いくら親しくなっても、聞けないことも当然あります。
1つに年齢。
多くの日本人の場合と同じく、私も水族館では、実年齢より若く見られていたようですが(多分、見かけだけでなく頭の中身も関係?)、実際に年齢を訊かれたのは、数えるほど。
それも、すごく訊きにくいことをきいているように、遠慮がちに訊かれました。
(こちらはそんなに気にしてないんですけどね。)
同じく水族館職員が給料をいくらもらっているのかは、興味はありましたが、あまり唐突に訊けるようなことでもありません。
エドジャートン研究室でトップをしていたパットに、一度だけ、何かの機会に訊いたことがあります。
いくらかは忘れましたが、「あらあ、そんなに低いんだ」と思ったことは覚えています。
たしか、好きでないとやれないよね、っていうかんじのお給料だったと思います。
でも、それよりももっと厳しいのが、研究費を自分で稼がないと行けないこと。
アメリカの大学ではどこもそうですが、水族館の研究室も同様で、水族館はただ場所を貸しているだけです。
研究費は、市や州、国などの政府、企業、環境保護団体、さまざまなところからの奨学金が財源になるわけですが、奨学金をもらうには、ある一定の研究成果をコンスタントにあげ、たくさんの報告書を提出せねばなりません。
また自分たちはちゃんとやっていても、景気が悪くて減額されたり、もらえなくなることもありえます。
お金が集まらないと、水族館での研究はできなくなりますので、その研究は取りやめ、関わっていた職員は路頭に迷う事になります。
私がいた頃も、1つの研究室
(エドジャートン研究室は、水族館にある複数の研究室の総称)がなくなったことがあります。
そのときは、研究室長が他の大学に研究室を移したからだったようですが、やはり、職員の中には辞めて行かざるをえない人もいました。
今現在は、
先にご紹介したセミ鯨研究室が、奨学金のカットで危機に立っています。
同じくセミ鯨の調査に関わっているCCS(沿岸調査センター)に勤める友人の話では、かなり危なそうとのこと・・せっかく四半世紀続いた研究ですから、なんとか続くことを願っているのですけど。