母親は買い物を続けている。一通り店内を見て回った俺は、一足先に車に戻った。そして、買っておいたBLACK CATをひたすら読んでいた。やはり面白いものは時間を忘れさせるようで、気が付くと俺は汗まみれになり、車の熱気にやられていた。
しばらくして、左隣りに大きめの車が駐車しにかかった。だが次の瞬間、俺が身体が傾くのを感じた。ふと漫画から目を離し振り返ると、その車が俺の乗っている車を持ち上げていた。そのうえ、乗っている人は首をかしげ、一度車を下げて駐車し直すと、聞き慣れない外国語を二言三言発した後、車を降りてきた。両耳にはピアスをし、サングラスをかけている。
悪いのは完全に相手だ。それなのに、気付くと俺の額には冷や汗が滴っていた。だが、そいつは俺の方を見もせず、店に入っていってしまった。相手を逃がした。それなのに、妙な安堵だけが残った。
しばらくして親が帰ってきたとき、俺はその事実を話した。すると、親はそいつの帰りを待って、しっかり謝らせた。
それを見ているうちに、俺の心にはさっきまでは考えられなかった優越感が芽生えていた。相手は日本語を喋ることもできる韓国の人だったらしい。
二人が話している間に店内に戻ると、ミスチルの口笛が流れていた。
やっぱり俺は汚くて狡い人間だということを、身を持って知らされた。
みたいな一日でした。
収入:HUNTER×HUNTERの3巻、BLACK CATの2〜5巻

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