すでに
ここでご紹介しましたが、ニューイングランド水族館が毎年開いているローウェルレクチャーがあります。
その年その年で、テーマを決めて、いろんな研究者の話を生で聞ける(しかも無料!)、とてもお得なレクチャーです。
ボランティアも席が余れば参加出来ます。
(とはいえ、私の場合、聞きたかったレクチャーは、すべて入れましたが)
で、近頃、そのレクチャーがユーチューブで見られるということを発見しました。
こちらです。
どれどれ・・・誰か知ってる人は・・・と探してみると、
セミ鯨研究室のフィリップの話と、里親の皆さんはニュースレターでご存知の、高校生がセミ鯨のカルビンについて取り上げた、
カルビンプロジェクトがありました。
フィルの話のタイトルは、「セミクジラのことを知ろう」(2011年6月)。
まずは、「人間より鯨の知り合いのほうが多い」と笑いをとってます。
1時間以上のレクチャーですが、時に特定の鯨の例を上げながらセミクジラについてわかっていることを、わかりやすく話しています。
構成は、以下のよう。
●セミ鯨の簡単な歴史説明:カロシティなど体の特徴、生息数450頭、捕鯨の歴史(ひげと油)
●現在のセミ鯨の状況:生息域(アメリカ東海岸、子育て海域と採餌海域)、船舶との事故問題、漁網の問題など
●どうやってセミ鯨を個体識別するか:カロシティ(硬い皮膚にクジラジラミが寄生している)による識別の説明、漁網や船舶による傷も利用、昔は暑い思いをしてスライドで今はデジタルで、水族館以外にもいろんな組織が関わっていてセミ鯨の個体登録のカタログはネットでも閲覧可、捕鯨時代の新聞記事より最長期間個体識別できたセミ鯨1045番と船舶事故
●10頭のセミ鯨の歴史:1047番(生存する、2番めに最年長の鯨)、2301番、1240番(どのくらいの年数出産可能か?母親と同時におばあちゃんになった)、1909番(船舶事故の際妊娠していた、メスを失うことの痛手)、グラフ(年度別出産数)、デライラ(船舶事故の後日内部出血で死亡するのを偶然目撃、8〜9ヶ月の子供は生き残れた=2223番・カルビン・里子鯨の1頭)、2010番の3000マイルの旅、2360番のメキシコ湾への旅(子供の時に来た記憶?冒険?他の理由?異例の北の出産)、1133番のノルウェーの旅(質問により標識をとりつける方法を説明)、3270番・ピコのアゾレス海の旅(別の子育て海域か?証拠はないが)、1334番(レギュラーとして見る鯨が多いが、8頭子供生むが姿は殆ど見せない、今は遺伝子によって父親もわかるが、姿を見たことない父親もいる)
●まだまだ知らないことがある:2年目の子育てをする鯨の数の変化をどう説明するか?(母親が体格いい場合?年令に関係はなさそう)、南東部は出産だけでなく80%の1〜3歳の子供も餌もないのにやってくる、社会的行動が目的かも、年中どの生息域でも見られるSAG〜ビデオあり〜も絆を深めるためか?オスの順位をきめるためか?、ジョーダン海盆は繁殖海域かまだ確信はとれない、単独オスのだすガンショット〜ビデオ有り〜と言われる音の目的は?共同採餌の目的は?
セミクジラのことをはじめて知る方のためのレクチャーなので、ニュースレターを読まれている方々には、もう御存知のことばかりだと思います。
でも、SAG(Surface Active Group)やガンショットのビデオなんかもありますし、生で話を聞くのは、また違って面白いかも。