トロピカルギャラリーの伊勢エビ(スパイニー・ロブスター)です。
月夜の晩に、全員が前の伊勢エビの体に触覚を触れながら1列になって行進していくという生態は、あちこちで紹介されてます。
英名”ロブスター”と呼ばれるものの、私が研究室やコールドマリンで世話してたアメリカンロブスターと違って、こちらは熱帯に棲んでいます。
熱帯の動物は、寒帯に比べると、色鮮やか。
体のつくりが小さくて動きもあって、見ていてきれいです。
私がいるころ、トロピカルギャラリーでは大改築が行われ、それまでの区切りをとっぱらって、大きな水槽になりました。
そこに、大小、いや、小ばかり、色とりどりのハギやラス、チョウチョウウオがいます。
写真はないですが、イカもとてもきれいです。
水槽の中の仲間とぶつかりそうになると、さあっと体色が変わったり、元に戻ったり、あるいは環境で体色を変えたり、その変わり方のグラデーションがいつまでも見ていて飽きません。
あんなきれいな色の変化って、きっと人工的にはできないですよね。
新しくなって飼育が始まったのが、生きている珊瑚の展示です。
それまでは、ジャイアントオーシャンタンクや、上の写真にあるような、本物の珊瑚から型を取って作った偽物をつかっていました。(今もありますけど)
生きた珊瑚は、強烈なライトの元でだけ展示可能です。
水槽から上を見ると、そこにはまぶしいくらいのライトが照っています。
珊瑚は、強烈な日差しを必要とするので、もし珊瑚のある海が何らかの理由(例えば大雨で土砂が大量流出とか)で濁ると、差し込んでくる太陽光が少なくなり、珊瑚は死んでしまいます。
ある日、エドジャートン研究室の研究員・ラスの紹介で、珊瑚の絵本を書いてる方にお会いしたことがあります。
サンゴの保護にも貢献している方で、日本からのダイバーが増えたことで、日本人向けの看板を出したいので、ということでお手伝いしました。
(と言っても10分ほど話しただけですが・・)
内容は、「珊瑚の上に乗らないで」というようなものでした。
(実際、どんな文章にしたのか、忘れてしまいましたが)
珊瑚はデリケートな生き物、壊れると再生には時間がかかります、ダイバーの方には、珊瑚の上に手を置かずに海中を漂っていてくださいという内容でした。
ダイビングを習ったことはないので分かりませんが、日本のダイバーズスクールでは、そういうモラルみたいなものも、ちゃんと伝えているのでしょうか?
せっかく大枚はたいてカリブ海までダイビングに来られて、珊瑚を傷つけてお説教、なんてことにはなりたくないですもんね。