エドジャートン研究室では、ロブスターの飼育の他に、アフリカビクトリア湖産のシクリッド類の飼育もさせてもらいました。
ビクトリア湖では温暖化の影響で水量がだんだん減って、シクリッド類の生息域も段々と狭まっているそうです。
当時、シクリッド類を日本語でなんと呼ぶのか知らなかったのですが、英語で初めてその名前を聞いた時、シクリッドではなく「セイクリッド」と聞こえました。
「セイクリッド」といえば、私の乏しい語学力で思い出す英単語は、”sacred=神聖な”。
なるほど、生息域のなくなりつつある魚なので、そんな名前が付いたのか。
何の疑いもなく、そう信じました。
それからはもちろん、貴重な魚たちだと信じ、何かあっては行けないと、しっかり気を入れて世話をしましたとも!
水槽のガラスはいつも1点の曇りなくぴっかぴかに(撮影のためだったんですけどね)。
何か異変があると即座に知らせて意向をきく。
水温もきっちり管理。
で、もう帰国も間近になったある日、研究室のパットと話をしていて、ふと「セイクリッド」の話がでました。
ええっ?絶滅危惧種じゃないの?
だって「セイクリッド」じゃん!
パットはほほえみながら首を横に振りました。
何のことはない、シクリッド=Cichlidの英語読みだっただけなのでした。
(正しくは、”サイクリッド”でしょうかね?)
お陰で、シクリッド研究のトップだったレスからは、帰国時に「funeがいなくなったら困る!一番のボランティアだった」とハグして惜しまれました。
その言葉は、シクリッドを懸命に世話したご褒美として記憶に残っています。
あとは、親魚の口の中で孵化した赤ちゃんが見えた時の感動と、冷や汗かな・・・。