11月 21日(火) 曇り
数日前、約10年ぶりの友との再会だといって、彼女は嬉しそうに予約を入れてくれた。 関東で働いていた時の友達だと言う。 暫くぶりの友と会うのはとても楽しみな事。 何かうちとしても喜んで頂こうかといろいろメニューを考えていた。 室戸といえばやはり魚だろう。 魚を使ってしかもシットロト的なものは・・・ そこでひらめいたのが、地の魚のターメリック煮だ! 魚をぶつ切りにして、塩、胡椒、ターメリックで下味を付け、粉をまぶして揚げる。 玉葱をスライスしてこげ茶色になるまで炒め、いろいろなカレーに汎用しているカレーベース(玉葱、トマトをじっくり炒めて作るが、いろいろなカレーに発展できるようにスパイス類は控えめに作ってある。)を入れて暫く煮込み、しし唐の輪切りを入れて、そこに先に揚げた魚を入れ2〜3分煮込む。 結構これが美味しくて、魚料理の一つとして私たちも大好きなのだ。 ふんだんに使った玉葱としし唐の絶妙の相性が魚をより美味しくするのだ。 またターメリックのお陰で不快な臭いも解消される。
先ず、魚を買いに走った。 室戸で一番とされる魚屋“浦戸屋”だ。 25番札所の程近く、かつてマグロ船でにぎわった港町を色濃く残す通りの一角にある。 今や室戸の看板魚、キンメダイ、そしてイサギ。 天候のせいか、少し値が張ったが室戸を味わってもらうにはこのお二方には何としてもご登場頂きたくギャラをはたいた。
イサギは例のターメリック煮に、キンメは半分を同じくターメリック煮に、残りの半分は表面を少し焼き、中は生と言う、焼き切りにした。 焼き切りの方は大目のねぎと、自家製ドレッシングを掛けて食べていただく。 ビール好きの彼女にはたまらない二品になると思う。
最近特別な小麦粉を仕入れた。 石臼引きの北海道産最高級小麦粉、“はるゆたか”100%のしかも全粒粉だ。 これを使ってチャパティーを作る事にした。 チャパティーはインドのパンであるが、ナンの様に発酵はさせない。 実に素朴で美味しいパンである。 しかもその特別な粉のお陰で風味が一段と豊かで、噛むほどに味が染み出して来る。 シンプルな物は本当に美味しいと、再認識させられる。
もう一つ、コキュリと言う揚げパンの一種、こちらは枝豆をつぶしたやつに少しスパイスを入れ生地にはさんでそして揚げる。 これがまた何とも言えず美味しいのだ。 粉ははるゆたかブレンドを使った。 これらのパンは阿波尾鶏のカレーと一緒に食べると尚更美味しいはずだ。
他にも何品かお出ししたが、やはり女性たちだから野菜をたくさん食べたいだろうなと思い、カブ、大根、パプリカ、なす、しいたけ、ねぎなどの温野菜サラダを用意した。 松の実と胡桃、にんにく、オリーブオイルと深層水塩で作った、マクロビ的ドレッシングで食べてもらおう。
女性は食べる事が大好き、しかも見た目も美しくなくては満足しない。 さらに低カロリーと言う高いハードルを店としては越えなくてはいけない。 まあ、その辺が遣り甲斐でもあるのだが・・・
食事をしながら大いに盛り上がっていたところを見ると、10年の隔たりはあっと言う間に埋まったに違いない。
食後の紅茶はインド、ドアーズ産を選んだ。 あっさり過ぎず、濃すぎず、しかも香りは甘い。 これに有機豆乳と吉野くず粉で作った豆乳プリンで締めくくり。 紅茶は余分な脂分を流してくれるので女性には嬉しい飲み物だ。 豆乳プリンも低カロリーで、ヘルシー。
久しぶりに会った友と食事をするのは楽しい物だ。
「いや〜 お久しぶり〜 元気やった〜? あたしもね〜あれからいろいろあってね〜・・・」
「へ〜 ほんと〜 それでどうしたの〜?・・・」
女性達はこうして互いの近況報告をしあって、話に花が咲く。
これが男達ならどうか?
「おっ! 久しぶりやな、元気? ・・・・ほな、また!」
またとは何時なのか? 男達も女性のようにたまには喫茶店でお茶したり、食事したらいいのに・・・ 店としても嬉しいのに!
まあ〜もっとも男同士がただ集まっておしゃべりしてたら妙な感じだけど・・・

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