一寸ふるいですが、ナショナルジオグラフィック誌2008年12月号に載っていたセミ鯨の記事
「セミクジラ 絶滅と復活 北と南で分かれる運命」が、ネットでも読めるようになってました。
今分かっていることが、将来に渡って正しいと限らないのは、どの分野でも見られることですが、この記事に書かれているセミ鯨の歴史については(里親のみなさまはもうご存じのように)、つい最近の調査・研究で、”絶滅に瀕したのは16世紀のバスク捕鯨のせい”という通説が間違いであったことが分かっています。
今は、バスク捕鯨の時点では、すでにセミ鯨の遺伝的変異が極度に小さかったのではないかと考えられているようです。
(もっともその後の北大西洋での捕鯨で数が減少したのは否定されていません。)
ニューイングランド水族館で行っている調査については、記事にあるような感じで、観察・記録で個体識別による調査に加えて、犬に鯨の糞を発見させ、それから妊娠や健康状態を知ったり、DNA分析を行ったり、これ以上の鯨の減少を防ぐために今もっとも懸念されている船舶との交通事故を防ぐ努力や、鯨にからまった漁網の取り除き作業と、多岐にわたっています。
多方面に活動が広がるに連れ、水族館だけでなく、今は、調査団体をはじめ、保護団体、業界、海軍など、いろんな団体が関わってきています。
そうそう、記事中の鯨・カルビンは、里子鯨のうちの1頭なんですが、昨冬、2頭めの子供が乳離れしたことが、最近のニュースレターで報告されました。