水族館1階の入ってすぐの場所は、特別展示です。
このときは、「Fantasy, Fears and Fish」というテーマで、恐そうに見えたり、恐れられているけど実際は無害な海棲動物や、逆に、無害に見えながら実際は恐い動物を展示していました。
ちょっとわかりにくいですが、真ん中に天井からどんとぶら下がっているのは、ジンベイザメの実物大レプリカ。(その下は多分ホオジロザメとエイ)
海にすむ生物で”恐い”と言えばまず思いうかぶのがサメですが、この巨大なジンベイザメは、プランクトンを濾して食べる、全く人間には無害な鮫です。
日本ではジンベイザメを飼っている水族館もいくつかあるので、よくご存知の方も多いでしょうが、アメリカでジンベイザメ
(英名:whale shark)を展示しているところはありませんから、「へえ!」ものです。
解説ボランティアは、「どうして”恐い”と思いますか?」と、話をはじめます。
見かけがおどろおどろしいから?
恐怖映画に出ていたから?
「じゃあ、実際にはどうでしょう」
実際にサメの仲間で人間でも襲う可能性があるのは数種類のみ。
もともと人間は海の生き物ではない、ということは、サメが人間を食べる習慣はありません。
ダイバーのウェストにつけたおもりやベルトがきらっと光るのが、魚群がきらっと光るのと間違えたり、アザラシやアシカと間違えて襲ったりというのが本当のところではないかという説があります。
「知らないことが”恐い”に繋がっていることもあります」
サメの歯をみてもらう”タッチテーブル”と呼ばれるコーナーがあります。
サメの歯は何層にもなっていて、使い古すと次が出てくる仕組み、歯医者さん要らずです。
タコ
(別名デビルフィッシュ)は恐い?
ひらひらがきれいなミノカサゴは?
ボストン湾にも沢山いる水クラゲは?
では、のんびり漂っているようなこのクラゲは?
いろんな動物の展示を進んでいくと、最後の展示で、「本当に一番恐いのは誰?」という疑問が提示されます。
宇宙よりもわかっていることが少ないと言われる海に、地上のゴミや化学物質をまきちらし、どんな生物も、サメでさえも絶滅に追い込もうとしている生物・・・
ご想像通り、一番恐いのは”人間”です。
しかしもちろん、私たちが心すれば、将来は変わってくるはず、というのがおちです。