「リモート・ロマンス/I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE −2」
soundscape
「リモート・ロマンス」はイギリスのロックグループ、キャメル/CAMELの8枚目のアルバムで1979年にリリースされた。「リモート・ロマンス」というのは邦題で、アルバムの8曲目に同名の曲がある。原題は「I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE」、直訳すれば「ここから君の家が見える」ということになるが、どうしてこのようなアルバムタイトルになったのかはわからない。邦題の「リモート・ロマンス」と組みの印象としては、遥か遠いところから思いを馳せるといった印象を受ける。先日の日記(手紙)を書きながら、このCAMELのアルバムのことを思い出し、お題をこのアルバムから借用したというわけだ(日記(手紙)に題があるというのも変な話なのだけど)。
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アルバムジャケットは、見ての通り、地球の遥か上空、大気圏外に浮かぶ十字架に貼り付けにされた宇宙飛行士の写真で、右上にタイトルロゴが「I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE」と印刷されている。音楽のほうは、リリカルでヒューマンないつものキャメル節である。1979年という時代を反映して、楽曲には多少ポップでテクノでコマーシャルな味付けがなされているが、今聴き返しても完成度は高い。表題曲の「リモート・ロマンス」も少しトーマス・ドルビーっぽいテクノ・サウンドでキャメルらしいとはいえないが悪くはない。しかし往年のファンにはこのサウンドの変化はあまり歓迎されなかったようだ。このアルバムは、以前ここで紹介したキット・ワトキンスというアメリカ人のキーボーディストがキャメルに参加した唯一のアルバムでもある。
キャメルとキット・ワトキンス関連では、先頃2枚のアルバムが同じシリーズの紙ジャケットで再販されている。一枚は、キャメルのオリジナルメンバーでキーボーディスト、大作『スノーグース』や『ムーン・マッドネス』といった黄金時代のサウンドの屋台骨となりながら本作以前にキャメルを脱退し、惜しくも2002年に肺癌を患って亡くなってしまったピ−ター・バーデンスの1979年のソロ作品。もう一枚は、キット・ワトキンスがキャメルの前に参加していたアメリカのグループHAPPPY THE MANの3枚目のアルバム「クラフィティー・ハンズ」である。どちらも佳曲ぞろいで、聴いていると少し幸せな気分になってくる。

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投稿者: イネムリネコ
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