
餌でないもので作り、あたかも餌のようにみせて魚に食いつかせ、鈎にかける。
これを擬餌鈎というが、西洋の釣り文化であるルアーやフライの方が有名かもしれない。
実は日本独自の釣り文化の中にも擬餌鈎の仕掛はたくさんあり、これをバケと呼んだりする。
あたかも餌のようにバケさせたものだからバケというのだろうか。
上の写真がその和製ルアー=バケの代表的なもの。
中央と右は釣鈎のチモトに鉛の錘を鋳込み、目を描き、魚の皮などで小魚に似せた胴体を作っている。
水に濡れると本物の小魚のような色艶で輝くのだという。
左は弓角(ユミツノ)と呼ばれるタイプ。
プラスチックを弓形に成型したものに鈎が仕込んである。
一見魚とは似ても似つかない姿だが、水の中を泳がせてみると見事に小魚が逃げ惑う動きを表現する。

もっと簡単なバケもある。
右の写真は釣鈎に羊毛を結んでフワフワにしたものでウィリーと呼ばれる。
羊毛を英語で言うとウーリーだから、それが釣り人の間でナマったのだろうか。
これを小刻みにシャクルときっとフワフワの羊毛の動きがアミエビのようにみえるのかもしれない。
チモトに夜光パイプを付けているのは集魚効果とハリスの保護を狙ったもの。
僕の自作仕掛だ。
これらのバケをひっさげて僕は今週末、メジ・カツオ船に乗りに行く。
メジというのはクロマグロの幼魚でカツオは言わずと知れた本ガツオ。
どちらも強烈な引きでファイトするのだという。
大変楽しみである。

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