのカセタに入ってもう少し
飲もうかと、2〜3軒カセタを訪ねたのですが断られてしまいました。
やはり、先ほどのカセタに入れたのは、非常にラッキーだったようです。
仕方が無いので、会場を出てどこかの開いているバルを探して飲むと
するか・・・と、会場を後にしました。

と、会場ゲートの直ぐ前では、CERVECERIAと書かれた横断幕
が、CHOCOLATERIAと書かれた看板の上に張出され、外の
テーブルでは沢山の人が座って、ビールを飲んでいました。
そして、どうやら一緒に食べているのはチュロス。
見ていると、今までに見たことも無いような太いチュロスでした。
こりゃ食べない訳には行きませんなぁ・・・と私達もテーブルを確保し
ビールとつまみとチュロスをオーダー。

つまみは、生ハム。
ビールが美味しいのよね〜〜〜。
こちらの人たちは、ご覧のクラッカーのような固い小さなパンに
生ハムを巻きつけて食べていました。

そして、これがチュロス。
なんとも、揚げ麩のようなぶっといチュロスです。
これを、濃い目のホットチョコレートに漬けながら食べるのです。
が・・・オーダーするときに、チョコレートのオーダーを忘れて
しまったようです。黙っていてもチュロスをオーダーするとチョコレート
が付いて来るものだと思っていたのが大きな間違い。
ホットチョコレートは、付いてきませんでした。
仕方が無いので、チュロスをそのままパクリ。
軽い塩味が効いていて、意外にもビールのおつまみにもってこいでは
ありませんか・・・・と、自分を慰めつつ、噛むと油が染み出してくる
「揚げ麩」・・いや、「チュロス」をいただきました。

招待された人たちが入れるカセタでは、きっと夜通し飲んで騒いで
いることでしょう。
宿に戻る途中に振り返ってゲートを見ると、電飾がとても鮮やかに
夜の闇に浮かび上がり、祭りの会場からは何時までも賑わいが響いて
いました。
←クリックしていただきありがとうございますm(_ _)mにほんブログ村
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
仕事で遠い国に移り住み、離れて暮らす家族や知人を少しでも安心させようと
始めたブログです。
どうしても仕事中心となり、頂いたコメントにタイムリーにお返事できないと
かえって失礼にあたると考え、大変申し訳ありませんが、ブログのコメント欄は
閉じさせて頂いております。が、左側に表示されている「掲示板」からコメント
していただければ、遅くなっても必ずお返事いたします。
尚、このブログはリンクフリーです。

2