忘却の川へ流れ去る諸々をしばしこの岸辺に繋ぎとめて..日記についての日記、もしくは不在の人への手紙。
2005/6/15
お体の具合はいかがですか。ゆっくりお休みになられているでしょうか。あなたの症状から察すると、軽度のメニエールにかかられたようです。この症状は、疲労の蓄積と極度のストレスからくるものですから、ここは、事情の許されます限り雑事から解放され、ゆっくり体を休められますよう。そうしないと、重症になればもっと大変です。とても立っていられないですし、寝たきりの点滴生活になってしまいます。くれぐれもご自愛くださいね。
かくいう私も、なんとなく気の晴れない日々を送っております。ついついマイナス思考に入ってしまう今日この頃ですが、そんな日々にあっては、顕微鏡を覗き込むように、少しばかりのちっぽけな幸せを見つめつづけるということも必要です。
つい、1ヶ月ほど前のことです。仕事の打合せ先へ向かうために地下鉄の駅から地上に出て歩き出した途端、豪雨に見舞われました。あいにく傘の用意も無く、近くに傘を売っているようなコンビニもありません。目的地までたいした距離ではないので、通りの建物の軒づたいに進もうとしましたが、すぐにずぶぬれになりました。所在無く、一つのビルの軒下で雨宿りです。
5分ほど呆然とそこに立ち尽くしていたでしょうか。背後から声をかけてくる人がいました。振り返ると女性が、手にした傘を私のほうに差し出していました。その女性は、ビルの1階の通りに面した喫茶店の人のようで、店先で濡れ鼠で突っ立ている私の姿を見かね、店にある傘を貸してあげようと出てきてくれたのでした。私は感謝して傘を借り、少し遅刻しただけで仕事を無事終えることが出来たのでした。
仕事帰り、打合せ先の建物を出ると、先ほどの雨は嘘のようにあがっていました。帰り道、私は傘を返しに先ほどの喫茶店に入りました。傘を貸してくれた女性は不在でしたが、出てきた青年にお礼を言って、コーヒーを一杯いただくことにしました。店の客は私一人です。カウンター席に座って青年と世間話を交わしながら、ウインドウ越しに差し込んでくる夕方の陽光を眺めているとなんとなく気分もリラックスしてくるのでした。
帰りがけに私が代金を支払うと、青年は「少し待ってください」といって店の奥へいったん引っ込みましたが、出てきた時にはおつりと一緒におおきな一枚の葉っぱを手にしていました。「僕もよく知らないのですが、この葉はハカラメという熱帯樹の葉っぱで、水につけておくだけで葉っぱから芽が出てくるのです。面白そうなので、あなたもどうぞおためしに。」彼は乾燥しないようにその葉を水にぬらしてビニール袋に入れてくれ、私はそれを大事に家へもって帰りました。
○...○○...○○○...
さっそく家に帰って水を張った皿に葉っぱを浮かべて、皿が乾くと水を足して、葉っぱから芽が出てくるのを待つ日々です。私の頭の中では、上の絵のように葉っぱの真ん中から豆のような双葉の芽がにょっきりと出てくるというイメージがありました。そんなこんなで1ヶ月がたったところ...
セイロンベンケイソウ(ベンケイソウ科)
学名:Kalanchoe pinnata
別名:トウロウソウ(灯籠草)・ハカラメ(葉から芽)
亜熱帯地方(南アジア・東南アジア)が原産で、日本では小笠原諸島・南西諸島に帰化している。トウロウソウという名の通り、灯籠に似ている形の花を咲かせる。花が咲くまでに2〜3年かかるといわれていて、冬から早春にかけて7色の花を咲かせる。ref.『セイロンベンケイソウ計画』

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投稿者: イネムリネコ
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