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2012/6/14

中日新聞のコラム  

 中日新聞のコラム「中日春秋」を転載。
「唐衣」は、「袖」「着る」などにかかる枕詞(まくらことば)だが、紫式部は『源氏物語』で、末摘花(すえつむはな)が歌を作る際、やたらにこれを使うという設定にして、諧謔(かいぎゃく)味を醸しだしている

▼ある時、玉鬘(たまかずら)への贈り物に添えた歌も、<わが身こそうらみられけれ唐衣君が袂(たもと)になれずと思へば>。やれやれ、また「唐衣」かというわけで、源氏はこんな歌を返す。<からごろもまた唐衣からごろも返す返すも唐衣なる>

▼末摘花の「一語へのこだわり」には愛嬌(あいきょう)があるが、笑えないのは野田首相のそれだ。関西電力の大飯原発3、4号機について立地自治体の福井県おおい町が今日、町として、再稼働受け入れを正式に決めるという。首相はそれらを踏まえて週内にも再稼働を決断するらしい

▼以前からそれを策してきた首相には、各方面から、安全面での深刻な疑問が多くぶつけられてきた。だが、馬耳東風、何を言われても「再稼働」の一点張りで押し切ろうとしている。まったく、<再稼働また再稼働再稼働返す返すも再稼働なる>だ

▼夏場に電力が不足するのは確かだとしても「だから」再稼働という結論なら、子どもにでも出せる。「それでも」再稼働しない道をあえて探ってこそ、この国の新しい道は見えてくる

▼甚大な犠牲を払って得た大事な機会だ。それをフイにして、首相よ、あの事故で故郷を追われた人々に顔向けができるのか。

 正直、民主党は死んだ。
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